司法試験を志望したのは自分の勉強法の正しさを証明するためだ

 

 勉強はファミコンと同じ。本体とソフトという道具を買い、攻略本を読み、最後に死ぬほどやりこむことだ

 

柴田孝之

 

東京大学卒(23歳)

 

 択一1回

 

 論文1回

 

 口述1回

 

 

 

★ 高校二年時、司法試験一次試験を受験、落ちた!!

          毎日10時間の勉強・合格までの平均受験回数6回。合格者の平均年齢27歳。合

格体験記を見ても、要約すると「私はこんなに死ぬほど勉強した」か「私はこんなに賢い」のいずれかの記述。僕の記憶にあるこんなデータからして、何で自分が受かったのかよく分からないというのが偽らない今の心境です。

 

 たぶん今から述べる僕の体験記を読んだ方は、「え〜こんなんで受かるの。なめてるなこいつ。絶対つくりだよ」と思うと思います。自分でも、ものすごく特殊な部類にはいると思いますが、ま、こんな奴もいるんだなと思って読んでいただければ幸いかと思います。

 

【合格までの軌跡】 僕が受験を思い立ったのは高校二年のときでした。その理由というのは、僕は当時は傲慢だったので、「自分は大学受験など眼中にない。その先を見ているんだ」ということを他人に見せたいということからでした。

 

 そこで、司法試験一次試験を受験しましたが、当然のことながら落ちました。学校の授業を聞かずに三ヶ月それへの勉強に打ち込んだにもかかわらず不合格となったことは自分としてはショックでした。

B5のワラ半紙に「合格者は次の二名である」と普通の大きさの活字で書いて、ぺらっと一枚掲示板に張ってあるだけの合格発表を見に行ったときの寒さは今でも忘れられません(ですから、僕は後の述べるように二次試験は一回しか受験しませんでしたが、受験票は三度出しましたし司法試験自体は二度受けているのです)。

 

●大学一年時 そして大学受験も突破し、大学に入学するわけですが(ちなみに大学受験の合格体験記もエール出版社さんに本にしていただいております、そこでばりばり勉強を始めたかというと、とんでもない。新歓コンパの嵐に加え、僕は頼まれると断れない性格なので、1、2ヶ月ながらサークルを5つもかけもちしたりしていました(しかも4つは早稲田大学のサークル。早稲田法学部と偽っていました)。

そうこうするうちに一年などあっという間に過ぎ去り、一年生の三月となりました。そこで、僕の友人のOとMが司法試験の専門学校に行くと言っているのを聞き、僕も行こうと思い立ったわけです。

 

 とりあえず、LECの入門講座に通い始めたわけですが、その時の僕の態度は@予習・復習はしないAコンパがあるときはそっちを優先Bチェックテストはすべて省略する、でした。

 

 とくにAについてはコンパより授業を優先する人の事を変態だと思っていました(今思ってみればそいつの態度が当然なのですが、僕もまじめにやっていれば絶対在学中に受かっていたと思いますので、すごく後悔しています)。

ただ、今の僕がいるのは、一応ほかに用事がないときには必ず授業にでていたということによるのでしょうか(もっとも民事訴訟法はすべて受講しませんでした。講師がいまいちだったからです)。

 

●大学三年時 そして大学三年生になり、入門講座とセットで授業料を払っていたので勿体ないのでLECの論文基礎完を一応受講しました。もちろん、@予習・復習はしないし、Aコンパがあるときはそっちを優先していました(やはり民事訴訟法はすべて受講しませんでした。講師がもっといまいちだったからです)。

           ◆

 

  こんなやる気のない僕が何で司法試験など受けたのかと不思議に思われる方もいらっしゃいますので、ここで志望動機について述べておきます。

 

 僕は当時河合塾の国語の講師になるのが夢でした。大学在学中も参考書の研究と自作の参考書の原稿作成に相当の時間をさきました。勉強の効率のよいやり方については誰よりも考えました。しかし、ただ塾講師になるのでは世間の人に「なんだあいつは東大に受かっただけであとは大したことなかったな」なんていわれるのは必須です。親も可哀想です。

そこで司法試験を受かっておけば、親に自分がやる事とについて文句をいわせないし、世間の人にもいいたいことをいわせない。それどころか塾講師としてのウリにもなる、と考えたのです。自分の勉強法が正しいことの証明になりますし、少なくとも、自分の有能性を示すことになりますから。ですから私は別に法曹の仕事に興味はなかったし、裁判官・検察官はおろか弁護士の仕事をやりたいとは思っていなかったのです。

