奥の細道(松尾芭蕉)
出典により文字に多少の違いがあります
(月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。・・)
おもしろや今年の春も旅の空
紅梅や見ぬ恋作る玉簾(たますだれ)
行く春や鳥啼き魚の目は涙
田一枚植ゑて立ち去る柳かな
あらたうと青葉若葉の日の光
五月雨(さみだれ)の降のこしてや光堂
閑(しず)かさや岩にしみ入る蝉の声
五月雨(さみだれ)をあつめて早し最上川
象潟(きさかた)や雨に西施(せいし)が合歓(ねぶ)の花
荒海や佐渡に横たふ天の河
浪の間や小貝(こがい)にまじる萩の塵
蛤(はまぐり)のふたみに別れ行く秋ぞ
初時雨(はつしぐれ)猿も小蓑(こみの)を欲しげなり
いざ子供走りありかん玉霰(たまあられ)
何にこの師走(しわす)の市(まち)にいく烏(からす)
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