タタミ一枚線路の旅【レイアウトへの道のり〈19〉】 信号機・ポストに、それから…


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相変わらずちまちまと小物作りにいそしんでいます。Nゲージや16番では市販品があるものばかりなので、ちょっとうらやましかったりしますが、あえてこのスケールを選んだ宿命だと思って手を動かすしかないですね。

今回のメインは腕木式信号機と郵便ポストなどについて。進捗状況を掲示板でお伝えしているので新味はありませんが、その辺はご容赦の程。


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腕木式信号機は、ネコ・パブリッシング刊『模景を歩く』に掲載されていた図面を参考に製作しました。機芸出版社刊『レイアウトテクニック』の、坂本衛氏による16番サイズの腕木式信号機の製作記事も併せて参考にしています。

支柱は真鍮パイプ製。腕木、梯子、信号灯と支柱先端の飾りは、Life-Like製の腕木式信号機から流用しました。腕木はアメリカ式なので、日本とは腕の突き出し方向が逆になっています。そこでパーツの腕木部分と眼鏡を切り離し、眼鏡を裏返しにして再接合しました。眼鏡には真鍮パイプや真鍮角線を使い、適当にディテーリングしてあります。


この写真は分かりにくいですね(^^; 腕木可動のリンク機構です。真鍮板を主体に、図面と写真を参考に組み上げました。可動方法は実物と同じです。腕木を動かす時には、ここにある錘付きの腕をレバーにします。信号ケーブルは将来の電動化を睨んで台枠裏に貫通させました。寒冷地なのでケーブルは地下に潜っているという想定です(^^; しかし実際に電動化させるには、支柱がベースの5.5mm厚ベニヤ板に差し込んであるだけなので、このままではモーターのトルクに負けて、腕木だけではなく信号機本体も動いてしまうでしょうね。

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腕木の可動状態を示します。これは進行の時。


レバーを下げると停止の状態になります。

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レイアウトの表側である部屋の入り口方向からだと、信号機の正面が見られないのが残念なところです。裏側も格好が付くように、裏眼鏡も作りました。この場所に信号機を設置するのが考証的にどうかはさて置き、鉄道らしさを感じさせる良いアクセントになったことは確かです。また手前に置く遮蔽物が、レイアウト鑑賞時に奥行きを感じさせる要素となるので、ここに信号機を置くのはそんなに悪い選択ではなかったと思います。


信号機と同時に、昔風の郵便ポストも作りました。PIKOの家を郵便局に見せるためには欠かすことの出来ないものです。

アクリルとアルミのパイプを主体に、プラ板とエポキシパテでディテールを造形してあります。

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いきなり出来上がり(^^; 塗装はポストごとに結構違ったりするので、自分の印象で決めました。確かこれ、JRの気動車色です。郵便ポストのロゴは熱転写プリンタで打ち出した自作デカール。集配時刻表は同じプリンタで紙に打ち出したものを貼り付けました。数字なども判読可能な位だったのですが、エージングのため表面を擦ったら判読不能になりました(笑)

台座は発泡スチロールの削り出しで、これは地面に接着してあります。ポストはその上に乗せてあるだけです。実際の台座ってポストの色のペンキで汚れていたりするんですが、模型でそれをすると単に塗装の下手な人と思われるので止めました(^^;


郵便の集配業務を担当するのは、1950年型フォード・ステップバン。消防用の装備がされていたものから回転灯とサイレンを外し、レタリングを削り落として単なる赤いバンにしました。屋根に回転灯とサイレンの穴が残っているのはご愛嬌。まだ郵便のロゴを入れていないので、側面を見せないアングルでの紹介となっています。

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もののついでに、懸案だったお手洗いの排気塔(臭突って言うそうです)を作りました。色々工作が進むと、パイプなどの素材が貯まってくるもので、そのようなものの組み合わせで出来ています。ちょっとベンチレーターの高さがありすぎのような気もしますね。


根元にはマンホールも表現。トイレの中には便器ではなくポイントマシンが納まっています。建物は手前のセクションの端ギリギリに建っているので、実はマンホールの方は奥のセクションに設置されています。セクションを分割すると、建物とマンホールが泣き別れになります。

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プラットホームの上に、照明用の電柱を設置しました。照明自体はまだです(^^; これのせいで街路灯などのことも考えないといけなくなり、レイアウトの完成はまた遠のくのでありました。


だからといってめげていてもしょうがないので、隣のセクションとの接続用に増設していた張り出し部分の地面を仕上げました。バラストと土撒きに草植え。やはり工作素材が貯まっているので、時間をかけずに仕上げることが出来ますね。

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洞爺鉄道瞥渡線の具体的なレイアウトプランを示すのはこれが初めてだと思いますが、およそこのような配置になっています。本線部分は更に2分割されています。本線の作業がどんどん細かくなり、見た目の変化が少なくなってきたので、気分転換も兼ねて矢印で示したセクションの地面作業をすることにしました。


まずは線路横にくっついているポイントマシンを離します。台枠が箱組みなら裏側に設置するところですが、ここも本線セクションと同じくスタイロフォームをベニヤでサンドイッチした構造ですので、出来るだけ線路から離して、マシンを建物で隠すという方法を取る事にします。マシンの作動腕にピアノ線を取り付け延長軸としました。マシンの周りには建物の土台となる細角材や歩み板などを貼り付けてあります。

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不鮮明な画像ですが、参考までにマシンの台枠裏側取り付けの例を示します。本線手前の2個のポイントは、台枠の後付けの延長部上にあるため(延長部は箱組みなので)マシンの裏側取り付けが可能でした。作動部が奥なので見えませんが、マシンの作動腕にピアノ線を垂直に付き立て、それをポイントの可動部分に差し込んであるだけの、いたってシンプルな仕組みです。マシンのトルクが大きいので、上の例もそうですが、単純な仕組みでも充分実用になります。


ヤードセクションと視覚的に離すために踏み切りを設けることにしました。道路をスチレンボード、踏み板をバルサ材で作り、地形の凹凸を軽量タイプのモデリングペーストで形作りました。この後線路の塗装、地面表現、ストラクチャー製作(転轍手詰所ですよね、やっぱり)と進む予定です。

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結構手を掛けたのに、やっぱりあまり代わり映えしないなぁ。ある意味もう完成しているとも言えなくもないのですが、まだ細かいところは全然出来てないんですよね。前述の照明の問題もあるし(光らせるかどうかは別として)、人形の日本人化は懸案事項として残っているし、何より駅員が一人もいないのが凄く気になります(笑)