1951年に翻訳された英国ミステリー
本年のベスト3 (1)『予告殺人』(アガサ・クリスティー) (2)『シャーロック・ホームズ全集 第3、4巻』(『シャーロック・ホームズの冒険』)(コナン・ドイル) (3)『殺人準備完了』(別題『ゼロ時間へ』)(アガサ・クリスティー) 本年の特徴 この年、早川書房より世界傑作探偵小説シリーズが刊行され、前年から刊行を始めた雄鶏みすてりーずの残りの作品を含めると、英国ミステリーはかなり訳されたことになる。また月曜書房からシャーロック・ホームズ全集も刊行され始めた。世界傑作探偵小説シリーズと雄鶏みすてりーずの作品のうち、実物は2冊のクリスティー作品しか持っていないが、『オシリスの眼』以外の作品は、その後早川ポケット・ミステリや東京創元社の世界推理小説全集から出ている。『邪魔者は殺せ』は映画公開を契機に翻訳されたようである。P・チェイニイ作品は珍しいスパイ小説で、結構面白い。 |
題 名 | 原作者 | 翻訳者 | 出版社 | 面白度 |
『疑惑の影』 | J・D・カー | 村崎敏郎 | 早川書房 | ★★★ |
『曲がった蝶番』 | J・D・カー | 妹尾韶夫 | 雄鶏社 | ★★★ |
『邪魔者は殺せ』 | F・L・グリーン | 清水光 | 三笠書房 | ★★ |
『第三の男』 | グレアム・グリーン | 遠藤慎吾 | 早川書房 | ★★★ |
『密使』 | グレアム・グリーン | 北村太郎 | 早川書房 | ★★★★ |
『三幕の殺人』 | アガサ・クリスティー | 田村隆一 | 早川書房 | ★★★★ |
『白昼の悪魔』 | アガサ・クリスティー | 堀田善衛 | 早川書房 | ★★★★ |
『予告殺人』 | アガサ・クリスティー | 田村隆一 | 早川書房 | ★★★★★ |
『殺人準備完了』 | アガサ・クリスティー | 三宅正太郎 | 早川書房 | ★★★★ |
『マギル卿最後の旅』 | F・W・クロフツ | 乾信一郎 | 雄鶏社 | ★★★★ |
『地底の星座』 | ピーター・チェイニイ | 朝倉敏 | 英宝社 | ★★★ |
『彼等は霧の夜をえらんだ』 | ピーター・チェイニイ | 朝倉敏 | 英宝社 | ★★★ |
『木曜日の男』 | G・K・チェスタートン | 橋本福夫 | 早川書房 | ★★ |
『修道院殺人事件』 | カーター・ディクスン | 長谷川修二 | 雄鶏社 | ★★ |
『シャーロック・ホームズ全集 第3、4巻』(『シャーロック・ホームズの冒険』) | コナン・ドイル | 延原謙 | 月曜書房 | ★★★★★ |
『シャーロック・ホームズ全集 第7、8巻』(『シャーロック・ホームズの帰還』) | コナン・ドイル | 延原謙 | 月曜書房 | ★★★ |
『シャーロック・ホームズ全集 第9巻』(『バスカヴィル家の犬』) | コナン・ドイル | 延原謙 | 月曜書房 | ★★★ |
『オシリスの眼』 | オースティン・フリーマン | 二宮佳景 | 早川書房 | ★★ |
『プレード街の殺人』 | ジョン・ロード | 森下雨村 | 雄鶏社 | ★★ |