The biography of Gou Yuehua

01-04/14

4.1963年初めてラケットを握る

 私が初めてラケットを握ったのはこの年の春だった。ラケットといっても、兄から貰ったもので、表面がでこぼこしている上に、ラバーも何も貼っていない、ひどく粗末なものだった。しかしボールを打つ時のあの快い響きは今でも懐かしい。

 この時、私は七歳で物心のつき始める頃でもあるし、いたずら盛りの時期でもあった。家は厦門公園の近くにある三階建のアパートだったが、応接間が、かなり広いのでそこの一メートル四方のテーブルが私達の「神聖なる」卓球台となった。ネットのかわりに天秤棒でテーブルを二つに仕切るという荒っぽい遊び方だったが、どんなボールも私達の目をごまかすことは出来なかった。

 二階に住んでいた潰波・洪浪の双子兄弟を相手によく疲れも知らずに楽しんだものだった。外れたボールがベランダを飛び越えると私は足早に一階へ走って拾ってくる。又、時々けんかの声が広がると、一階のおばあさんの大目玉を食わされたりもした。そうなるとみんな猫をかぶるが、しばらくすると今度は傍若無人で勝ち抜き戦を始める。

 とにかく、こうした遊びは誰かが部屋の中の何かをこわしてしまう迄続くのだった。そして物がこわされてしまうとお互いに責任を押しつけあって逃げようとする。ただ両親が家にいる時だけはおとなしくなって騒いだりしなかった。両親には厳しい一面もあるが、やさしい一面もあった。家の中で少しいたずらをしても外で遊びほうけるよりはいいと考えていたらしい。このように学校以外の時間は自由に使っていました。

郭躍華自伝01***七歳でラケットを握る***

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