今回の衆議院選挙は、小泉劇場、マスコミ効果、各種団体の投票率アップ
プロジェクトの影響などもあり投票率は、67.51%と前回に比べ
7.65ポイントアップした。
理由はどうであれ、多くの人が投票に行くという行動をおこしたことは
大変意義のあることだと思う。
しかしながら、今回の選挙は、様々なことを考えさせられる選挙戦でもあった。
◆小選挙区制の特性はっきり
今回の今回の選挙の小選挙区での得票率は、自民47%、民主36%
であったが、獲得議席数としては自民73%、民主17%と圧倒的に
自民が議席を獲得することとなった。
小選挙区における当選者は1人のため、いわゆる「死票」が多く出て、
このような結果が生まれてしまうのである。
これって民意が本当に反映されていると言えるのだろうか?
社民党や共産党への得票も足すと、自民と野党では野党の得票率
の方が自民を上回ったことを考えると、国民は必ずしも「郵政民営化」
賛成したとも言えないのかもしれない。
また、日本独特の制度である重複立候補ほどわかりにくい
ものはないと思う。
小選挙区で選ばれなかった人が復活当選してしまい、神奈川の
ある区では、無所属、自民、民主の3人が全員当選してしまっている。
これでは、何のための投票??って感じざるを得ない。
◆公職選挙法の是非
今回の選挙では、公職選挙法の問題点も浮き彫りにされた形である。
例えば、
@ネットでの選挙活動の禁止
選挙期間中に候補者がHPやブログの更新を行うことはもちろん
第三者が特定の政党や候補者についてブログに書くことも場合に
よっては違反となる。
A公開討論会の禁止
選挙期間中に第三者による公開討論会が出来ないこと
B参議院のあり方
今回与党が衆議院の2/3を占めたので関係なくなったが、
郵政民営化の是非を国民に問う選挙で衆議院で自民党が
勝ったとしても参議院で否決される可能性もあったわけで
国民の民意が無視されえた。)
C国民の民意と政党の党則の矛盾
今回の選挙は今後4年間を小泉政権に託すか、岡田政権に託すか
の選択選挙でしたが託した小泉政権は党則によって来年の9月
までで終わりです。
◆今回の衆議院選挙(2005.9.11)での得票率、得票数及び獲得議席数
|
|
自民党 |
民主党 |
公明党 |
共産党 |
社民党 |
国民新党 |
新党日本 |
新党大地 |
無所属 |
得票率 |
小選挙区 |
47.77% |
36.44% |
1.44% |
7.25% |
1.46% |
0.63% |
0.20% |
- |
- |
比例代表 |
38.17% |
31.02% |
13.25% |
7.25% |
5.48% |
1.74% |
2.42% |
- |
- |
得票数 |
小選挙区 |
32,518,389 |
24,804,786 |
981,105 |
4,937,375 |
996,007 |
432,679 |
137,172 |
16,698 |
- |
比例代表 |
25,887,798 |
21,036,425 |
8,987,620 |
4,919,187 |
3,719,522 |
1,183,073 |
1,643,506 |
433,938 |
- |
獲得議席 |
小選挙区 |
219 |
52 |
8 |
0 |
1 |
2 |
0 |
0 |
18 |
比例代表 |
77 |
61 |
23 |
9 |
6 |
2 |
1 |
1 |
0 |
計 |
296 |
113 |
31 |
9 |
7 |
4 |
1 |
1 |
18 |
参議院 |
計 |
112 |
82 |
24 |
9 |
6 |
2 |
1 |
0 |
5 |
|