第七百四十四条 第七百三十一条乃至第七百三十六条の規定に違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消を裁判所に請求することができる。但し、検察官は、当事者の一方が死亡した後は、これを請求することができない。
死亡しても、親族なども取消権をもつことに注意
○2 第七百三十二条又は第七百三十三条の規定に違反した婚姻については、当事者の配偶者又は前配偶者も、その取消を請求することができる。
第七百四十五条 第七百三十一条の規定に違反した婚姻は、不適齢者が適齢に達したときは、その取消を請求することができない。
○2 不適齢者は、適齢に達した後、なお三箇月間は、その婚姻の取消を請求することができる。但し、適齢に達した後に追認をしたときは、この限りでない。
第七百四十六条 第七百三十三条の規定に違反した婚姻は、前婚の解消若しくは取消の日から六箇月を経過し、又は女が再婚後に懐胎したときは、その取消を請求することができない。
第七百四十七条 詐欺又は強迫によつて婚姻をした者は、その婚姻の取消を裁判所に請求することができる。
○2 前項の取消権は、当事者が、詐欺を発見し、若しくは強迫を免かれた後三箇月を経過し、又は追認をしたときは、消滅する。
第七百四十八条 婚姻の取消は、その効力を既往に及ぼさない。
○2 婚姻の当時その取消の原因があることを知らなかつた当事者が、婚姻によつて財産を得たときは、現に利益を受ける限度において、その返還をしなければならない。
○3 婚姻の当時その取消の原因があることを知つていた当事者は、婚姻によつて得た利益の全部を返還しなければならない。なお、相手方が善意であつたときは、これに対して損害を賠償する責に任ずる。
第七百四十九条 第七百六十六条乃至第七百六十九条の規定は、婚姻の取消につきこれを準用する。