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減殺請求前に目的物に権利が設定された場合



 1040条(同条は贈与の場合について定めていますが、遺贈・「特定の遺産を特定の相続人に相続させる遺言」でも同様です)


★原則

遺留分減殺請求をおこなうと、贈与・遺贈等は失効し、遺留分権者は目的物を取り戻すことができます。
しかし、遺留分減殺請求前に受贈請求者・受遺者が目的物を第三者に権利を設定しまった場合、条文上は遺留分権者は目的物を取り戻すことができなくなりそうです。
ただ、1040条1項の所有権移転の場合と異なり、受贈者に所有権があるので、通説は現物の返還と権利の設定により減少した賠償請求をなしうると解しています。

現物の返還を求めずに、受贈者・受遺者に対して目的物の価格を弁償するように請求することも条文上当然できます。




★例外

譲受人が譲渡の時において遺留分権利者に損害を加えることを知っていた場合には、遺留分権者は権利を消滅させ、権利の付着しない目的物を受贈者より取り戻すことができる。

この請求に対して、第三者は価格弁償を選択して権利の消滅を免れることができる(1041条2項)。
価格賠償を選択した場合には、遺留分権利者は負担付の現物かこの価格を受贈者・受遺者に対して請求することになります。