第三回講座 『謎のクィン氏』を読む (2015.3.28)

書誌的情報

  • 原書"The Mysterious Mr. Quin"は1930年の出版。  
  • 主に1920年代後半に書かれたハリー・クィン物の短編12本を集めた短編集。  
  • 邦訳は以下のとおり。
     『海から来た男 ―クィン氏登場』(石田英二訳、早川ミステリ、1963/6)
     『翼の折れた鳥 ―クィイン氏登場2』(石田英二訳、早川ミステリ、1963/6)
     『クィン氏の事件簿』(一ノ瀬直二訳、創元推理文庫、1971/4)序文付
     『謎のクィン氏』(石田英二訳、早川ミステリ文庫、1978/10)
     『謎のクィン氏』(嵯峨静江訳、早川クリスティー文庫、2004/11)
     
  • なお短編集に含まれていないクィン物の短編は以下の2本(合計で14本)。
     「愛の探偵たち」(短編集『愛の探偵たち』(早川クリスティー文庫)に所収)
     「クィン氏のティー・セット」(短編集『マン島の黄金』(早川クリスティー文庫)に所収)
  • クリスティ自身が好きな短編集であるが、なかでもお気に入りの短編として「海から来た男」「世界の果て」「道化師の小径」の3本を挙げている。
  • 映画は"The Passing of Mr. Quinn"(1928年公開、英国)。内容は短編「クィン氏登場」とほとんど関係ない独自のシナリオで作られている。TV映画はない。
  • 映画のノヴェラリゼーション "The Passing of Mr. Quinn"(1928)(By Mckee)も発売されている。

作品内容

探偵:ハリー・クィンは、やせて髪の黒い男。正体はよくわからない。
    サタースウェイトは60代の紳士で、人生の傍観者。写真や音楽、絵画など多趣味な文化人。


本書を読んだ後(読みながら?)、可能ならば考えてきてほしいこと

  1. この短編集の評価(★5つが満点)と、中で一番好きな短編を挙げてください。
  2. この作品の優れている点、または、評価できない点を挙げてください。
  3. クィン氏とサタースウェイト氏の人物像について、感想を述べてください。他のシリーズ・キャラクターと比べて、どうですか?
  4. クィン氏を主人公にしたことと、作品の内容(主題)とは関係があるのでしょうか?
  5. クィン氏とサタースウェイト氏の関係をどう思いますか?
  6. サタースウェイト氏はこれ以外にどんな作品に登場するでしょうか?
  7. 各短編中に、別の作品を連想させるようなものがあったでしょうか?
  8. クリスティは特に3本の短編が気に入っていると述べています。お気に入りの理由が考えられるでしょうか? またはこの3作品に共通する点があるでしょうか?
  9. クリスティのシリーズ・キャラクターは、どういう順番で作られたでしょうか?

次回の資料はhttp://www.ab.cyberhome.ne.jp/~lilac/christie/seibushiryou.htmで参照できます。
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