 

 そして大学三年の10月が来ました。LECの択一基礎完を受けるととともに、さすがに自分も勉強しなければならないと思いました。僕は就職する気はありませんでしたし、大学一年の時に思っていた国家公務員になる気も全く失せていたので、少しは身のふり方を考えないといけないなと思ったのです。そこで、択一基礎完の問題演習回(講義の日と問題演習の日がある)の前には必ずその範囲の過去問をやっていくことにしました。択一基礎完は過去問が半分以上出題されるので、それをやっていけば15点、16点は楽勝でした。「なんだ、択一ってちょろいな」と思い安心してました。

 

 そして択一基礎完が終了し、4月13日から本格的に択一の勉強を始めることにしました。具体的には「択一合格本」というLECの択一答練の過去問の中でいい問題を集めた本、そして択一基礎完の問題と過去問をえんえん解くといったものでした。

 

 そして司法試験の厳しさを教えられた模擬試験がやってきました。LEC・Wセミナー・辰已と各予備校の模擬試験をすべて受けましたが、すべて不合格点でした(最低31点、最高42点)。5月1日にはやらないでとっておいた前年の過去問を時間を計って解きましたが、やはり42点しか取れませんでした。どの合格体験記を見ても本番で合格する人は一度は模擬試験で合格点を取っている人ばかりだったので、絶対受けても受からないと思いました。

 

 僕は本当に悩みました。択一基礎完にだまされた(いいがかりですけど)と思いました。そして形式的理由としては丙案の合格者優先枠をなるべく沢山使うため、実質的理由として、親に「ま、受かんないんだったら別に受けなくてもいいよ」といってもらったことから、僕は自ら不合格を決めることにしました。つまり、敵前逃亡したのです。

このように、今年は受験しないことを決めて僕は本当に自分はバカなんだと思いました。本気で勉強しなければ受からないことがよく分かりました。僕はここで自分が司法試験に受かることは並大抵のことではないと痛感させられました。そこで、五年で受かることを目標に勉強をすることにしたのです。

 

 まず論文講座に通うことにしました。僕は後で述べるように、もっとも効率のよい勉強法は問題を解くことだと思います。その点論文講座はもっとも出題数が多く僕のニーズに合致したからです。かつ僕は予備校に行かなければ何も勉強しないことは分かっていたので強制勉強の契機を作ろうと思ったわけです。

 

 ところが、熱さも喉元過ぎれば忘れるとのたとえ通り、僕はまた勉強しなくなりました。論文講座は絶対休まなかったのですが、遅刻はしょっちゅうですし、一秒も勉強せずに受験して悲惨な点を取ることたびたびでした。もちろん他の勉強はしていません。

 

●大学四年冬 そうこうするうちに大学四年の冬になり、「卒業」するか否かという問題が頭をよぎるようになりました。授業料を払うことがもったいない、さらにこの状態では二年では絶対に受かるわけがないので卒業しようと思う一方、無職になることに対する不安で迷いました。が、合格できるぎりぎりの試験を受けることにし、一個でも不可がついたら留年することに決めました。いわゆる他力本願にまかせたわけです(ちなみに三年時・四年時には授業は全部で10日ぐらいしか行っていないし、ゼミも取っていませんでした。民法二部などは不可をとりました)。

 

 一方、昨年の痛い経験を繰り返さないために、かつ強制勉強の契機を作るために、択一答練を受けることにしました。並行して論文講座を受けていたので、勉強できない体になっている僕としては非常に苦しく、かつバイト(塾のチューター)も毎日行っていたので、気が狂いそうでした。

 

 僕は教えるのが好きなので、受験を控えた生徒さんがいるとほっとけないのが災いしたようです。さらに、問題演習をするため、昨年用いた教材に加え、Wセミナーの問題集と辰已の肢別本を全部やりました。三月四月五月は最低一日一〇〇問解きました。

 

 しかし、やはり答練の成績は芳しくなく、合格推定点を取れたのが全十三回中五回程度でした。そして、今年の模擬試験です。ここで辰已とWセミナーの全四回を受けたのです号、何と!終わりから三つ連続で合格推定点に達したのです。しかも、昨年の過去問を解いたら五二点を取れました。「なんだ、やっぱりおれって賢いじゃん。こりゃいつかは必ず最終合格するな」と安心しました。そこで、択一受験の一週間前まで、ほとんど毎日バイトに行っていました。

 

