1953年に翻訳された英国ミステリー

本年のベスト3
(1)『デミトリオスの棺』(エリック・アンブラー)
(2)『殺意』(フランシス・アイルズ)
(3)『怒りの海』(ニコラス・モンサラット)

本年の特徴
この年は、早川書房より早川ポケット・ミステリが刊行された記念すべき年である。また下のリストには省かれているが(1951、2年の方に移動したが)、ホームズ物が新潮文庫から次々に出版されている。さらに宝石社からも別冊宝石が出ている。東京創元社はまだ参加していないが、この年が実質的な戦後翻訳英国ミステリーの元年といってよいであろう。なお早川ポケミスから出た最初の作品は『忘られぬ死』で、年末に出版されている。『殺意』は東京創元社版より先に日本出版協同版が刊行されていたため変更した(2006.5.3)。

題 名 原作者 翻訳者 出版社 面白度
『殺意』 フランシス・アイルズ 延原謙 日本出版協同 ★★★★
『デミトリオスの棺』 エリック・アンブラー 村崎敏郎 早川書房 ★★★★★
『恐怖の背景』 エリック・アンブラー 平井イサク 早川書房 ★★★★
『内なる私』 グレアム・グリーン 瀬尾裕 早川書房
『スタンブール特急』 グレアム・グリーン 北村太郎 早川書房 ★★★
『忘られぬ死』 アガサ・クリスティー 村上啓夫 早川書房 ★★★
『フランケンシュタイン』 メアリ・シェリー 宍戸儀一 日本出版協同 ★★
『ソロモン王の宝窟』 H・R・ハガード 那須辰造 日本出版協同 ★★★
『密室の守銭奴』 イーデン・フィルポッツ 桂英二 宝石社 ★★★
『ゼンダ城の虜』 アンソニー・ホープ 村上啓夫 日本出版協同 ★★★
『矢の家』 A・E・W・メースン 妹尾韶夫 早川書房 ★★★
『怒りの海』 ニコラス・モンサラット 吉田健一 新潮社 ★★★★

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