タタミ一枚線路の旅【レイアウトへの道のり〈4〉】 ホーム製作


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ヒノキの角材とベニヤ板を使って、ホームを作り始めました。作業がやりやすいようにと、ベースボードの上に直接作りつけてしまうのではなく、5mm厚のMDF板をホームのサイズより一まわり大きく切り出したものを用意して、そこにホームを作っていくことにします。ヒノキ角材をそのまま使うと新品の民芸品みたいになってしまいそうなので、角を落としたり、鋸歯を木肌にこすりつけて木目を強調したりしていますが、果たして上手くいくのでしょうか。


g_layout_06.jpgホーム上面に土を撒いたり、地面を作ったりする前に、ホーム側面の木部をざっと塗装してしまいます。生の木の色を隠すための下塗りです。薄めた塗料や染料で染み込ませるように塗っていくのが、木の質感を出すためにはいいようです。

今回は、どこかで『コピック』というデザインマーカー(コピー原稿に着色する際、コピーのトナーが溶け出さないようにアルコール系のインクを使用しています)のインクを使ったという記述を見つけたこともあり、それならばとコピックそのもので塗装することにしました。なんと所有していたんですね、私。

使用したのはコピックの『コミックマーカー』という種類のもので、薄いグレー系の色を中心に何色か使って塗っていきました。先がブラシ状になっていて、狭い部分も塗りやすかったです。

実はレイアウト完成イメージスケッチの彩色をしたのもこのコピックです。同じ画材で同じ色を、絵にも立体物にも塗っているということになりますね。


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塗り上がった木部。角材の表面にレザーソーの歯を擦り付けて作った木目も、色を入れることでやっと分かるようになりました。まだあくまで下塗りですので、土埃などの表現は後の工程になります。


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冒頭の写真と比べると、多少現実感が出てきたかな?


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2001.12.27の状態。ホーム上面に紙粘土やら砂やらを盛り、ベニヤ板を隠しました。地面風の塗装はこれから。ホーム横の線路がそのままだとリアリティに乏しいので、エナメル系プラ用塗料で塗装。コルクの細粒をバラストとして散布しました。バラスト節約のため枕木と枕木との間に、短冊状に切ったコルク板を挟み込んだのですが、それでも予想した以上に大量のコルクが線路に吸い込まれていったのには驚き。
ついでに線路横の地面にも砂を撒いてみました。


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2002.1.24
砂を撒いたものが気に入らず、一度削り落としてから改めて表面処理をしました。粉末状の粘土『ミラコン』を水で溶いたものを塗りつけ、ワイヤーブラシなどで表面を叩いて荒らしました。タミヤのエナメル系塗料で明るい土の色を作り薄めたものを塗り、乾いた後でそれより濃い色に調色したものを、なるべく斑を不規則に作るようなつもりで重ね塗りしました。その後で表面を軽くこすると前に塗った明るい色が出てくるので、適当にこすって立体感を強調しています。木の部分にも薄めたエナメル系塗料を塗って、色を落ち着かせました。


まだちょっと土の色が明るいような気もしますが、一旦これで止めて、ディテール工作に移ろうと思います。なんかのろのろやってますね。


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2002.3.9
変なものがいますが気にしないで下さい(こんな物しかGスケール近辺の人形がない)。着色した地面のところどころに砂を撒いたり、スポンジ粉で下草の表現をしたりしています。地面の色自体も多少荒っぽくムラを付けたりなんかしています。木部にもパステルの粉末をこすり付けるなどして、出来るだけリアリティが増すように頑張っていますが、難しいことこの上ないです。


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作りかけの駅名標を置いてみました。小さめに作ってみたのですが、それでもホームに比べかなり大きな物です。いかにこのホームが実物的には小さな物であるかが分かります。


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うちの奥さんにこんなのを書かれてしまいました。なんとゆーベタなネタ。本当は『むこうとうや』という駅名にする予定です。地面に置いてある木は、柵を作ろうと思って切りだしたもの。原料は割り箸です。バケツはプレイモビルの駅に付属のものです。


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ホームの端まであまり人は来ないだろうと想定して、若干草を多めに表現します(肝心の草がピンぼけ…)。小形の立木のような謎の植物はドライフラワー製。

しかし、ますますプレイモビルの駅とは離れて行っているような気が。どこから見ても日本ですね、これは。


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2002.3.11
草が伸びました(^^;。米国の鉄道模型情景材料メーカー、ウッドランドシーニックス社の、フィールドグラスという筆の穂先に着色したようなものを植え込んであります。それからバラストを、同メーカー製の軽石の細粒に替えて撒き直しました。やはり本物の石の持つリアリティが欲しかったのと、着色によるニュアンスの出しやすい、色の明るいものにしたかったという理由からです。コルク粒並みとはいきませんが、それでも充分軽く、値段がコルクよりも安かったというのも大きな理由だったり…。


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ドライフラワーも若干追加。草の表現はこの位まででしょうか。後は駅名標など、アクセサリー類の完成とディテーリング作業になりますね。


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2002.3.19
駅名標に塗装とレタリング、汚しなどを加えました。この後ホームに電柱(街灯)を立てようか思案中。デザイン画にあった柵はうるさそうなので省略することにしました。


g_layout_20.jpg文字は0.3mmのプラ板にプリンタ(ALPS MD-1000)で打ち出しました。あまり良い字体のフォントがパソコンに入っていないので、まあ、こんな感じです。塗装した駅名標に貼り付けてから、パステルの粉でウェザリング。最後に艶消しのトップコートを全体に吹き付け、パステル粉の定着と全体のトーンの統一を図りました。

ちなみに、駅名標の木組みをボルトで止めていると想定して、ボルトの表現を加えたのですが、これにはLGB線路の枕木から削ぎ取ったモールドを使用しています。

新品で古びたものを作るのって大変ですねー。