■「■ローマ字相談室」の掲示板のアーカイブ分です。1か月ごとにまとめてあります。■ローマ字以外の話題については「◆春猫掲示板保管庫」へ。
第1.3版 (2001年2月12日発行)
編集者: 初井薫(はつい・かおり)© Copyright Halcat Continuum 2000, 2001. All Rights Reserved.
(整理番号: 36)
ゆきおくんさん、お役にたちましたでしょうか?
「ローマ字相談室」の、「よくあるまちがい」とか、「氏名のかきかたのいろいろ」とか、「海津式ローマ字」のなかの、「海津式ローマ字(人名・地名編)」とかも参考になればさいわいです。
またなにかご意見・ご質問などございましたら、忌憚のないところをおきかせください!
(整理番号: 37)
「えっちゃん」についての解答ありがとうございました。
このページに同様の話題がありましたね。急いで質問だけ書き込んだので
よくみてませんでした。すみませんでした。
パソコンとかのIMは、自分の思い込みのローマ字スペルで打っても、変換
してくれますから(ら行で L R の混同等)、和文をローマ字入力する時は
全然気にもしてませんでした。
私のまわりにも結構いるんですよ、名前をローマ字で書く時どう書くのかっていう人が...。「みつこ」さんとか「とおやま」さんとか。
ローマ字って英語を習う前、小学校で「九九」を覚えるのと同じように
暗記した記憶があります。わかっているつもりでも曖昧さが残っているものですね。
これを機会にちょっと理解を深めたいとおもいます。
(整理番号: 39)
ゆきおくんさん、ようこそ!
お返事おそくなってすみません。
「えっちゃん」のローマ字表記ですが、ぜんぶ小文字でひとつづきにかくとすれば、
ettyan (日本式、訓令式、国際規格など)
etchan (ヘボン式、英米規格など)
となります。「えっ」と「ちゃん」をわけてかくとなると、「っ」を「q」や、「'」や「xtu」などでかくことになります。(「■海津知緒 ( 1 Feb 2000 01:12:11) ■語末の促音のローマ字表記 」参照)
とりあえず、こんなところでおわかりですか?
(整理番号: 40)
はじめて投稿します。
メールアドレスのアカウントを決める際のローマ字表記に困ってこのページに辿りつきました。一口にローマ字といっても色々ケースバイケースなんですね。
ところで質問なんですが、"えっちゃん"をローマ字もしくは英語で表記すると
"ettyan","ecchan","etchan"のどれになるのでしょうか?
ちなみに海外のサイトで”たまごっち”が"tamagotchi"となっていたので、
"etchan"のような気がするのですが...ご指導の程よろしくおねがいします。
(初歩的な質問で申しわけありません。)
(整理番号: 41)
「ローマ字年表」がまだまだできそうにないので、それまでのつなぎというわけでもありませんが、東京新聞の2000-01-14(金)夕刊の:
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日本よ成熟に向かえ―梅棹忠夫氏に聞く
小子化で衰退の入り口に
女性や障害者にも優しい社会を
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という記事から要約です。日頃の梅棹先生との会話から、記事にかかれていないこともすこし補足してあります。
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文明や国家の栄枯盛衰は世のつね。日本はすでに衰退の時期にきている。それは、出生率の低下にあらわれている。2050年の日本の人口は7千万人になっているだろう。
ただ、おなじ衰退するのでも、じょうずな衰退というものがあるはずで、それが「成熟」というものだろう。
人口が減少するなかで文明を運転してゆくには、女性や障害者にも活躍してもらわなければならない。こどもにもはやく一人前になってもらわなくてはならない。
女性や障害者を差別したり、習熟に時間がかかる「かな漢字まじり表記」にこだわったりしている余裕はないはずだ。
われわれは生活の洋風化にともなって、和服をすてて洋服にしたように、インターネットにあわせて、漢字をすててローマ字にしないと、日本の文化、文明は世界に貢献できない。
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梅棹さんはことしで80歳ですが、まだまだ元気です。ことし、比較文明論関係の単行本3冊をだす予定とのこと。
(整理番号: 43)
ただいま、「ローマ字年表」作成中です。ローマ字についていろいろなはなしをするのに、基本的な資料かなとおもいまして…。
それがおわったら、「ローマ字資料室」をだんだん充実させようとおもっています。まずは、現行の公的標準からはじめて、過去の重要なローマ字表記方式の資料の順でかいていこうとおもっています。
「海津式ローマ字」も改訂したいのですが、このホームページをみるひとにとっては、わたしの案よりも、現状がどうなっているか、いままでのいきさつはどうだったのかのほうが興味があるとおもいますので、あとまわしです。
(整理番号: 48)
いま、「ヘボン式」のルーツをさぐってます。どうもいままでのわたしの見解はまちがってたみたいです。「ローマ字のいろいろ」を訂正しておきました。それにしても、115年前の文献をよむのは骨がおれます。
「ローマ字相談室」担当 海津知緒
(整理番号: 58)
海津さん、お世話になります。
促音へのご回答有り難うございました。
ちゃんと海津式のところで、書かれていらっしゃいましたね。
よく、確認せず、すみませんでした。
小学校で習ったので、分かったつもりでいましたが、
ローマ字って、本当はとても奥が深くて、難しいのですね。
これからも勉強させてください。
(整理番号: 59)
Yukiさん、ようこそ。「ローマ字相談室」担当の海津知緒です。
>「えっ。」とか、「ぱらっ。」とか最後に促音が来るときは、どのように表記
>すればいいですか? 特に、ヘボン式で英米人向け(?)に書くときに
まず公的規格では、内閣告示、その前身の内閣訓令、ISO、ANSI、BS、いずれにも記述はありません。
(ISO、ANSI、BSは「促音」を「二重子音(doubled consonants)」としてあつかっています。
ただ、内閣訓令をもとに、教育現場の運用のための解説としてつくられたんだとおもいますが、「ローマ字文の書き方」という文書が昭和22年に文部省からでていて、それには、
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ただし次のような場合はアポストロフ ['] を使って示す。
"A'" to sakebu. 「あっ」と叫ぶ。
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という例があり、ローマ字論者のあいだではこれがつかわれてきました。
わたしの案では、「っ」の単独表記のときもふくめて、「q」でかくことを提案してます。
つまり、
"Aq" to sakebu.
のようになります。
また、わたしの案では、「ぁぃぅぇぉゃゅょ」といった、いわゆる「小書き(こがき)」のカナを単独では「x-」でかくことにしてますので、これをつかって、
"Axtu" to sakebu.
のようにもかけます。この「x」はちょっとカッコわるいので、「`」(アクサン・グラーブ)をつかって、
"A`tu" to sakebu.
のようにかくこともかんがえています(これは未発表)。
「q」をつかう理由は、日本語の促音の音素記号として、「Q」がつかわれているからです。ふつうの大文字の「Q」よりちいさい、スモール・キャピタルのような「Q」です。
この辺は、ヘボン式とか日本式とかの差があんまりでないところだとおもいますが、英語にはそもそも「促音」という概念はなく、「閉鎖子音」があるだけです。
つまり、「stop」の発音はカナでかくと/スターッ/、「cup」の発音は/カーッ/となります。そのあとに母音の/ウ/がきて、はじめて「スターップ」「カーップ」になるわけです。
そういう意味では、英語民族にとっては、英語で無声閉鎖子音をあらわす、「p」「t」「k」あたりを適当につけてもいいとはおもいますが…。まあ、「q」あたりが中立的で無難では?
意味不明のところなどございましたら、またご質問ください。
「ローマ字相談室」担当 海津知緒
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