組合 構成員が相互の契約関係によって結合する団体 社団 構成員が団体との間の社員関係により団体を通じて間接に結合する団体 会社 営利を目的とする社団法人 法人格否認の法理 会社と社員が別個の人格者であることを貫くと、第三者を害し不当な結果になる事案において特定の法律関係について会社の独立性を否認し会社とその社員とを同一視する法理 株式会社 社員の地位が株式と賞する細分化された割合的単位の形を取り、その社員(株主)がただ会社に対し各自の有する株式の引受価額を限度とする出資義務を負うだけで会社債権者に対しては責任を負わない会社 資本 会社財産を確保するための基準となる一定の金額 資本充実・維持の原則 資本額に相当する財産が現実に会社に拠出され、且つ所有されねばならないという原則 資本普遍の原則 いったん定められた資本は自由にその減少を許さないという原則 約束手形 振出人が一定の金額を一定の期日(満期)に支払うことを約束する証券 為替手形 振出人が手形上に記載した金額の支払いを他人(支払人)に痛くする証券 小切手 振出人が支払人(銀行)に一定金額の支払いを委託する証券 融通手形 商取引の裏付けがなく単に手形の受取人に金融を得させる目的で交付される手形 有価証券 権利の移転及び行使に証券が必要なもの 記名証券 証券上に特定のものを権利者として記載し債務者がそのものへ給付することを約束した証券 指図証券 証券上に特定のものが権利者として指定されるがそのものまたはそのものの指図人に対して給付することを約束した証券 無記名債権 証券上に特定の権利者が指定されず証券の所持人に対して債務者が給付する証券(持参人払い式小切手) 手形行為 手形上の債務の負担を目的とする行為 無因性 原因関係の存否、有効・無効は手形関係の効力に何ら影響を与えないという性質 文言性 手形上の法律関係はもっぱら手形上の記載によって決まるという性質 手形行為独立の原則 前提たる手形行為が実質的に無効であってもそれに続く手形行為による債務はこれによってその効力を妨げられないという原則 必要的記載事項 記載しなければ手形としての効力が認められない事項 任意的記載事項 記載しなくても手形が無効にならないが記載すればそれに従った効力が無効になる事項 有害的記載事項 記載すると手形自体が無効になる事項 無益的記載事項 記載しても手形が無効にはならないが記載しても意味がない事項 裏書禁止手形(指図禁止手形)振出人が裏書を禁ずる旨(裏書禁止文句)を記載して振りだした手形 代理方式 他人が本人のためにすることを示してする手形行為 機関方式 他人が直接本人の名で手形行為を行うこと 無権代理 代理方式の手形行為が無権限でなされた場合 偽造 機関方式の手形行為が無権限でなされた場合 裏書 手形を譲渡すること 白地式裏書 被裏書人を記載しない裏書 権利移転的効力 手形上の権利が裏書によりすべて被裏書人に移転するという効力 資格授与的効力 被裏書人として記載されたものはその裏書によって権利を取得したものと推定される効力 裏書の連続 手形面上の記載において受取人から最後の被裏書人に至るまで各裏書人が間断なく続いていること 善意取得(通説) 手形の譲渡人が手形に関して無権利者であったときでも譲受人が悪意・重過失なく手形を取得したときは手形上の権利者になりうること 無権利者からの取得に限らず手形の譲渡行為に無能力・無権代理・意思表示の瑕疵、欠缺などの無効・取消事由があっても取得者がそれらの事由につき善意、無重過失であれば手形上の権利を取得しうること 手形抗弁 手形上の請求を受けたものが手形金の支払を拒むために請求者に対して主張しうる一切の事由 物的抗弁 被請求者がすべての所持人に対抗できる抗弁 人的抗弁 被請求者が特定の手形所持人に対してのみ対抗できる抗弁 人的抗弁制限の法則 手形取得者は債務者が取得者の前者に対して有する人的関係に基づく抗弁を持って対抗されないという法則 悪意者の抗弁 所持人がその債務者を害することを知って手形を取得したときは債務者は所持人の前者に対して主張できる抗弁を持ってその所持人にも対抗できること 一般悪意の抗弁 所持人の権利行使が信義則に反しあるいは権利濫用と解されるような場合に所持人の請求を拒むために債務者が主張しうる抗弁 「害スルコトヲ知リテ」(河本フォーミュラ) 所持人が手形を取得するにあたり、手形の満期において手形債務者が所持人の前者に対し抗弁を主張して手形の支払を拒むことは確実であるという認識を持っていた場合 戻裏書 