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幻の旧版「終末を導くもの」アイデアノート
今更になるのですが、当初連載していて第5回までで削除した旧版の「終末を導くもの」がどのような設定の話だったかを当時のアイデアメモを見直しながら整理してみました。
簡単に言うと夏の映画のサードインパクトが起こったところからの分岐ものです。
ただし、シンジが無意識のうちにもういちどやり直しをすべく18,000年かけてエヴァ第1話に相当する世界を再生したという裏設定で物語が始まります。
つまり、「時に西暦20015年」なわけです。
そして第1話同様シンジをミサトが迎えに行くところから始まります。
シンジ自身は力や記憶をほとんど失っているので、多少は前向きになっているものの基本的に原作準拠の「逃げちゃダメだ」小僧です。それでも、他のキャラよりは色々と事情を知っていますけど。
そして深層意識にわずかながらかつての記憶を持つキャラクター達が微妙に異なる行動をして、最終的にサードインパクトが回避されるというのが大まかな設定です。
<第1話 よみがえる街(仮題)>
物語はTV第1話と同じく、シンジがゲンドウの手紙で第3新東京市に呼ばれたところから始まる。
そして、ゲンドウに初号機に乗れと言われる。
シンジはあっさりそれを承諾する。
そして、圧倒的なまでの力であっさり第3使徒を倒す。
ちなみに綾波はシンジがあっさりエヴァへの登場を承諾したので、まだ登場していない。
<第2話 (サブタイトル未定)>
ミサトはシンジに、父親を求めながらも反発しようとする自分と同じものを見いだし、自分の家で同居するよう言い出す。
あっさりとそれが認められ、リツコからも賛成される。
ミサトはシンジの持つ秘密を気にかけるのだが、ともかく2人の同居生活が始まった。
なお、シンジはかつての記憶から、家事を自分で引き受ける。
<第3話 (サブタイトル未定)>
翌日、ネルフでの訓練やテストが開始し、シンジのあまりの拾得の早さに驚くミサトたち。
ともかく、シンジがあっさり戦力と数えられるようになったため訓練は切り上げられ、すぐに学校にも行くことになる。
例によって、授業中にメールでエヴァのパイロットであることを聞かれるが、守秘義務で答えられないと言うシンジ。
トウジは最初エヴァのパイロットとしてなんか偉ぶっているヤツと考えていたのだが、シンジが監視付だということを知り、考えを改めて、逆にその境遇に同情するのだった。
そうこうしているうちに3人は打ち解ける。
<第4話 自分を知る者、知らぬ者(仮題)>
綾波が退院し、ネルフや学校に顔を出すようになったのだが、どうもシンジは綾波を避けているようなのだ。
どうも様子がおかしいので、ミサトが訊ねてみても、はっきりした返事が返ってこない。(綾波には聞くだけ無駄と思い、最初から聞いていない)
しかし、零号機と初号機の共同作戦も考えなければならない以上、そのまま放ってもおけない。
というわけで、ミサトは綾波を家に招待し、親睦を図ろうとするのだった。
ミサトの用意した理由は単純。退院したばかりの綾波はまだ体が不自由なので、一人暮らしでは何かと生活が不便だろうから、食事だけでも用意してあげようというものだった。
学校から帰ってきたシンジがミサトからもう2人分料理を用意してくれという電話を受ける。リツコと綾波の2人をつれて帰るというのだ。
いきなり、綾波だけをつれてこないのはミサトの配慮だが、同時に今日の話しの中で、綾波が片腕で不便そうにしているのを見せて、明日からもしばらく食事に呼ぶことを話題にすることも考えていた。
さて、ミサトがリツコと綾波をつれて帰ってくると、シンジは食事の準備を終えて待っていた。
ミサトには決してできないような出来の料理に、リツコのからかいの言葉が入ったりする。
一方の綾波はあくまで無口。
シンジの方も綾波には声もかけなければ、視線すらも合わさない。
しかし、決してシンジが綾波を嫌っているという訳でもないようだ。というのは、綾波の分の料理は肉を入れなかったり気を遣っているのだ。
適当に話をしながらも、そんなシンジの様子に疑問を感じるミサトとリツコ。
