離婚をして、財産の清算をしていなかった場合




財産分与請求権
  離婚に伴う財産分与請求権(民768T、771)には、@夫婦の共同財産の清算、A慰謝料、B離婚後の扶養料の3つの要素がある。このうち夫婦の共同財産の清算及び慰謝料的要素部分については相続の対象となりうる。しかし、扶養料的要素部分については一身専属的であり原則として相続性はないと考えられる。なお財産分与請求権は、具体的分与額が確定した段階でなくとも財産分与を請求する意思が表明された後で相続が開始されれば相続の対象となるが(仙台高判昭32・10・14 下民8−10−1915)、離婚しても未だ財産分与を請求する前に死亡した場合は相続の対象とならないとするのが実務の考え方である。