1950年に翻訳された英国ミステリー

本年のベスト3
(1)『アクロイド殺し』(アガサ・クリスティー)
(2)『樽』(F・W・クロフツ)
(3)『月長石』(ウィルキー・コリンズ)

本年の特徴
この年より、翻訳出版は本格的に解禁になったようだ。新樹社のぶらっく選書や雄鶏社の雄鶏みすてりーずが刊行され始めた。ぶらっく選書には英国ミステリーは含まれていないが、雄鶏みすてりーずには数多くの英国ミステリーの古典が入っている。それらの作品はすべて、後年早川ポケット・ミステリや東京創元社の世界推理小説全集から出ている。下記のリストの実物は一冊も所有していないが、『月長石』などは明らかに抄訳と思われる。

題 名 原作者 翻訳者 出版社 面白度
『べにはこべ』 バロネス・オルツイ 村岡花子 英宝社 ★★★
『アクロイド殺し』 アガサ・クリスティー 松本恵子 雄鶏社 ★★★★★
『樽』 F・W・クロフツ 森下雨村 雄鶏社 ★★★★★
『ポンスン事件』 F・W・クロフツ 井上良夫 雄鶏社 ★★★
『百萬長者の死』 G・D・H・& M・コール 吉田松太郎 雄鶏社 ★★
『月長石』 ウィルキー・コリンズ 森下雨村 雄鶏社 ★★★★
『二つの薔薇』 R・L・スティーヴンスン 中村徳三郎 岩波書店 ★★★
『南海千一夜物語』 R・L・スティーヴンスン 中村徳三郎 岩波書店 ★★★★
『赤毛のレドメイン』 イーデン・フィルポッツ 井上良夫 雄鶏社 ★★★★
『完全殺人事件』 クリストファ・ブッシュ 井上良夫 雄鶏社 ★★
『トレント最後の事件』 E・C・ベントリイ 延原謙 雄鶏社 ★★★
『赤い家の秘密』 A・A・ミルン 妹尾韶夫 雄鶏社 ★★★

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