2.分割後新たな遺産が発見された場合の取扱い

(1)分割後新たに遺産が発見された場合、既に為された分割に何らかの効力を与えるか、また、与えない場合に残余財産をどのように分割すべきかが問題となる。
(2)最初の分割時に発見された財産の存在が当事者に明らかであれば、当初のような分割が絶対行われなかったであろうと明らかに認められる場合には、分割は無効と評価できよう。
 しかし、「一部分割の際、遺産の範囲に錯誤があっても、・・‥・‥・・後日の追加的分割に著しい支障を及ぼす等特段の事情がない限り・…・‥‥一部分割の無効をきたすものではない。」と考えるのが判例の基本的な考え方であるから(東京高判昭57.5.31 ないみたい)、従前の分割が無効と評価されるのはむしろ例外的な場合と考えられる。
〈3)従前の分割が有効と評価される場合には残余財産を協議、調停又は審判にて再度分割することとなる。その際、従前の分割に際して各相続人が得た相続財産の差額等、一部分割の際の事情が残余分割に際しての「一切の事情」として考慮されることとなろう。