形式的意味の憲法 憲法という名前で呼ばれる成文の法典 固有の意味の憲法 国家の統治の基本を定めた法 立憲的意味の憲法 自由主義に基づいて定められた国家の基礎法 立憲主義 専断的な権力を制限して広く国民の権利を保障する主義 憲法制定権力 憲法を作り、憲法上の諸機関に権限を付与する権力 法の支配 専断的な国家権力の支配を排斥し権力を法で拘束することによって国民の権利自由を擁護することを目的とする原理 法律の留保 国民の権利が法律の範囲内において認められるに過ぎないとする考え方 国民主権 国民が国の政治体制を決定する最終かつ最高の権威を有するという原理 裁判規範(広義) 裁判所が具体的な争訟を裁判する際に判断基準として用いることのできる法規範 (狭義) 当該規定を直接の根拠として裁判所に救済を求めることのできる法規範 法律の委任 法律で定めるべき事項を法律自らは定めず、命令その他の成文法に授権すること 主権 1 国家権力そのもの(統治権)    2 国家権力の属性としての最高独立性    3 国政についての最高決定権 直接民主制 国民自身が直接に政治意思を表明する制度 国事行為 政治に関係のない形式的儀礼的な行為 統治行為 本来は裁判の対象となりうるが高度に政治的な行為である等の理由により司法審査の範囲外に置かれる行為 自由権 国家が個人の領域に対して権力的に介入することを排除して、個人の自由な意思決定と活動とを保障する人権 参政権」 国民の国政に参加する権利 社会権 社会経済的弱者が人間に値する生活を営むことができるよう国家の積極的な配慮を求めることのできる権利 制度的保障 個人的権利と異なる一定の制度に対して立法によってもその核心ないし本質的内容を侵害することができない特別の保障を与え、当該制度をそれ自体客観的に保障すること 公共の福祉 人権相互の矛盾・衝突を調整するための実質的公平の原理 特別権力関係 特別の公法上の原因によって成立する公権力と国民との特別の法律関係 幸福追求権 個人の人格的生存に不可欠な利益を内容とする権利の総体 プライバシーの権利 私生活をみだりに公開されない権利 情報プライバシー権 自己に関する情報をコントロールする権利 自己決定権 個人の人格的生存に関わる重要な私的事項を公権力の介入・干渉なしに各自が自立的に決定できる権利 社会的身分 自己の意思をもっては離れることのできない固定した地位 門地 家柄 思想及び良心 世界観・人生観・主義・主張などの個人の人格的な内面的精神作用 沈黙の自由 国民がいかなる思想を抱いているかについて国家権力が露見を強制することは許されないこと 信仰の自由 宗教を信仰し又は進行しないこと、信仰する宗教を選択し、または変更することについて個人が任意に決定する自由 宗教的行為の自由 宗教上の祝典、儀式、行事その他布教等を任意に行う自由 宗教的結社の自由 特定の宗教を宣伝し又は共同で宗教的行為を行うことを目的とする団体を結成する自由 宗教 超自然的超人間的本質の存在を確信し畏敬崇拝する心情と行為 大学の自治 大学の内部行政に関しては大学の自主的な決定に任せ大学内の問題に外部勢力が干渉することを排除しようとするもの 表現の自由 思想情報を発表し伝達する自由 自己実現 個人が言論活動を通じて自己の人格を発展させるという個人的な価値 自己統治 言論活動によって国民が政治的意思決定に関与するという民主制に資する社会的な価値 アクセス権 情報の受け手である一般国民が情報の送り手であるマスメディアに対して自己の意見の発表の場を提供することを要求する権利 事前抑制 表現行為がなされるのに先立ち公権力が何らかの立法で抑制すること及び、実質的にこれと同視できるような影響を表現行為に及ぼす規制方法 事前抑制 表現行為がなされるのに先立ち公権力が何らかの方法で抑制すること。および、実質的にこれと同視しうる影響を表現行為に及ぼすこと。 検閲 表現行為に先立ち行政権がその内容を審査し、不適当と認める場合にその表現行為を禁止すること。 検閲(判例) 行政権が主体となって思想内容等の表現物を対象とし、その全部または一部の発表の禁止を目的として対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止すること。 営業の自由 自己の選択した職業を遂行する自由 消極目的規制 国民の生命及び健康に対する危険を防止もしくは除去ないし緩和するために課せられる規制。 積極目的規制 福祉国家の理念に基づいて経済の調和のとれた発展を確保至徳に社会的、経済的弱者を保護するためになされる規制。 立法事実 立法の必要性、合理性を支える社会的、経済的な事実。 「公共のため」 収容全体の目的が広く社会公共の利益のため 「用ひる」(二九条三項) 強制的に財産権を制限したり収容したりすること。 告知と聴聞 公権力が国民に刑罰その他の不利益を課す場合には当事者にあらかじめその内容を告知し当事者に弁解と防御の機会を与えなければならないというもの。 請願 国または地方公共団体の機関に対して国務に関する希望を述べること。