第二回講座 『スリーピング・マーダー』を読む (2015.1.22)
書誌的情報
- 原書"Sleeping Murder"は1976年(クリスティの死後)の出版。
- ミス・マープル物(長編は12本)の最後の作品だが、執筆は1940年代前半と思われる。
- 最初の翻訳は『スリーピング・マーダー―ミス・マープル最後の事件』(綾川梓訳、ハヤカワ・ノヴェルズ、早川書房、1977)
以下『スリーピング・マーダー』(綾川梓訳、早川ミステリ文庫、1990/1)
『スリーピング・マーダー』(綾川梓訳、早川クリスティー文庫、2004/11)
- 映画化はされていない。
- TV映画は4本(内1本はアニメ映画)。
- ジョーン・ヒクソン主演の作品は1987年英国で製作。日本ではNHKBS2で1987年(?)、テレビ東京で1996年5月に放映された。
- ジェラルディン・マクイーワン主演の作品は2006年英国で製作。日本ではNHKBS2で2008年6月に放映された。
- NHKアニメ劇場「アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル」の中の1本(全4話)として2004年5月にNHK地上波で放映された。
- 「クリスティのフレンチ・ミステリー」でCSから放映されたようだが(2012年)、不詳。
- 上記の作品はすべてDVDで発売されたと思われる。
作品内容
探偵:素人探偵のミス・マープル。
粗筋:ニュージーランドから英国に来た若妻グエンダはトーキーの近くで理想的な家を見つけた。だが住み始めると奇妙な既視感を抱く。やがてロンドンで観た芝居の終幕近くの台詞に驚き……。
主な登場人物:若妻グエンダ・リードとその夫ジャイルズ、グエンダの父ケルヴィン・ハリデイ、その二度目の妻ヘレン、ヘレンの兄ジェイムズ・ケネディ、弁護士ウォルター・フェーンなど。
本書を読んだ後(読みながら?)、可能ならば考えてきてほしいこと
- 本作の評価(★5つが満点)と、その理由を述べてください。
- 作品中の記述から、この作品がいつ頃書かれたか推測できるでしょうか?
- セント・キャサリン荘は「ヴィクトリア朝風の家」となっていますが、どんな感じの建物でしょうか?
- クリスティの多くの「回想の殺人」は、いつ頃書かれたでしょうか? 他にどんな「回想の殺人」の作品がありますか? <クイズ>最初の「回想の殺人」はどの作品?一番遠い昔の事件を捜査するのは何?
- 初期の作品(『火曜クラブ』『牧師館の殺人』)と比べて、この作品のミス・マープルの人物像に変化があるでしょうか?
- ミス・マープルの事件に取り組む姿勢に、他の作品との違いがあるでしょうか?
- プロットや事件の解決部分について、どう思いますか?
次回の資料はhttp://www.ab.cyberhome.ne.jp/~lilac/christie/seibushiryou.htmで参照できます。
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