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Gスケール用道床付き線路の製作

2002年10月の日本Gゲージクラブ定例運転会で、冬場などの室内運転会用に線路に何らかの加工をしたものがあると良いかもしれないという話が出ました。線路をそのまま床や机に置くよりも、バラスト位はあった方が雰囲気が出るという発想です。私も以前から、ベッドレイアウトのカーブを曲がれない車輛を室内で運転するための仮設線路が欲しいと考えていたので、そのアイディアを元に作ってみることにしました。


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いきなり完成品の写真から。長さは900mm、幅は180mmです。この180mmという幅は、LGBの大型(R3)ポイントで作られる渡り線の複線間隔が、およそ180mm強というところから来ています。これと同じものを2つ並べれば複線用に対応できるわけです。運転会ではどうしても複数のエンドレスが必要でしょうから、それを複線でまとめられるようにしておけば、スペース効率が良くなると考えました。

加えて、LGBのR1(半径600mm)とR2(半径780mm)の複線間隔も180mmですから、その辺りも都合が良いと思い、路盤幅を180mmとしました。

最初から複線で考えなかったのは、運転場所によって臨機応変に対応できるように、最小単位にしたかったからです。それから、線路幅45mmを採用する模型の縮尺が、そのプロトタイプにより1/13.7から1/32位までと幅があり、運転会に於いて通常のGスケールの車輛限界に収まらないような大きな車輛がやって来る可能性があり、そのような際に線路を単線に出来れば、車輛同士が接触しない間隔に離すことも容易です。

とは言うものの、単に道床付き線路だから単線にしたというのも否定できませんね(^^;


ベースに使用した材料は5.5mm厚のラワンベニヤと、20mm厚のスタイロフォームです。スタイロフォームは所定寸法の180mm×900mmに切断。これを2枚のベニヤでサンドイッチにして強度を確保します。1枚はスタイロフォームと同じ180mm×900mmの大きさですが、もう1枚は150mm×900mmにしてあります。中心を合わせて接着後、スタイロフォームの肩を落として、築堤風の断面にしようという計画です。

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材料を木工用ボンドで張り合わせ、浮き上がらないように要所をガムテープや木工用瞬間接着剤で仮止めし、更に重し(Gの動力車やらなんやら)を乗せて乾燥するまで放置しました。


接着後、肩を落とした状態のものに、線路を仮置きした状態です。この線路は固定レイアウト用に枕木とレールを着色してあったのですが、本番用には別に用意した、製品そのままで着色していない300mm直線を3本使いました。試作に当たって、なるべく簡単に早く出来る事を優先に考え、リアリティに関しては最低ラインのものを提示することにしました。最低ここまでやって下さい、これより実感的にする分には構いませんということで、線路の量産時の負担を減らす事が目的です。

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線路両側の犬走りと呼ばれる部分には、ホームセンターで入手出来る、砂壁状の、ベージュ色の壁紙を貼って、下地作りと着色を省略することにしました。


土手部分には、模型店で入手できる、芝生マットを貼ることにしました。これは台紙の上に静電接着という方法で細い繊維を接着したもので、手荒に扱うと繊維が脱落してきますから、その辺の対策が必要になります。

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