そして、当初の計画通り、明日からしばらくは綾波を夕食に呼ぶことを持ちかける。
当然シンジは渋るが、ミサトとリツコの二人に押されて、決められてしまう。
<第5話 (サブタイトル未定)>
この世界では第1話で呼び出されることの無かった綾波の怪我の回復は、TVよりも早い。
ゲンドウとシンジの直接のやりとりがあり、その中でシンジが、この世界は一旦サードインパクトが起こりその後に再生されたことを思い出してゲンドウに告白する。
しかしゲンドウは全く取り合わない。
非力さを痛感するシンジ。 同時に、しばらくはかつての記憶を自分の中にとどめておくことにする。
綾波と一緒の夕食は、ミサトが不在で初めて2人きりとなった。
綾波が人でないことを気にするシンジは不用意な発言から傷つけてしまう。
それで綾波はそのまま帰ってしまい、次の日から夕食にも来なくなる。
<第6話 (サブタイトル未定)>
零号機の再起動実験が行われる。
その様子を見ていたシンジと零号機の視線が合ったと思ったとき、零号機は再度暴走した。
幸い前回の教訓から内部電源をほとんど空にしていたため、外部電源を切り離してすぐEVAは停止し、被害はほとんど無かった。
そこに第4使徒シャムシエルが襲来。シンジはまだ綾波の無事を聞いていなかったが、いやをなしに出撃を命じられる。
早く使徒を倒し、綾波の安否を確認したいシンジ。
その焦りが、逆に苦戦を強いられる原因になってしまう。
が、それも、綾波の無事が伝えられるまでの話。
心配事の無くなったシンジは簡単に使徒を倒すのだった。
<第7話 (サブタイトル未定)>
NERVは、シンジがあまりに簡単に勝ち続けていたため、委員会から予算の縮小を言い渡される。これはゲンドウに力を持たせないためのシンジの作戦でもあるのだが、それでもゲンドウは予算をちょろまかして、自分の計画につぎ込んでいたりする。
さて、第5使徒ラミエルの登場。
シンジ一人の出撃だが、記憶を基に用意してもらっていた盾と武器により無事撃退に成功する。
一方、ドイツのアスカは謎の病気のため来日が遅れるという情報が入る。(この病気は、シンジのアスカに対する複雑な想いが原因にあって発生したもの。再生された世界も、全く元通りというわけではない。)
<第8話 今を生きること(仮題)>
もともとは、弐号機の到着を待って零号機の改修を行う予定だったのだが、アスカの病気による来日の遅れでその余裕がなくなってしまった。いくらシンジの初号機が今のところ無敵とも言える活躍を見せていても、1機だけでは何かと不都合がある。そのため、零号機が急遽再就役する事となる。
そして丁度襲ってきた分離合体能力を持つ使徒イスラフェルに対し、エヴァ2機による共同作戦が展開される。
シンクロ特訓のおかげで見事に作戦成功。
同時に特訓中にシンジとレイのすれ違いも解決する。
その裏で、レイのダミーたちが消失する事件が発生する。
シンジが犯人ではないかとにらむリツコであったが、ダミーの存在自体まだ極秘だったので、おおっぴらに調べることは出来ない。
それとなく、ミサトにおかしいところがなかったか訊ねるのだが・・・
なお、JA編は省略。(さらっと、そんな事件があったことだけふれる)
<第9話 書き直されたシナリオ(仮題)>
SSTOに乗ってアダムが碇ゲンドウ自らの手でドイツから日本に運ばれてくる。
松代に到着しようという時、使徒ガギエルの襲撃。
あらかじめ、これを想定していた初号機が他施設での稼働テストと称して松代に配備されていた。
もっとも裏事情を知らないミサトは、出来過ぎた展開にゲンドウらに疑問を持つ。
一方、加持の来日を心待ちにしていたシンジは、自分の持っている情報を交換条件に協力を求める。
結果としてこれは将来加持の命を救うことにもなる。
<第10話 引き裂かれる想い(仮題)>
アスカの来日(ちなみに弐号機は空輸)。
今回の弐号機の来日は、前の歴史のように、アダムの護衛という訳ではない。
アスカもあまり自信満々という風でもなく、逆に自信喪失気味だった。(来日前から、エヴァとのシンクロがかなり下がってきていたため。弐号機のコアは幾分変質してしまっていたため。)
<第11話 命の在り方(仮題)>
使徒マトリエルの襲撃とアスカ初出撃。
