例題による解析例(動特性)

【例題】】L18(ゼロ点比例式)

ある物質中のケイ素化合物の定量分析を、蛍光X線によるSiの定量で行なっている。
ここでは、ケイ素化合物の測定精度を上げる測定方法を決定することを狙いとする。次のような制御因子を取り上げて実験した。

 A.成型機圧力 ・・・ 3水準
 B.表面処理方法(1) ・・・ 3水準
 C.表面処理方法(2) ・・・ 3水準
 D.ダイス固定ハンドル位置 ・・・ 3水準
 E.X線出力(電流値) ・・・ 3水準
 F.X線カウント時間 ・・・ 3水準
 G.Prガス流量 ・・・ 3水準

外側に信号因子としてケイ素化合物を3水準(M〜M)とり、各水準で測定上生ずると思われる誤差を振り、3回蛍光X線カウント数を測定した。

M.信号因子
 M ・・・ 1.5wt%
 M ・・・ 3.0wt%
 M ・・・ 4.5wt%

ゼロ点比例式として解析せよ。

《わりつけとデータ》
 
 
1087 1116 1161 2181 2259 2049 3352 3194 3193
908 1333 1350 2840 1929 2804 4439 4377 3773
1141 1401 1638 2992 2717 3917 5281 5500 4740
1648 1563 1723 3266 3446 3120 4999 4714 4546
1195 2159 1816 3761 2870 3332 5768 5837 4635
407 734 848 1551 1260 1530 2879 2640 1895
2195 2217 2321 4419 4516 4287 6470 6201 6353
890 1022 901 1703 1418 1721 2693 2689 2306
373 947 996 1389 1006 1786 2303 2113 1744
10 1667 1645 1507 2827 3414 3000 4369 4520 4761
11 726 960 1002 2009 1566 2061 3050 2670 2145
12 260 436 450 850 578 1070 1396 1220 921
13 1089 1113 1158 2192 2358 2086 3335 3130 3200
14 1043 1316 1429 2263 2283 2614 4161 3933 3073
15 1255 1426 1793 2830 2525 3459 5153 4697 4280
16 2190 1826 2078 3909 4503 4283 5851 5725 6352
17 835 842 921 1812 1368 1714 3001 2543 1818
18 754 1092 1352 2505 1755 2544 4173 3699 2689

≪解析手順≫

  1. 直交表の選択【コンボボックス】

    1. ドロップダウンするリストから実験で使用した直交表を選択します。

      • ここでは『L18』を選択します。

  2. データの新規作成【ファイル(F)】→【新規作成(N)】

    1. メニューバーから【ファイル(F)】→【新規作成(N)】を選択します。
      (ツールバーを使用することもできます)

  3. ファイル名の入力

    1. データのを作成するドライブ、ディレクトリーを選択します。

    2. ファイル名を入力します。

      • ここでは「Q6」というファイル名にしました。

    3. OKボタンをマウスでクリックします。

  4. 各実験ナンバーのデータ数の入力、直交表のわりつけ

    1. ひとつの実験ナンバーのデータ数を入力します。

      • 外側は信号因子3水準、誤差因子3水準の2元配置となっています。この場合、各実験ナンバーのデータ数は9になります。

    2. OKボタンをマウスでクリックします。

    3. 因子名を入力します。

    4. この例題の場合、ダミーは使用しません。

    5. OKボタンをマウスでクリックし、わりつけを終了ます。

  5. データの入力【ワークシート】

    1. ワークシートにデータを入力します。

      • データの入力順序は誤差因子の水準より信号因子の水準を、単純な反復より誤差因子の水準を優先して入力して下さい。

        入力順序

    2. データの入力が終了したら、ファイルを保存します。
      メニューバーから【ファイル(F)】→【保存(S)】を選択します。
      (ツールバーを使用することもできます)

  6. SN比変換【SN比(S)】→【ファイル変換(C)】

    1. メニューバーから【SN比(S)】→【ファイル変換(C)】を選択します。
      (ツールバーを使用することもできます)

    2. 変換先ファイル名を入力します。

      • ここでは「Q6SN」とします。

    3. 変換を行うSN比をメニューバーから選択します。

      • ここでは【動特性(D)】→【ゼロ点比例式(SN比)】を選択します。

    4. メニューバーから【次へ(N)】→【SN比変換(C)】を選択します。

    5. スクロールバーで、信号因子の水準と誤差因子の水準を設定します。

      • この場合、信号因子3水準、誤差因子3水準になるように設定を行います。

    6. メニューバーから【次へ(N)】→【信号の水準値の入力(S)】を選択します。

    7. 信号の水準値を入力します。

      • この場合、「1.5」「3.0」「4.5」と入力します。
      • あとで、ゼロ点比例式(感度)のファイルも作成する場合は、水準値をクリップボードにコピーしておくとよいでしょう。
      • コピーしたい範囲を選択し、反転表示させて【編集(E)】→【コピー(C)】を行います。

    8. Mresの処理を選択します。

      • 通常の場合は含めるを選択して下さい。

    9. OKボタンをマウスでクリックします。

    10. 「ファイル変換を行いました。…」というメッセージを表示し、メニュー画面へ戻ります。

  7. 分散分析・要因効果図の出力【解析(A)】→【分散分析(V)】

    1. データがSN比へ変換されているのを確認し、メニューバーから【解析(A)】→【分散分析(V)】を選択します。
      (ツールバーを使用することもできます)

    2. 分散分析表が表示されます。必要があればプーリングを行います。

      • プーリングをマウスでクリックします。
        (ここでは、誤差分散より小さいの分散の因子をプーリングしました)

    3. メニューバーから【次へ(N)】→【工程平均(T)】を選択します。

    4. 各要因の工程平均が表示されます。

    5. メニューバーから【次へ(N)】→【要因効果図(Y)】を選択します。

    6. 要因効果図が表示されます。
      (【編集(E)】→【設定(M)】でグラフの上限と下限が変更できます)

    7. 工程平均の推定を行う場合は、採用する水準をマウスでクリックすることにより、推定値が表示されます。

      • 採用された水準で工程平均を計算し、表示します。工程平均の推定に採用する水準をマウスでクリックします。
      • 採用を取り消すときは因子名をクリックします。

  8. 感度の解析

    1. 感度の解析が必要な場合はメニューバーから 【ファイル(F)】→【呼び出し(L)】を選択し、再び変換元ファイルを呼び出します。
      (ツールバーを使用することもできます)

    2.  変換元ファイル名(ファイル変換前のデータ)を指定します。

      • この場合「Q6.18C」をクリックし、OKボタンを押します。
        (または、ダブルクリック)

    3. 以下SN比と同様に、感度へファイル変換を行い解析を行って下さい。

      • ここでは「Q6_S」という感度のファイルへ変換を行って分散分析表、要因効果図を出力しました。

      • 分散分析表(感度)

      • 工程平均(感度)

      • 要因効果図(感度)
        (【編集(E)】→【設定(M)】でグラフの上限と下限が変更できます)

  9. チェックリストの表示【解析(A)】→【チェックリストの出力(C)】

    1. 必要があれば、SN比のファイルを呼び出し、メニューバーから【解析(A)】→【チェックリストの出力(C)】を選択し、チェックリストを出力します。

    2. ファイルの変換情報と各実験ナンバーの分散分析表や校正に必要な情報(動特性のSN比に変換を行った場合)が表示されます。

      • 分散分析表は、感度のチェックリストには保存されません。