The biography of Gou Yuehua

01-01/14

1.千里の道も一歩より

   故郷に帰るたびに、よく鼓浪山の日光岩にのぼって海を眺めたものだった。寄せては返す波を見つめ、 潮騒に耳を傾けていると、いつまでも欄干にもたれたまま帰るのも忘れることがたびたびだった。

   故郷厦門(アモイ)は地形が白鷲に似ているし、昔は白鷲が群がり、棲息の地でもあったという伝説 から、鷲島、鷲江、鷲津、白鷲など、その別名に白鷲にちなんだものが多い。この厦門に生まれ育った私は、 小さい時から

   両個の黄鷸   翠柳に鳴き
   一行の白鷺   青天に上る
   窓には含む西嶺千秋の雪
   門には泊す東呉万里の船

という唐の時代の詩人、杜甫のこの絶句に親しみを覚えている。

郭躍華自伝01***七歳でラケットを握る***

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