裁判を受ける権利 政治権力から独立の公平な司法機関に対してすべての個人が平等に権利自由の救済を求めかつ、そのような公平な裁判所以外の機関から裁判されることのない権利 選挙 有権者の集合体によって国会議員等の公務を担当するものを選定する集合的な行為 選挙権 選挙に各有権者が一票を投ずることによって参加するものを選定する集合的な権利 公務員 広く立法司法行政に関する国及び地方公共団体の事務を担当する職員 普通選挙 成年者たる国民が等しく選挙権を有する制度 平等選挙 各選挙人の投票の価値を均等に扱う制度 自由選挙 棄権しても罰金、公民権停止などの制裁を受けない制度 秘密選挙 誰に投票したかを秘密にする制度 直接選挙 選挙人が公務員を直接に選挙する制度 環境権 健康で快適な生活を維持する条件としてのよい環境を享受しこれを支配する権利。 勤労者(二八条)労働力を提供して対価を得て生活するもの 団結権 労働者の団体を組織する権利 団体交渉権 労働者の団体が使用者と労働条件について交渉する権利 団体行動権 労働者の団体が労働条件の実現を図るために団体行動を行う権利 合憲限定解釈 法文の意味を憲法に適合するように限定して解釈すること 権力分立 国家の諸作用を性質に応じて区別しそれを異なる機関に担当させるよう分離し、相互に抑制と均衡を保たせる制度 行政国家 行政府が国の基本政策の形成決定に事実上中心的な役割を営むこと 政党国家 政党が国家意思の形成に事実上主導的な役割を演ずること 政党 政治上の意見を同じくする人々が政治権力に参加してその意思を実現するために組織する団体 司法国家現象 司法権が議会、政府の活動をコントロールすること 代表(四三条)国民は代表機関を通じて行動し代表機関は国民意思を反映するものとみなされるという趣旨の政治的な意味 実質的意味の法律 一般的抽象的な法規範 国会中心立法の原則 国の立法はすべて国会によって行われること 国会単独立法の原則 国会による立法は国会以外の機関の参与を必要としないで成立すること 執行命令 法律を執行するための政令 委任命令 法律の具体的な委任に基づく政令 条約 文書による国家間の合意 調印 署名 批准 成立した条約を審査しそれに同意を与えその効力を最終的に確定する行為 議員自律権 各議員型の国家機関や他の議員から監督や干渉を受けることなくその内部組織及び運営等に関し自主的に決定できる権能 国政調査権 国勢に関する調査を行う両議員の権能 行政権 すべての国家作用のうちから立法作用と司法作用を除いた残りの作用 独立行政委員会 特定の行政について内閣から独立的な地位においてその職権を行うことが認められている合議制の行政機関 内閣 首長たる内閣総理大臣およびその他の国務大臣で組織する合議体 衆議院の解散 任期満了前に議員の資格を失わせる行為 司法権 具体的な総称について法を適用し、宣言することによってこれを裁定する国家の作用 法律上の争訟 当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争であってかつそれが法律を適用することにより終局的に解決することができるもの 部分社会の法理 自律的な法規範の実現を内部規律の問題として自治的措置に任せ必ずしも裁判をまつを適当としないという理論 特別裁判所 特別の人間または事件について裁判するために通常裁判所の系列から独立してもうけられる裁判機関 対審(八二条)裁判官の面前で当事者が口頭でそれぞれの主張を述べること 陪審制 一般国民の中から選任された陪審員が正式起訴をするかを決定したり(大陪審)審理に参加し評決をしたりする(小陪審)制度 司法権の独立 司法権が立法権、行政権から独立していること        裁判官が裁判をするにあたって独立して職権を行使すること 租税 国または地方公共団体がその課税権に基づいてその使用する経費に充当するために強制的に徴収する金銭給付 予算 会計年度における国の財政行為の準則 住民自治 地方自治が住民の意思に基づいて 団体自治 地方自治が国から独立した団体に委ねられ団体自らの意思と責任のもとでなされるという自由主義的地方分権的要素 条例 地方公共団体がその自治権に基づいて制定する自主法 地方公共団体(九三条) 都道府県、市町村という標準的な地方公共団体 抵抗権 国家権力が人間の尊厳を犯す重大な不法を行った場合に国民が自らの権利自由を守り人間の尊厳を確保するため他に合法的な救済手段が不可能となったとき実体法上の義務を拒否する抵抗行為 国家緊急権 戦争、内乱、恐慌、大規模な自然災害などへ維持の統治機構を持っては対処できない非常事態において国家の存立を維持するために国家権力が立憲的な憲法秩序を一時停止して非常措置をとる権限 憲法の変遷 憲法規範は改正されないのにその本来の意味が国家権力による運用によって変化すること 抽象的違憲審査制 特別に設けられた憲法裁判所が具体的な争訟と関係なく抽象的に違憲審査を行う方法 付随的違憲審査制 通常の裁判所が具体的な争訟事件を裁判する際にその前提として事件の解決に必要な限度で適用法条の違憲審査を行う方式 憲法判断回避の準則 憲法判断は事件の解決にとって必要な以外は行わないという必要性の原則に基づいて準則化された一連のルール 司法事実 判決事実 当該事件に関する事実 法令違憲 法令そのものを違憲とするもの 適用違憲 法令自体は合憲でもそれが当該事件の当事者に適用される限度において違憲とするもの 判例 判決の結論を導く上で意味のある法的理由付け 硬性憲法の技術 憲法改正手続を認めつつその改正の用件を厳格にするという方法 発議(九六条一項) 国民に提案される憲法改正案を国会が決定すること