既に手形上債務者となっているものに対してなされる裏書 無権利の抗弁 所持人が権利者でないとの抗弁 無担保裏書 担保責任を負わない旨を記載した裏書 裏書禁止裏書 裏書人が新たに裏書をなすことを禁ずる旨の記載をした裏書 期限後裏書 支払拒絶証書作成後または拒絶証書作成期関経過後の裏書 取立委任裏書 被裏書人に手形上の権利行使の代理権を与える目的でなされる裏書 隠れた取立委任裏書 手形上の権利行使の代理権を授与する目的で譲渡裏書をすること 支払呈示 所持人が手形を債務者に定位して支払を請求すること 四〇条三項の悪意 所持人の無権利を知っており且つそのことを立証しうる確実な証拠を持っていながら故意に支払うこと 四〇条三項の重過失 通常の調査をすれば所持人の無権利を知ることができ且つその立証方法も入手できたであろうに、この調査を怠ったため無権利者に支払った場合 遡求 本来支払をなすべきものが満期に支払を拒絶したときは、所持人が適法な支払呈示をしたことを前提として手形上に裏書人、保証人として署名し手形関係に参加した前者に対し手形金の支払を請求すること 手形保証 振出人、裏書人、引受人などの手形債務を保証するために保証であることを示して手形上に署名すること 変造 あるものの手形債務の内容を別人が無権限で変更すること 原因関係 手形の授受が行われるに至った原因となる実質的な法律関係 支払のために 手形の振出によって原因債務が併存する場合 支払に代えて 手形の振出によって原因関係が消滅する場合 狭義の支払のために 手形上の権利を先に行使すべき場合 担保のために どちらを先に行使してもよい場合 手形の書換 手形債務者が期日に支払えないため所持人と支払を猶予する合意の基に満期を変更した新手形を交付すること 利得償還請求権 手形上の権利が手続の欠缺または時効により消滅した場合にも所持人は振出人、引受人または裏書人に対しこれらのものが受けた利益の限度において償還請求できること 白地手形 後日その取得者をして手形要件の全部または一部を補充させる意志を持って署名者がことさらにこれを記載しないで流通においた証券 呈示証券性 有価証券は権利の行使に呈示が必要な証券である 受戻証券性 有価証券は証券と引き替えでなければ証券上の債務の履行をする必要がない証券である 不当補充の抗弁 合意とは異なる内容の補充がなされているためにその記載内容通りの手形債務負担の意思はなかったとの抗弁 固有の商人 自己の名をもって商行為をなすを業とするもの 擬制商人 商行為の概念を基礎としない商人 営業能力 自ら営業的活動をなす能力 営業所 商人の営業上の活動の場所的中心と客観的に認められる一定の場所 商業登記 商業登記簿になされる登記 商号 商人がその営業上自己を表すために用いる商号 商号使用権 商人はその商号につき他人によりその使用を妨げられない権利 商号専用権 他人が同一または類似の商号を不正に使用するのを排斥するために商法上作成を命じられている帳簿 商業帳簿 商人がその営業上の財産及び損益の状況を明らかにするために商法上作成を命じられている帳簿 会計帳簿 商人の営業上に生じる一切の取引を継続的且つ組織的に記録した帳簿 賃借対照表 決算期における会社の資産、負債、資本を適当な区別配列分類に従って記載し、会社の財産状況を明らかにするために作成されるもの 商業使用人 雇用契約により特定の商人に従属し且つその対外的な商業上の業務を補助するもの 代理商 商業使用人ではなくて一定の商人のために平常その営業の部類に属する取引の代理または媒介をなすもの 絶対的商行為 行為の性質から当然に商行為となる行為 営業的商行為 営業としてなされるときに初めて商行為となる行為 付属的商行為 商人が営業のためにする行為 準商行為 固有の商行為ではないが商行為に関する規定が準用される行為 仲介人 他人間の商行為の媒介をなすことを業とするもの 問屋 物品の販売または買い入れの取次を業とする取次商 運送人 陸上または湖川港湾において物品の運送をなすことを引き受ける契約 物品運送契約 運送人がその保管の下に物品の運送をなすことを引き受ける契約 貨物引換証 運送人に対する運送品引渡請求権を表章する有価証券 旅客運送契約 運送人が人の運送を引き受ける契約 運送取扱人 自己の名をもって委託者の計算において運送人と物品運送契約を締結することを引き受けることを業とするもの 場屋営業 「客の来集を目的とする場屋の取引」(五〇二条)を営業とする補助商 倉庫営業商 他人のために物品を倉庫に保管することを業とするもの