1954年に翻訳された英国ミステリー
本年のベスト5 (1)『オリエント急行の殺人』(アガサ・クリスティー) (2)『皇帝の嗅煙草入れ』(ジョン・ディクスン・カー) (3)『ユダの窓』(カーター・ディクスン) (4)『野獣死すべし』(ニコラス・ブレイク) (5)『フランチャイズ事件』(ジョセフィン・テイ) 本年の特徴 この年から早川ポケット・ミステリが本格的に刊行されている。本リストの31冊中、24冊が早川ポケット・ミステリであるが、初出ではないために省略した『三幕の殺人』(クリスティー)や『密使』(グリーン)などもポケット・ミステリから出ている。評価の高い作品が多いうえに、古典と新作が適度に混じっている。ベスト5は壮観だが、『スターベル事件』や『細い線』、『私たちは孤独ではない』なども忘れ難い作品である。 |
題 名 | 原作者 | 翻訳者 | 出版社 | 面白度 |
『細い線』 | エドワード・アタイア | 文村潤 | 早川書房 | ★★★★ |
『幽霊の死』 | マージェリー・アリンガム | 服部達 | 早川書房 | ★★★ |
『恐怖への旅』 | エリック・アンブラー | 村崎敏郎 | 早川書房 | ★★★ |
『シルマー家の遺産』 | エリック・アンブラー | 関口功 | 早川書房 | ★★★ |
『蝋人形館の殺人』 | J・D・カー | 妹尾韶夫 | 早川書房 | ★★ |
『夜歩く』 | J・D・カー | 西田政治 | 早川書房 | ★★ |
『皇帝の嗅煙草入』 | J・D・カー | 西田政治 | 早川書房 | ★★★★★ |
『カックー線事件』 | アンドリュウ・ガーヴ | 高橋豊 | 早川書房 | ★★★ |
『黒い死』 | アントニー・ギルバート | 平井イサク | 早川書房 | ★★★★ |
『恐怖省』 | グレアム・グリーン | 小津次郎・野崎孝 | 早川書房 | ★★★ |
『オリエント急行の殺人』 | アガサ・クリスティー | 延原謙 | 早川書房 | ★★★★★ |
『青列車殺人事件』 | アガサ・クリスティー | 松本恵子 | 日本出版協同 | ★★★ |
『ホロー館の殺人』 | アガサ・クリスティー | 妹尾韶夫 | 早川書房 | ★★★★ |
『牧師館の殺人』 | アガサ・クリスティー | 山下暁三郎 | 早川書房 | ★★★ |
『ポケットにライ麦を』 | アガサ・クリスティー | 宇野利泰 | 早川書房 | ★★★ |
『地の果てまで』 | A・J・クローニン | 竹内道之助 | 三笠書房 | ★★★★ |
『スターベル事件』 | F・W・クロフツ | 井上良夫 | 早川書房 | ★★★★ |
『ビッグ・ボウの殺人』 | イスラエル・ザングウィル | 妹尾韶夫 | 早川書房 | ★★★ |
『アリ・ババの呪文』 | D・L・セイヤーズ | 黒沼健 | 日本出版協同 | ★★ |
『時の娘』 | ジョセフィン・テイ | 村崎敏郎 | 早川書房 | ★★★ |
『フランチャイズ事件』 | ジョセフィン・テイ | 大山功 | 早川書房 | ★★★★ |
『美の秘密』 | ジョセフィン・テイ | 河田清史 | 早川書房 | ★★★ |
『ユダの窓』 | カーター・ディクスン | 喜多孝良 | 早川書房 | ★★★★★ |
『豪勇ジェラール』 | コナン・ドイル | 大仏次郎 | 生活百科刊行会 | ★★ |
『陸橋殺人事件』 | ロナルド・ノックス | 井上良夫 | 早川書房 | ★★★ |
『学校殺人事件』 | ジェームス・ヒルトン | 乾信一郎 | 早川書房 | ★★★ |
『私たちは孤独ではない』 | ジェイムズ・ヒルトン | 村上啓夫 | 早川書房 | ★★★★ |
『100%アリバイ』 | クリストファー・ブッシュ | 森下雨村 | 日本出版協同 | ★★★ |
『野獣死すべし』 | ニコラス・ブレイク | 黒沼健 | 早川書房 | ★★★★ |
『十二人の評決』 | レイモンド・ポストゲート | 黒沼健 | 早川書房 | ★★★★ |
『アリバイ』 | ミカエル・モルトン | 長沼弘毅 | 早川書房 | ★★★ |
『下宿人』 | ベロック・ローンズ | 加藤衛 | 早川書房 | ★★★ |