地獄のような択一試験 そして地獄のような択一試験を迎えたのです。僕は受験中は「なんだかへんだな」と思うだけで、憲法が異様に難しいことには気づかなかったのですが、刑法の最後の連作問題の連発には残り時間五分で頭の中が真っ白になりました。受験終了時には絶対落ちたと思いました。だいたい自己採点では憲法が九点しかなかったのです。バイトに行ったことをものすごく後悔しました。合格発表は当然見に行きませんでした。そしたら、友人Oが見に行ってくれて、「おい、おまえ受かってるぞ」この瞬間僕は、ああ、これで親に少なくとも三年は勉強させてもらえるなと思いました(受講料は半分だけ僕が払っていましたが、あまり心配させてもいけないということです)。ちなみに成績は憲A・民A・刑A・総合Aでした。

 

 そこで、辰已の論文予想答練のフルコースを受けることにしました。申し込んだその日の回は受けるつもりはなかったのですが、「合格するぞ、徹底的な勉強をするぞ、ハードな勉強をするぞ」とぶつぶつ言ってみたら不思議と勉強する気が沸いてきまして、その日から毎日、一日のスケジュールが答練→バイト→復習という地獄の一カ月が始まったわけです。

 

 上のようなスケジュールですから、予習など一秒もやらずに受験するわけです。しかし復習は必ずやっていました。具体的にはワープロに出題された問題の答案構成を考えて打ち込むというものです(本試験前の復習に異様に役立ちました)。

 

 成績は当然惨々なもので、商法・民訴・破産は終わっていました。民訴など八問中六問が二二点(不合格を決定づける答案)でした。しかし、憲・民・刑はなぜか殆どが二五点以上をとれていたので、「なんで一秒も勉強していないのに、点が取れるんだ。これは採点がおかしいのに決まっている」と思いました。

 

 公開模試はWセミナーのものを二回受けました。一回目の民訴は最下位から五人に入っていました。「OH! MY GOD、やばい。やばすぎる」そこで、僕は、本試験までの残り一〇日間、バイトを休み、憲・民・刑の勉強は一日ずつにして、残りの一週間を民訴・商法・破産にそそぎ込むことにしました。そうしたら、二回目の模試では科目毎の平均が生まれて初めて、四九点を超えました。「来年は絶対受かる!」このとき僕は本当に嬉しかったです。

*運命の論文本試験 そして論文試験です。憲法二問では統治機構が全然でないし民法一問目、二問目とも僕が答練で二三点より上を取ったことのない苦手な不法行為に関係する問題が出ました。しかし、民訴で分かる問題が出たこと、そして何よりも、今年は受かるわけがないという開き直りから全く緊張せずに受験をすることができました。

 

なによりも、実はこんなにも僕がバイトに行っていたのは職場に好きな女の人がいたからなんですが、論文試験受験の前に「最後の試験が終わったら返事を聞かせてくれ」と言ってあったので、本試験の時はそっちのほうが気になって、一〇行書くごとに筆を止め、二〇行書いては筆を止め、一分ぐらいそのことを考えているという状態で、緊張をする暇などありませんでした。(ちなみにふられました。)

本試験が終わり夏休みになりましたが、来年の本試験に向けて論文講座をまた受け始めました。ただし一秒も勉強せずに受講し、三〇分遅刻することもあり、得点なんて商法などは八枚中四枚も二二点がありました。

 

*あわてた論文合格 そして、論文の合格発表。受かっている訳ないと思ったので、今回も法務省までは合格発表を見に行きませんでした。が、気になったので、職場の近くのLECに不合格発表を見に行ったら思った通り自分の番号が見つからなかったので、やっぱりと思ってカラオケに行ってしまいました。

そうしたら、友人Jが「おめでとう」とかいうので「なんてイヤな奴だ」と思いました。が、本気で言っているみたいなので、どうせ同姓同名なんだろうなと思っていたら、またほかの友人から「合格おめでとう」と電話が入っていたので、次の日にもう一度、辰已に見に行きました。

一分ぐらいまた見つけられませんでしたが、自分の名前を見た時には何が起こったのかよく分かりませんでした。次に他人よりも口述試験へのスタートが一日遅れたと思いもの凄く焦りました。

今年は特に試験が一〇月九日からと勉強する時間が短かったので、もっと焦りました。そこからは僕はバイトを休んで、泣きながら過去六年分の口述試験問題を択一受験六法を読みました。僕は英検二級の面接で落ちたという苦い経験があるので、口述試験は特に自信がありませんでした。しかも、自分は七五三人の論文合格者の中で、七五二位だと思っていましたので、どうせここでポアされるんだろうと思って胃が痛くなりました。

