北朝鮮の爆破と思われる震動源(2017/9/3)

(2017/9/3 更新)


図0:Hi-netの島根県鹿島観測点(左)と北海道熊石観測点(右)の1時間波形。2017年9月3日9時から1時間。 31分の途中からP波が到着しています。鹿島は37,38秒頃、熊石は32分10,02秒頃。 2016年と到着秒がほとんど同じですが、振幅は鹿島で約6.5倍もあります。


図1:Hi-netの島根県鹿島観測点(左)と北海道熊石観測点(右)の1時間波形。2016年9月9日9時から1時間。 31分の途中からP波が到着しています。鹿島は37秒頃、熊石は32分02秒頃。


図2:Hi-netの島根県鹿島観測点(左)と北海道熊石観測点(右)の1時間波形。2016年1月6日10時から1時間。 30分の途中からP波が到着しています。鹿島は37秒頃、熊石は31分01秒頃。


図3:Hi-netの島根県鹿島観測点(左)と北海道熊石観測点(右)の1時間波形。2013年2月12日11時から1時間。 最後の列の59分の途中からP波が到着しています。鹿島は27秒頃、熊石は51秒頃。


図4:比較のため図1と同じ鹿島(左)と熊石(右)の2009年のときの波形。 56分の途中からP波が到着しています。

今回の波形は、これまでで一番大きいようです。地震波の振幅から求められるマグニチュードは下記のようです。

2006年10月09日10:35(J) Mj4.9 mb4.3
2009年05月25日09:55(J) Mj5.3 mb4.7
2013年02月12日11:57(J) Mj5.2 mb5.1 Ms4.0
2016年01月06日10:30(J) Mj5.1 mb5.1 Ms4.0
2016年09月09日09:30(J) Mj5.3 mb5.3
2017年09月03日09:30(J) Mj6.1 mb6.3
Mjは気象庁マグニチュードで、mbは米国地質調査所の実体波マグニチュード、Msは米国地質調査所の表面波マグニチュード。
この程度の規模の場合、異なる方位をカバーし、距離の異なるデータが多いmbが信頼性があります。

爆発の規模について
NHKニュース(2016年1月ネット)では
最初の核実験は2006年10月です。アメリカ政府の分析では、核爆発の規模は、TNT火薬に換算して1キロトン以下ということで、比較的小さな爆発だったとされています。 2回目の核実験は、2009年5月に行われました。アメリカの分析では、爆発の規模はTNT火薬に換算して数キロトンに及ぶもので、「2006年の核実験を上回るものだった」としています。 3回目の核実験は、2013年2月に行われました。爆発の規模について韓国国防省は6キロトンから7キロトン程度だったとしています。
毎日新聞の2016年1月ネット−ニュースでは
過去の核実験の爆発規模は▽1回目がトリニトロトルエン(TNT)火薬換算で1キロトン未満▽2回目が数キロトン▽3回目が6〜7キロトン、と推定されている。
中国科学技術大学(http://seis.ustc.edu.cn/en/201601/t20160106_234881.html)では、
2006 ( 0.48 kt)
2009 ( 7.0±1.9 kt)
2013 (12.2±3.8 kt)
2016 1月(11.3±4.2 kt)
と評価しています。(今回のはまだ公表されていませんでした)



図5:米国地質調査所による震動源の位置(3回目)と中国・牡丹江観測点、Hi-net鹿島観測点、熊石観測点の位置。

以下は、参考にして下さい。 北朝鮮の爆破と思われる震動源 :2016年01月06日



図6:Hi-net 100観測点波形トレースで見える震動波形。図の中央部に縦黒く連なる部分がP波群。



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