9年第1問


問題文・・・・・

 Aは、その所有する甲土地にBのために抵当権を設定して、その旨の登記をした後、Cに対し、甲土地を建物所有目的で期間を30年と定めて賃貸した。
Cは、甲土地上に乙建物を建築し、乙建物にDのために抵当権を設定して、その旨の登記をした。
その後、Cは、甲土地上の庭先に自家用車のカーポート(屋根とその支柱だけから成り、コンクリートで土地に固着された駐車設備)を設置した。

  右の事案において、次の問いに答えよ(なお、各問いは、独立した問いである。)。
 1 Bの抵当権が実行され、Eが競落した場合、乙建物及びカーポートをめぐるEC間の法律関係について論ぜよ。
 2 Dの抵当権が実行され、Fが競落した場合、乙建物及びカーポートをめぐるFA間の法律関係について論ぜよ。



(解答)民法を知らない人が、このシステムを利用した場合のシュミレーション。なお、各ページの上にある、「5分」とか「30秒」の記載は、民法を知らない人に当該質問を理解させるのには、その位の時間がかかる・・・・と推測した目安です。


小問1

競落人Eが、システムを利用しているとすると・・・・・
最初のページで「物の持ち主が変わる約束」を選んでくれると思われる(Cがシステムを利用しているとした場合は、「借りる契約」からスタートすることになる・・・その後は各自でチェックして下さい)
ページを進めると、競売が出てくる→担保権の実行→A・B間で結ばれた抵当権設定契約を調べる・・・抵当権設定契約・被担保債権は問題ない(アヤシイ事情は書いていないので、・・・もっとも、調べてもよい。ただ、時間がかかるだけ)・・・
その後、Aは土地をCに貸している、ので 貸したをクリックするが・・・賃料に対する物上代位等は関係ない(そもそも、BCの関係なので)・・・戻る・・・他の問題はなさそうなので、「以上の問題は無い が被担保債権の履行がなされない場合」をクリック
競売の要件はあると思われる(以下の論点は一時的には、執行裁判所が判断する)→法定地上権は成立せず・・・借りている人がいる・・・実行時に賃貸借契約あり(アヤシイ事情は書いていないので、また、詐害的な短期賃貸借として解除されていない・・・もっとも、調べてもよい。ただ、時間がかかるだけ)→
抵当権が勝つ→本問題の事例では、判例法によると 短期ダメ・・・以上からCは土地利用権を主張できない と分かるはず・・・・その後の競売を調べたい→
範囲の話
まず建物・・・収去
次にカーポートは誰の物か?・・・土地の附合物・従物か?・従物でない事は明らか・所有者が異なるので・・・附合物かは分かりません(すみません・・・243条の「毀損するに・・・」は争いあるも242条の附合と同義。そうすると、カーポートの支柱を壊さずに分離できるか・がポイントのような気がする・)・・・・したがって、Eが所有権を望めば、帰属をCと争い、望まなければ、収去を求める事になる(もっとも、カーポートが値打ちのある物であるならば、執行裁判所・調査官が、範囲か否か、判断しているはず)

小問2

問題文の「なお、各問いは、独立した問いである。」の意味がよく分かりませんが・・・・・・B・Eの存在を無視し・・・建物競落人たるFが、システムを利用しているとすると・・・
小問1とほぼ同様のコースをたどる事になる。実行まで→競売できる→
いかなる権利関係で競売されるのか?
まず、法定地上権 ダメ
家を借りている人いない
建物競売の場合→進めると、土地使用権限あるか?との質問が出てくる。本問ではあり(アヤシイ事情は書いていないので、・もっとも、調べてもよい。ただ、時間がかかるだけ) 進めると、競落人は建物のため土地を使用できると分かる。引き続き 競売を調べる→戻り、権利関係は分かった→
物の範囲の問題・・・本問では、カーポートがくせもの。
小問1と異なり、建物の従物・附合か?が問題。
建物にくっ付いていないので、附合となりえず。
では従物か?・・・・微妙だが、従物とすると・・・
以後→判例は、どうなのでしょうか?誰か教えてくれ〜 通説によれば、範囲内(したがって、カーポートは競落人Fの所有、前述のように土地利用権ありなので、Fはそのままカーポートを使用できる)