 

そして口述試験。地獄でした。はっきり言って早く終わってほしかったです。ある日など、モーニングコールを頼んでいた人に「もう行きたくない。俺、来年でいいよ、行きたくない」なんて言ってしまって、「いけません」なんて怒られました。

一〇月三一日、さすがに最後だし、テレビにも映りたかったので、人事院の掲示板まで合格発表を見に行きました。そこで自分の名前があった時には叫びました。そして受かっていたら必ず一番に電話をかけようと思っていたエール出版さんに電話をかけた訳です。電話をかける手は喜びで震えていました。

 

 

 

 

 

★ 司法試験機械的合格法 

第一章       受かる勉強法

 

第一節 総論 勉強のかたち

▼勉強はファミコンと同じだ ファミコンのゲームで高得点を取るには@本体とソフトという道具を買ってきます。次にA説明書や攻略本を読んで、ソフトの遊び方を学びます。B最後に実際にゲームを死ぬほどやり込んでパターン化にしくい部分を体に覚え込ませる、ということになります。

 

勉強も全く同じで、この番号の順にやるのが一番効率的だと思います。司法試験にこれらをあてはめると@基本用語の意味、条文や制度の趣旨、定義・法的性質、有名な学説のキーワードが道具に当たります。司法試験の場合で道具をそろえるとは、これらを暗記することにつきます。

 @についてですが、これは正確に覚えないといけません。司法試験予備校が自分の頭で考えろと言うのを勘違いして、自分の頭で何でもかんでも考えればいいと、少なくとも僕は思っていたのですが、英語では英文法、数学では公式を覚えなければ話にならないのと同じで、これらを正確に覚えなければ話にならないのです。

 

そしてAについては予備校の授業を受けたり、合格体験記を読んだりする事になります。

 

最後にBの場面は実際に知識を使ってみる。つまり、答練・公開模試、wセミナープラクティスシリーズなどを素材に問題演習を死ぬほどやるのです。ちなみにファミコンで一番たくさんやるのは、この実際にゲームをすることなのですから、それは司法試験でも同じことだと思います。何よりもその問題が解ければ受かるのですから。その問題をやればいいわけで、それ以外のことをやるのは無意味でしょう。

また問題演習をして復習をすればアウトプットとインプットが一度にできます。しかも考えざるを得ない状況に追い込まれるので、思考力を鍛えることにもなり一石二鳥にもなるのです。また、困ったとき(分からない時)にどう対応するか(どこから糸口をみつかだすか等)というマニュアルを沢山持っている奴が受かると思いますが、これは問題演習をすることでしか身に付かないと思います。

 

第二節     択一の勉強の方法

 

@まず辰已の肢別本を買ってくる、これで基本知識を入れる。基本書を読んで知識を入れるのと違って頭を使わねばならないので眠くならない。
A次に過去問をやる。LECの過去問集がコンパクトで持ち運びしやすいのでお勧め。

B答練、模擬試験を受ける。答練や模擬試験をペースメーカーおよび勉強強制の契機にするとよい。
Cノートは作らない。作るのが趣味な人は別だが、作るのが苦痛な人はやめた方がよい。よく試験前に見直す素材を作っておくとよいと言う人がいるが、それなら問題集でもう一度やっておきたいものに印をつけてそれをやればいいだけの話なのである。

D問題集の使い方

 a、時間を計って解く。時間を特定の問題のみにかけるのは無駄。なぜなら、本試験ではそれほど時間をかけていられない。

 b、答え合わせをする。もちろんその答えがたまたま合っていた場合は、誤りと同じだと思ってキチンとすべての肢の当否を検討する。

 c、謝っていた問題には×。たまたま合っていた問題、不安な問題には△をつける。

 d、一冊終了したら印をつけた問題だけをやる。一度できた問題は結構二度目にもできるのである。僕は一年目にできていた問題は、九五パーセント以上に二年目にやってもできた。

 e、cとdを繰り返し九〇パーセントできるようにする。

 

第三節 論文の勉強の仕方

 

@     まず論文の構造を知る。次のようなパターンに乗せて書く。
事例→a 問題提起(・・・が問題となる。・・・であろうか。)
問題 b 原則(・・・・・が原則である)
   c 不都合性(しかし・・・・・)
   d 自説(理由は必要性と許容性)
   e 反対説批判(・・・・と言う点で妥当ではない)
   f 結論・当てはめ(・・・・と解する。・・・・とできると断定すべし)

