邦題 | 『戦慄の都』 |
原作者 | J・S・フレッチャー |
原題 | The Ransom for London(1914) |
訳者 | 朝倉英彦 |
出版社 | 治誠社 |
出版年 | 1945/9/ |
面白度 | ★ |
主人公 英国首相の秘書官であるヨセリン。25歳。首相の娘に恋している。 事件 驚くべき脅迫者が登場した。ロンドン市民を即効性の毒薬で殺すと脅して、14万ポンドの身代金を要求したのだ。そして脅迫者は、首相が所有する牧場の子牛22頭を一瞬にして殺すという実演を行なったのである。だが牛小屋に落ちていた指輪から……。 背景 SF味のある通俗サスペンス小説。ロンドン市民を人質にするという発想はそれなりに面白いのだが、脅迫用の毒薬が絶対に見つからない即効性のものであったりするなど、かなりのご都合主義で物語が展開する。フレッチャーは、クロフツばりの地味な作風の作家といわれていたはずだが、少なくともこの作品にはその片鱗は見られなかった。 |
邦題 | 『空中よりの聲』 |
原作者 | ウィリアム・ル・キュー |
原題 | The Voice from the Void(1922) |
訳者 | 安東禾村 |
出版社 | 文園社 |
出版年 | 1945/8/30 |
面白度 | |
主人公 事件 背景 以前は本書を『怪教の秘密』の別題と考えていたが、それは間違っていたので内容は削除した(2007.1.22)。 |
邦題 | 『赤い線』 |
原作者 | サックス・ローマー |
原題 | The Sins of Séverac Bablon(1914) |
訳者 | 吉川周太郎 |
出版社 | 文園社 |
出版年 | 1945/9/30 |
評価 | ★★ |
主人公 謎の人物セヴェラック・バブロン。この人物を捕まえようとするのがロンドン警視庁のシェフィールド捜査係長。 事件 製粉会社を解雇された社員全員に百万ドルを寄付するという謎の人物が現れた。一方大富豪の邸に盗賊が入り、居合わせた人々に対して慈善事業への寄付を強要した。狙いはなにか? 以前の事件との関係は? 背景 ローマーの長編ニ作目。ローマーといえばフー・マンチュー博士シリーズが有名だが、第1作(The Mystery of Dr.Fu-Manchu)ではそれほどの評判にならなかったのか、この第2作には登場していない。本作は一種の義賊物で、ラストに少し意外性があるのが救いか。 |