1959年に翻訳された英国ミステリー
本年のベスト5 (1)『はなれわざ』(クリスチアナ・ブランド) (2)『お楽しみの埋葬』(エドマンド・クリスピン) (3)『火曜クラブ』(アガサ・クリスティー) (4)『殺人の朝』(コリン・ロバートスン) (5)『ギャラウェイ事件』(アンドリュウ・ガーヴ) 本年の特徴 前年ほどではないが、それでも50冊以上の翻訳ミステリーが出版されている。クリスティー作品はさすがに少なくなり、代わりにJ・D・カー(C・ディクソンを含む)とC・ブランドの作品が増えている。また前年同様、東京創元社のクライム・クラブ叢書からはかなりの冊数が刊行された。ただし誰もが名作と納得する作品は少なかった。個人的にはブランドの作品はそう好きではないのだが、ベスト5のトップにはクリスティー作品に似ている『はなれわざ』を推した。クライム・クラブ叢書の中ではW・モールの二作が世評高いが、ここでは敢えて『殺人の朝』を挙げている。 |
題 名 | 原作者 | 翻訳者 | 出版社 | 面白度 |
『チャーリー退場』 | アレックス・アトキンスン | 堀田善衛 | 東京創元社 | ★★★ |
『学長の死』 | マイケル・イネス | 木々高太郎 | 東京創元社 | ★★ |
『足跡のない殺人』 | J・D・カー | 長谷川修二 | 東京創元社 | ★★★ |
『死者のノック』 | J・D・カー | 村崎敏郎 | 早川書房 | |
『連続殺人事件』 | J・D・カー | 井上一夫 | 東京創元社 | ★★★ |
『ニューゲイトの花嫁』 | J・D・カー | 村崎敏郎 | 早川書房 | ★★ |
『震えない男』 | J・D・カー | 村崎敏郎 | 早川書房 | ★★★ |
『ギャラウエイ事件』 | アンドリュウ・ガーヴ | 福島正実 | 早川書房 | ★★★★ |
『新聞社殺人事件』 | アンドリュウ・ガーヴ | 中桐雅夫 | 早川書房 | ★★ |
『死と空と』 | アンドリュウ・ガーヴ | 福島正実 | 早川書房 | ★★★ |
『ハバナの男』 | グレアム・グリーン | 田中西二郎 | 早川書房 | ★★★ |
『火曜クラブ』 | アガサ・クリスティー | 中村妙子 | 早川書房 | ★★★★ |
『パーカー・パイン登場』 | アガサ・クリスティー | 赤嶺弥生 | 早川書房 | ★★★ |
『ポアロ登場』 | アガサ・クリスティー | 小倉多加志 | 早川書房 | ★★★ |
『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』 | アガサ・クリスティー | 田村隆一 | 早川書房 | ★★★ |
『お楽しみの埋葬』 | エドマンド・クリスピン | 深井淳 | 早川書房 | ★★★★ |
『殺人計画』 | マニング・コールス | 尾高京子 | 新潮社 | ★★ |
『ある大使の死』 | マニング・コールス | 長沼弘毅 | 東京創元社 | ★★★ |
『消えた犠牲』 | ベルトン・コッブ | 池田健太郎 | 東京創元社 | ★★★★ |
『消えた心臓』 | M・R・ジェイムス | 平井呈一・大西尹明 | 東京創元社 | |
『ミス・ブランディッシの蘭』 | ハードリー・チェイス | 井上一夫 | 東京創元社 | ★★★ |
『ポンド氏の逆説』 | G・K・チェスタトン | 福田恆存 | 東京創元社 | |
『貴婦人として死す』 | カーター・ディクスン | 小倉多加志 | 早川書房 | ★★★★ |
『パンチとジュディ』 | カーター・ディクスン | 村崎敏郎 | 早川書房 | ★★ |
『メッキの神像』 | カーター・ディクスン | 村崎敏郎 | 早川書房 | ★★★ |
『殺人者と恐喝者』 | カーター・ディクスン | 長谷川修二 | 東京創元社 | ★★★ |
『弓弦城殺人事件』 | カーター・ディクスン | 加島祥造 | 早川書房 | ★★ |
『三十九の階段』 | ジョン・バカン | 小西宏 | 東京創元社 | ★★★ |
『二人の女王』 | H・R・ハガード | 大久保康雄 | 東京創元社 | ★★★ |
『モンテズマの娘』 | H・R・ハガード | 大久保康雄 | 東京創元社 | ★★★ |
『アランの妻』 | H・R・ハガード | 大久保康雄 | 東京創元社 | ★★ |
『マイワの復讐』 | H・R・ハガード | 大久保康雄 | 東京創元社 | ★★ |
『首つり判事』 | ブルース・ハミルトン | 井上一夫 | 早川書房 | ★★★★ |
『死の逢びき』 | リー・ハワード | 清水千代太 | 東京創元社 | ★★★ |
『失われた地平線』 | ジェイムズ・ヒルトン | 増野正衛 | 新潮社 | ★★★ |
『チューダー女王の事件』 | クリストファ・ブッシュ | 小山内徹 | 東京創元社 | ★★ |
『ハイヒールの死』 | クリスチアナ・ブランド | 恩地三保子 | 早川書房 | ★★★ |
『猫とねずみ』 | クリスチアナ・ブランド | 三戸森毅 | 早川書房 | ★★★ |
『はなれわざ』 | クリスチアナ・ブランド | 宇野利泰 | 早川書房 | ★★★★★ |
『自宅にて急逝』 | クリスチアナ・ブランド | 恩地三保子 | 早川書房 | ★★★★ |
『切られた首』 | クリスチアナ・ブランド | 三戸森毅 | 早川書房 | ★★ |
『ゆがんだ光輪』 | クリスチアナ・ブランド | 恩地三保子 | 早川書房 | ★★ |
『ドクター・ノオ』 | イアン・フレミング | 井上一夫 | 早川書房 | ★★★ |
『黒魔団』 | デニス・ホイートリー | 平井呈一 | 東京創元社 | |
『こびとの呪』 | E・L・ホワイト(独自のアンソロジー) | 橋本福夫・中村能三 | 東京創元社 | ★★★★ |
『死の序曲』 | ナイオ・マーシュ | 瀬沼茂樹 | 早川書房 | ★★★★ |
『怪奇クラブ』 | アーサ・マッケン | 平井呈一 | 東京創元社 | ★★★ |
『殺人混成曲』 | マリオン・マナリング | 都筑道夫他 | 早川書房 | ★★★ |
『モンブランの処女』 | A・E・W・メースン | 稲葉和夫 | 朋文堂 | ★★★ |
『ハマースミスのうじ虫』 | ウィリアム・モール | 井上勇 | 東京創元社 | ★★★★ |
『さよならの値打ちもない』 | ウィリアム・モール | 井上勇 | 東京創元社 | ★★★ |
『恐怖へのはしけ』 | エリオット・リード | 加島祥造 | 早川書房 | ★★★ |
『電話の声』 | ジョン・ロード | 鮎川信夫 | 東京創元社 | ★★★ |
『殺人の朝』 | コリン・ロバートスン | 斉藤数衛 | 東京創元社 | ★★★★ |