一行→a 定義
問題 b 法的趣旨
   c 関連論点二個〜五個

A     次に法律の文章を書くための知識を覚える。
 a制度の定義・趣旨・法的性質、b条文の趣旨・内容・要件・効果、c論点と問題の所在、d自分のとる学説の正確なキーワード。
これらは正確に全部覚えなければならない。テニスとラケットがなければテニスができないのと同じである。

B     最後に実際に使ってみる。
 ここで頭を使う。結局自分の頭で考えるのは、
(1)問題では何を聞いているのか。問題の所在はどこか
(2)自分の用意してある論証のどれを使うか
(3)どんな順番で書くか
(4)あてはめをどうするか(とくに憲法)
決して学説や理由付けを考えるのではない。これを制度趣旨に遡って考えのは最後の手段である。伝家の宝刀は抜くときが肝心なのである。 


第二章 僕の使った参考書・予備校採点

 

第一節 参考書編
*僕は参考書についてはオタクですので、持っている参考書の全部を書くわけにはいかないのです(段ボール五箱はある)。従って合格するのに必要なものだけを書きます。
全科目で必要なもの
 択一用 →択一受験六法・辰已の肢別本・過去問集

 論文用 →LECのブロックカード(それかWの論証フォーム)

Wセミナーの基礎知識シリーズ・過去問集

  口述用 →過去問集(Wのものを使った)

  以上は完全に暗記する。次に分からないときに調べる素材としてWのデバイスかLECのベーシック・パーフェクトさらには辰已の入門のテキストを用いるとよい。あと次のものも分からない時に調べるのに使っていました。〈憲法〉芦部の「憲法」、〈商法〉では鈴木「会社法」、前田「手形・小切手法入門」〈民訴〉兼子「民事訴訟法」林田「解放マニュアル」・Wセミナー「民事訴訟法用語集」。

第二節 予備校編
LEC=予備校に例えるならば代々木ゼミナール。特徴としては授業料が高い。ただここのブロックカードは私の合格の原動力になった。自分で作る手間が省けた。
Wセミナー=予備校に例えるなら河合塾。特に看板講師がいるというわけでもなく、あまり個性がない感じがする。ただし、論文講座はおすすめ。また学院長もすごいインパクトがある。合格の水を売っている。新保講師・千葉講師がお勧め。
辰已法律研究所=予備校に例えるなら駿台。ただし、パンフレットにはいい味がある。一番看板講師、貞友は本当にいいらしい。今年の日曜答練の問題が今年の憲法一問目にでていた。
中央大学真法会=ここははっきりいってボランティア団体である。営利的な匂いはしない。辰已のマニアックさをさらに強めた感じ。
伊藤真の司法試験塾=まだできたばっかりなので未知数。


第三章 試験前の勉強計画の立て方

@苦手なものから順に潰す。得意な科目は思い切ってほとんどやらない
A暗記を中心にやるべし。

B論文前なら答案構成をたくさんやる。

C過去に受けた答練の問題と解答をひたすら読むのがよい。
D普段の勉強時につかた要復習の意味を表す×の問題ばかりやるのも手。
E考えている暇が勿体ないので、やることを決めたらあまり悩まないで、先に進むこと。

 
第四章 注意すること

定義・趣旨は絶対に、しかも正確に覚えること。特に定義は一朝一夕にできたものではない重みのあるものですから、それを勝手に書き換えると不正確になるからです。

絶対有名な説を使うこと。試験委員とはいえ、自分の知っている説の方が安心して採点できる。論文は読んでいる人に「何でそうなるんだ」と疑問を持たせたらアウトです。
特に若い人は落ちたら恥ずかしいと思うこと。一回で受かって当然だと思うこと。
※司法試験に受かった後のビジョンをもって勉強すること。

▼総括
 
以上、長々と書いてきましたがいかがなものでしょうか。最後に僕の勝因を分析しますと、@徹底的に無駄なことはやらないと同時に、やらなきゃならないことはやったこと。
A好きな女に馬鹿にされたくないと思ったこと。つまり落ちたら恥ずかしいと思った事。
B答練は絶対に休まなかったこと。C素直でいて無駄な疑問をもたなかったこと。説の妥当性など考えず、ひたすら書きやすいものだけを選んだ。Dノートを作らなかったので、無駄な時間を使わなかったこと、などだと思います。

 最後に僕を金銭的に支えてくれた両親、僕にその賢さを見せ付け、僕を焦らせてくれたT君、この人には絶対馬鹿にされたくないと思わせてくれたMさん、口述試験の時にモーニングコールをしてくれたMさんに感謝しつつ筆をおきたいと思います。