53判決などの説明を省いた相続回復請求の説明
侵害されている場合・・・・妨害排除請求・持分確認請求 などを求めればよいのですが、侵害者が時効を援用することにより、相続回復できない場合があります。
1.権利内容
(1)表見相続人が相続財産を支配(占有)している場合、真正相続人が表見相続人(侵害者)に対して、その返還を請求する権利である。
行使期間は相続の侵害を知った時から5年、または相続開始から20年以内である(民884)。(20年は除斥期間ではなく時効 最判昭和23・11・6)
(2)本条の適用
★表見相続人から相続財産を譲り受けた第三者がいるときであっても、 悪意又は合理的事由の存否は、表見相続人について判断すべきである(最判平7・12.5 家月48−7−52ないみたい)。
(3)相続回復請求権者
遺産占有を失っている真正相続人である。なお、相続回復請求権は、一身専属権であるので、相続分の特定承継人は、主張し得ないとされている(最判昭32・9・19 民集11−9−1574)。また、相続人の相続人は、固有の相続回復請求権にもとづいて権利を行使することになる(大判大7.4.9 民録24−653)。
(4)相続回復請求権の相手方
表見相続人が被告適格を有することには問題がない。第三取得者に被告適格が認められるかについては、大審院判例はそれを否定してきたが(大判大5・2・8民録22−267)、戦後の下級審は、肯定判例もある(静岡地浜松支判昭和36・6・30下民集12−6−1533など)。
(5)時効取得との関係
相続回復しうる間は、表見相続人は相続財産たる不動産を占有しても、時効取得することはできない(大判昭7.2.9 民集11 192 ないみたい)。ただ、学説上争いあり