最後の晩餐(7日目) 野村恭子 |
今日の予定はトーキーからロンドンへ移動し、ホテルにチェックイン後は自由行動である。私は、2日目に地下鉄工事で行けなかったイソコン・ビルディングを訪問する数藤さんについて行くことにした。
まず朝食はトーキーのパレス・ホテルで、「イギリスで食事するなら朝食が一番」と言われるイングリッシュ・ブレックファスト。前日に食べきれなかったメニューに挑戦。お腹いっぱいだったが「美味しいイングリッシュ・マフィンを食べないなんて!」と言われ、一生に一度の旅なのだからと心残りのないよう頑張る。日本のマフィンと違って、生地が密でしっとりとして、表面をカラッとトーストし、バターと手作りママレードを載せて、皆であっという間に完食。大大だーい満足。
トーキー駅では時間に余裕があったので記念撮影し、グレート・ウェスタン鉄道各駅停車でロンドンへGO!!
「行き」の急行ではわからなかったが、クリスティが『パディントン発4時50分』を書く際のヒントになったのではないかと思われる、犯人が死体を投棄した大きなカーブ探しに張り切る。座席の液晶ディスプレイではGPSで列車の位置がわかるため、CastleとSomertonの間にある大きなカーブに列車がさしかかったのがわかる。グーっと曲がっていく列車の先頭を窓から確認した人もいて、皆「ここに違いない」と歓声を上げた。
途中左右の丘に、白馬の形が見えた。隣の英国人ご夫婦が「石灰でできた丘の森林を切り払って白馬の形を作った」と教えてくれた。彼らの息子さんは広島に赴任、その奥様は日本人だとかで、本当に「It's a small world!!」。 そのあと列車はnarrow boats が浮かぶ小川に沿って走り、いくつもの可愛い橋が見えた。
午後はイソコン・ビルディングへ行く組、ロンドン名所探訪組(ビッグベンや国会議事堂、ウエストミンスター寺院)、お買い物組と自由行動。
地下鉄Belsize Parkから5分位の所にあるイソコン・ビルディングは当時はとても斬新な造りで話題となったとのこと。外観は日本の団地に似ていて、三階22号室がクリスティの住居だった所。一番端で側面に大きな窓があり、風にそよぐ緑の木々が眺められたことであろう。
夜はパディントン駅すぐの"GARFUNKEL'S"レストランで、今回旅行の「最後の晩餐」。タコスの皮にアボガドとチリのディップが載った前菜、オニオンリング、チキンカルボナーラパスタ、ペンネアラビアータ、ゴーツチーズとマルゲリータピザをシェア。すっかりお馴染みになったビール「ロンドン・プライド」を飲んでそのジョッキーをgetした方もいた。
ロンドンのホテルはパディントン駅から5分のクオリティ・クラウン・ホテル・ハイドパーク。メイン道路から少し入った、公園が前にある静かなところ。部屋は天井が高く、バスタブもあって、朝食も美味しかったが、たまたま異様に暑い時期で、クーラーがなく扇子でパタパタしながら、それでも疲れてグッスリ。朝は清々しく、散歩はすぐ近くのハイドパークへ行けるので滞在にはとても便利。
トーキーのパレス・ホテルは駅から車で7分位だが、上り坂が続く丘の上にあり、うぐいす色の壁に白いハイライトが入った大きく綺麗なリゾートホテル。古いエレベーターがあり、部屋はとても広く、素敵な壁紙で、窓から花咲く庭や青いプールが見え、遠くに海が光って、次の朝は日の出が見えた。薔薇咲く庭を通って、ビーチ(Anstey
Cove)まで降りることもでき、またフット・パスからwall hillという見晴らしの良い断崖の上にも行け、素晴らしいホテルだった。