戦闘でも、シンジに及ばないアスカは、自分の存在意義を見失っていく。
<第12話 (サブタイトル未定)>
使徒サハクィエル襲撃。
高高度から飛来する使徒の迎撃のため、大型輸送機で運ばれ、使徒に乗り移る初号機。
(空中で倒せないまでも、とりあえず使徒の落下地点を変えることができれば作戦成功と言えるのだから。)
<第13話 時間よ止まれ(仮題)>
浅間山で発見された使徒サンダルフォンとの対戦。
使徒は、時期が遅い分、成体になった状態で登場し、能力も上がっている。
マグマ外で、3体1でもかなり苦戦することに。
<第14話 見えざる敵(仮題)>
使徒イロウルによる、松代のMAGIの乗っ取り。
MAGI対MAGIの対決。
だが、ネルフ本部のMAGIはその他のMAGIと異なるモノだった。
そして、リツコのゲンドウからの離反が始まる。
<第15話 届かなかった声(仮題)>
アスカの失敗から、零号機と初号機はディラックの海に飲み込まれてしまう。
結局、2機のエヴァの共鳴によりシンジらは自力脱出するが、それはさらにアスカに自分が無能で厄介者であると思いこませてしまう。
<第16話 罪と業と(仮題)>
S2機関の実験は結局止めることができなかった。
ネルフ第2支部は消滅し、EVA3号機が日本に送られてくる。
しかし、フォースチルドレンを生み出せないよう画策するシンジたち。
なお、今回の候補はトウジではない。
<第17話 かりそめの器(仮題)>
使徒により、アスカの乗った弐号機が乗っ取られてしまう。
自らの心と体を蝕まれていくアスカ。
アスカを救うためにシンジは・・・
<第18話 止まない雨(仮題)>
何とか、アスカの救出は成功したものの、アスカの意識は戻らない。
一方、シンジはゼーレの不信を買い、幽閉されてしまう。
<第19話 溶けゆく街の中で(仮題)>
アラエルはこない。
前世界で槍により消滅したものは再生されなかったからである。
代わって登場する使徒は・・・。
まだ、シンジは解放されておらず、綾波一人で出撃することになる。
<第20話 君を守る誓い(仮題)>
圧倒的な力を持ってジオフロントへと侵攻する使徒。
動かない零号機と初号機を前に、アスカが再び立ち上がる。
<第21話 彼方に見える物は(仮題)>
魂を浸食、同化を図ろうとする使徒に対して、シンジがその秘めていたすべての力を発現させる。
NERV内でも勢力が2分されつつあった。
<第22話 顔のない少年(仮題)>
最後の使徒、渚カヲルの襲来(前編)
見る者によってその姿が違って見えるフォースチルドレン、渚カヲル。
無軌道な動きを見せる彼に、シンジのこころは揺れ動く。
彼は自分の殺したあのカヲルなのだろうか。
<第23話 (サブタイトル未定)>
渚カヲル襲来(後編)
ゲンドウをその手にかけようとするカヲル。
それは、彼を送り込んだゼーレの意志ともはずれていた。
が、既にアダムを取り込んでいたゲンドウは・・・
<第24話 (サブタイトル未定)>
迫りくる戦略自衛隊。
ゲンドウ不在の中、自爆によるMAGIとジオフロントの消滅を主張する一派と、徹底抗戦を唱えるミサトたち。
はたして、人類を救う道のりはどちらが正しいのか。
<第25話 月の主>
ついに動き出す黒い月。
そして襲いかかる量産型EVA。
人類補完計画を止めることはできないのか。
<第26話 君がいてくれてよかった>
ロンギヌスの槍で貫かれ、身動きのとれない初号機。
再び始まらんとする人類補完計画。
だが、その中核となるべき綾波は・・・
・・・とまあ、こういった展開を考えていたようです。(他人事のように言ってますが、自分でも当時のことをよく覚えていないのです。)
5話ぐらいまでは、今の「終末」と表面的には同じような展開を見せています。もっとも、それ以後はかなり展開が違っていて、今では全く別物になってますから。
基本的に、各話のサブタイトルを先に考えて、そこから物語を作ろうとしていた様に思います。
実際、言葉を濁して「・・・」などとしているところは、たいてい何も考えていなかったはずです。
あと、原作と同じ26話にこだわったせいで、かなりバランスが悪いです。
22話時点でカヲルが出たり、その分中盤はほとんど毎回使徒との戦闘ばかりだったりしてますし。