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小規模の店舗(食堂・居酒屋・美容室など)を経営している人
ケース3、・・・・松尾 隆之さんの場合
松尾隆之さんは、5年前から美容室を経営しています。けっこう繁盛したので、@1年前に店舗をもう一つ出店しました。また、Aもとの店舗の内装・備品なども改装しました。
しかし、松尾さんの思わくに反して、新しい店舗は全く客が入らず大幅に赤字の状態です。そこで、新しく出店した店を閉店する事にしました。
もとの古い店舗は黒字の状態ですが、@新しい店舗にかかった費用、Aもとの店舗の改装費用のための借金を返済する事は困難でした。
そこで松尾さんは、小規模個人再生手続を検討しました。
・・・・・個人再生手続は3年(特別な場合には5年)で、分割弁済していくものです。
したがって、赤字経営では、分割弁済する事はできず、再生手続の方法はとれません。
赤字経営の場合には、残念ながら店舗をあきらめるしかありません。
店舗を経営していて小規模個人再生手続を利用できる場合は、経営状態は黒字であるが・・・・・@友人の債務について保証していたので保証債務を履行しなければならなくなった場合 A浪費して借金をつくった場合 B上の例のように、事業を整理すれば黒字にする事が可能な場合 などが考えられます。
店舗の敷金・保証金が高額・・・・・・・・・・これによって、最低弁済額が決まる場合が多い
論点
リース物件の処理(判例タイムズ1102号参照)
自営業は、店舗の備品などをリース契約で借りている場合が多いです。・・・・(美容室の場合であったら理容用のイスや鏡など)
リース契約なので、リース物件の所有権はローン会社にあります。
そこで、再生手続を行うと、リース物件を引揚げられてしまします。
しかし、それでは商売を続けるが不可能になってしまいます。
実務では、リース料債権は、別除権を有し、引き上げを認めるとの見解を取っています。
しかし、再生手続開始決定後に弁済協定(別除権協定)を締結すれば、当該債権は民再119条5号の共有債権に該当し、再生手続によらずに随時支払う事が可能であり、したがって、引揚げられずに使用を継続する事ができます。
リース債権者にしても、出来れば今まで通りに支払いを継続して欲しいわけで、弁済協定を締結してくれる可能性は高いです(実際このようなケースですんなり承諾してもらえました)。
弁済協定の具体的な内容は、@今まで通りに月々支払う A支払いがなされている限り、再生債務者によるリース物件の使用継続について異議を述べず、リース物件の返還請求をしない・・・・・というモノです。