原則として死亡時は、心臓の停止による全体的死亡を、@脈拍の停止A呼吸の停止B瞳孔拡散 の3つの徴候により判断します。 しかし、近時、3つの徴候があらわれる前であっても、脳の機能が不可逆的に停止した場合(脳死)、 「人の死亡」として認定するべきか問題となっています。 1.脳死の定義には諸説あり、@大脳死説、A脳幹の反射機能を重視する脳幹死説、B全脳の器質死をを意味する全脳梗塞説があります。 また 2・脳死であれば、即、人の死といえるのか。あるいは、脳死の状態であっても、臓器が摘出されることとなる者に限り、人の死とするのか(すなわち限定する)争いがあります。 この点、臓器の移植に関する法律6条にいう脳死であって、かつ臓器移植のために臓器の摘出がされる場合に限り、脳死と判定された時点を持って「人の死」とする説が有力です。 臓器の移植に関する法律 (臓器の摘出)第六条 医師は、死亡した者が生存中に臓器を移植術に使用されるために提供する意思を書面により表示している場合であって、その旨の告知を受けた遺族が当該臓器の摘出を拒まないとき又は遺族がないときは、この法律に基づき、移植術に使用されるための臓器を、死体(脳死した者の身体を含む。以下同じ。)から摘出することができる。 2 前項に規定する「脳死した者の身体」とは、その身体から移植術に使用されるための臓器が摘出されることとなる者であって脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止するに至ったと判定されたものの身体をいう。
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