カリブ海(Grand Cayman)


93年初夏、私は新宿の映画館でトム・クルーズ主演「法律事務所」をみていた。作中、クルーズと、ジーン・ハックマンが、出張先のケイマンで、潜るシーンが出てくる。
それをみた私は、「うわー、また日本人観光客が増えるぞ」と思った。9月にグランド・ケイマンにダイビングに行くことになっていたのだ.....。


1.グランド・ケイマンへの道

この旅行を計画するとき、ABC航空時刻表を買い込んで、日本からケイマンへのルートを色々と探ってみた。ケイマンには、NYK・マイアミ・メンフィス・キングストンなどから航空機が乗り入れている。個人ですべて手配しようかな、とも思ったが、結局、渋谷のアイランズコレクションのツアー(と、いっても1人で申し込み可能。予約代行と言った方がよい。)を使うことにした。
成田からノースウェスト航空でまずデトロイトへ。一旦アメリカに入国し、マイアミ経由ケイマン行きの便に乗り継ぎ。行きのケイマン到着は現地時間8時頃なので、セブン・マイル・ビーチをみることはできない。空港では、お世話になるダイブ・ショップのスタッフが出迎え。トラックの荷台に乗って、ホテルまで移動する。
「法律事務所」に登場するリア・ジェットは実在のビジネス機で、Financial Timesには時折広告が掲載されている。既に、ネットでも買えるようになっているかも知れない。

2.RAMADA Treasure Island

「法律事務所」のロケに使われたハイアットのとなりに位置する、RAMADA Treasure Islandに投宿。
腹が減っているのだが、レストランは閉まっている。マイアミの空港で、何か買ってくればよかったと後悔。
時差と空腹のせいで、よく眠れない。暇つぶしに、パリとフランクフルトの債券セールスに電話する。「オレ、今カリブに来てるんだ。いいだろ。」やな奴(笑)

今回のツアーでは、食事代は含まれていないので、売店で朝食を買い込む以外は、メイン・ダイニングを一度使っただけである。そのときはステーキを注文したが、ピクルスまで揚げているのではないか、と思うほど油っぽい食事で、これは英国風ではなくディープサウスの乗りなのだな、と一人で納得。


3.Treasure Divers

ケイマンのダイビングスタイルは、午前中2本、午後フリータイムという形式である。使用するボートも、キャビンのあるような代物ではないし、さほど遠出もしない。
スタッフのリーダーはエントリーのときに「ミズニハイレ、ミズニハイレ、ハヤク、ハヤク」とお経のように唱える米国人である。
海の透明度は、沖縄の方がいいかな、と私は感じた。コンディションによって大きく違うのだが。大物という点ではウミガメにはかなりの確率で出会うことができる。なにしろ、ケイマン航空のキャラクターはウミガメである。

ケイマンで最も有名なポイントというと、やはりスティングレイ・シティであろうか。ここは、他のスポットと違い、島の反対側にある。ここでのダイビングのみ午後に行われるが、水深10メートルも潜らないので、午前中2本潜ってから、午後に1本潜っても問題ない。
スタッフから、イカを受け取ってエントリー。周りには大小数十匹のスティングレイ。イカを持っていれば、自然によってくる。まー、エイを可愛いと思う人は余りいないだろうけど、それなりに面白い。