目次
遺留分の要件>遺留分の効果・・・・理解できたらページを消して戻ってください。





価格による弁償
・・・1041条


★1個の遺贈・贈与で数個の物権を処分している場合

例・・・A土地・B建物・1000万円を贈与している
例・・・全部の包括遺贈 遺産にはA土地・B建物・現金・預金がある
これらの場合A土地のみを返還して、他の部分は価格で弁償することも可能です。最判12・7・11





現物の返還のかわりに価格弁償を選択しても・・・・
価格弁償する旨の意思表示だけでは目的物返還義務がなくなりません。
つまり、目的物の返還を免れるには、価格を現実に支払うか提供が必要です最判54・7・10  






では、いくら支払えばよいのか?


例・・・相続人 子 A・B・・・・・相続財産1000万円 その内900万円(相続開始時で評価)の価値ある土地を相続人以外のDに遺贈
ABは各200万円侵害されているので、土地の持分はA・B各 2/9 D5/9
Dが価格を選択した場合・・・・・・・・・・・相続開始時ではなく、カネを現実に渡す時・・・
したがって、その時の土地の評価が800万円に下落していたらA・Bに各800万円÷9×2支払えば足りる。
 最判昭和51・8・30




もっとも、Dが時価を800万円を考えていても、A・Bは時価を1000万円を考えている場合・・・・ABはカネを受け取ってくれない場合がある
そもそも、前提問題として遺留分の計算をするには相続開始時の遺産の評価・贈与の評価をしなければならず・・・・双方納得した額を定める事が難しい。



額が定まらず、遺留分権者から、モノの返還・共有分確認の訴えを提起してきた場合・・・・・・・・
侵害者は「裁判所の定めた額による価格で弁償する」といえばよい。
この意思表示は、価格確定の申し立ての趣旨も含むので、裁判所は妥当な弁償額を定めてくれる。この額を支払えばよい。。。最判平成9・2・25



・贈与・遺贈等がすでに履行されているいる場合を想定しているが、未履行であっても1041を類推適用し、価額を弁償して、目的物の引渡を請求できるとする学説がある。

・遺留分権利者が目的物の返還ではなく、価格弁償も選択できるとする学説がある。