1956年に翻訳された英国ミステリー

本年のベスト5
(1)『葬儀を終えて』(アガサ・クリスティー)
(2)『クロイドン発12時30分』(F・W・クロフツ)
(3)『茶色の服の男』(アガサ・クリスティー)
(4)『消えた玩具屋』(エドマンド・クリスピン)
(5)『雲の中の殺人』(アガサ・クリスティー)
本年の特徴
前年からのクリスティー作品の出版ラッシュは今年も同じ。早川書房と講談社が競って出している(リストでは11冊)。ベスト1に入れた『葬儀を終えて』はクリスティー後期の傑作。「だって、リチャードは殺されたんでしょう?」という一言だけで優れたミステリーが出来てしまうのだからクリスティーマジックだ。3位も5位もクリスティー作品としたが、3位の作品は冒険小説として楽しめる。なおこの年の特徴は倒叙ミステリーの傑作『殺意』(1953年のリストに移行)と『クロイドン発12時30分』が相次いで東京創元社から出版されたことか。

題 名 原作者 翻訳者 出版社 面白度
『判事への花束』 マージェリー・アリンガム 鈴木幸夫 早川書房 ★★★
『眠れるスフィンクス』 J・D・カー 西田政治 早川書房 ★★
『妖女の隠れ家』 J・D・カー 西田政治 早川書房 ★★★
『囁く影』 J・D・カー 西田政治 早川書房 ★★★
『帽子収集狂事件』 J・D・カー 宇野利泰 東京創元社 ★★★
『モスコー殺人事件』 アンドリュー・ガーブ 向井啓雄 時事通信 ★★
『伯母の死』 C・H・B・キッチン 宇野利泰 早川書房 ★★★
『おとなしいアメリカ人』 グレアム・グリーン 田中西二郎 早川書房 ★★★
『七つの時計』 アガサ・クリスティー 赤嶺弥生 早川書房 ★★★
『茶色の服の男』 アガサ・クリスティー 桑原千恵子 早川書房 ★★★★
『バグダッドの秘密』 アガサ・クリスティー 赤嶺弥生 早川書房 ★★★
『ヒッコリー・ロードの殺人』 アガサ・クリスティー 高橋豊 早川書房 ★★
『葬儀を終えて』 アガサ・クリスティー 加島祥造 早川書房 ★★★★★
『書斎の死体』 アガサ・クリスティー 高橋豊 早川書房 ★★★★
『ABC殺人事件』 アガサ・クリスティー 松本恵子 講談社 ★★★★
『みさき荘の秘密』 アガサ・クリスティー 松本恵子 講談社 ★★★
『雲の中の殺人』 アガサ・クリスティー 松本恵子 講談社 ★★★★
『ゴルフ場の殺人事件』 アガサ・クリスティー 松本恵子 講談社 ★★★
『ザ・ビッグ・4』 アガサ・クリスティー 松本恵子 講談社 ★★
『消えた玩具屋』 エドマンド・クリスピン 大久保康雄 早川書房 ★★★★
『クロイドン発12時30分』 F・W・クロフツ 大久保康雄 東京創元社 ★★★★
『夢の魔女・黒い小屋』 ウィルキー・コリンズ 鷲巣尚・才野重雄・鈴木四郎 英宝社 ★★★
『海を渡る恋』 R・L・スティーヴンソン 中村徳三郎 岩波書店 ★★
『魔人ドラキュラ』 ブラム・ストーカー 平井呈一 東京創元社 ★★★
『バターシイ殺人事件』 D・L・セイヤーズ 小山内徹 芸術社 ★★
『ブラウン神父の懐疑』 G・K・チェスタートン 村崎敏郎 早川書房 ★★★
『プレーグ・コートの殺人』 カーター・ディクスン 西田政治 早川書房 ★★★
『予言殺人事件』 カーター・ディクスン 宇野利泰 現代文芸社 ★★★★
『情炎の海』 ダフネ・デュ・モーリア 大久保康雄 東京創元社 ★★★
『名探偵登場@』 早川書房編集部編   早川書房 ★★★★
『名探偵登場A』 早川書房編集部編   早川書房 ★★★
『名探偵登場B』 早川書房編集部編   早川書房 ★★★
『幻想と怪奇@』 早川書房編集部編   早川書房 ★★★★ 
『闇からの声』 イーデン・フィルポッツ 井上良夫 早川書房 ★★★
『医者よ自分を癒せ』 イーデン・フィルポッツ 宇野利泰 早川書房 ★★
『間にあった殺人』 エリザベス・フェラーズ 橋本福夫 早川書房 ★★
『怪物』 ハリングトン・ヘクスト 宇野利泰 早川書房 ★★★
『鑢』 フィリップ・マクドナルド 黒沼健 早川書房 ★★★
『秘密諜報部員』 サマセット・モーム 龍口直太郎 東京創元社 ★★★
『緑のダイヤ』 アーサ・モリスン 延原謙 東京創元社 ★★★

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