あれは小学生のころかなぁ、テレビで映画「2001年宇宙の旅」を見たのは。小さい頃は2001年ってすごい未来だった。宇宙にも旅するのかと思っていたけれど、現実の2001年は昔とそんなにすごくは変わっていませんでした。でも2001年、僕は宇宙ではなかったけれど、すっごいところに旅をしたんです。そう、2001年軍艦島の旅・・・

夕陽に映える軍艦島


陸地(野母崎水仙の里公園)から見た軍艦島


船上から見た軍艦島


 軍艦島は長崎県にあります。本当の名前は「端島」といい、軍艦島はその外観からついた通称です。1890年(明治23年)から三菱の経営で石炭が採掘され、1916年(大正5年)以降炭坑開発の従業員のために高層鉄筋アパートが島に次々と建設されました。その後、住宅ばかりでなく、商店、映画館、幼稚園や小中学校、病院、神社、など生活に必要な建物が次々と建てられました。
 海底炭坑として栄えてきた軍艦島ですが、昭和30年代後半からのエネルギー改革の影響を受け、1974年(昭和49年)には炭坑が閉山となり、住人は本土へ引き上げ、軍艦島は無人島となりました。27年たった2001年現在、建物の風化は進んではいますが、その遺構は今もなお現存しています。

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