自然的行為論 意思に基づく身体の動静 目的的行為論 目的によって支配された身体の動静 人格的行為論 行為者人格の主体的現実化と見られる身体の動静 社会的行為論 人の意思によって支配可能な社会的意味のある身体の外部的態度 構成要件 刑罰法規において定められたい包括有責的な可罰的行為の類型 実行行為 基本的構成要件に該当する行為(形式的意義) 特定の構成要件を形式的に満たしかつ当該構成要件の予定する法益侵害の現実的具体的危険性を有する行為 不作為犯 不作為によって犯罪を実現する場合 真性不作為犯 構成要件が不作為の形式で定められている犯罪を不作為によって実現する犯罪 不真性不作為犯 作為の形式で規定されている構成要件を不作為によって実現する犯罪 罪刑法定主義 犯罪と刑罰はあらかじめ成分の法律によって明確に規定されていることを要するという原則 作為義務 一定の構成要件的結果の発生を防止すべき法律上の作為義務 構成要件的結果が発生しないように法的に保障する義務がある者 保障人説 保障人の不作為についてのみ不作為犯の構成要件該当性を認める見解 間接正犯 他人を道具として利用し犯罪を実現すること 自主犯 正犯者自身の手による実行を必要とし間接正犯の行為態様によって犯し得ない犯罪 原因において自由な行為 自ら精神の障害を招いて実行行為を行う場合 条件説 その行為がなかったならばその結果は発生しなかったであろうという条件関係が存在する限り、刑法上の因果関係が認められるとする説 原因説 結果に対する諸条件のうちから何らかの標準を設けて原因と条件を区別しその原因と結果との間に因果関係があるとする説 相当因果関係説 条件関係の存在を前提として、結果に対する諸条件のうち社会生活の経験に照らしてその行為からその結果が生じることが相当であると認められる場合に因果関係があるとする説。 正犯 実行行為を行為者自ら行う場合 主観説 行為者が行為の当時に認識した事情及び予見し得た事情を判断の基礎にする 客観説 裁判の時点にたって行為当時に客観的に存在したすべての事情及び行為後に生じた事情のうちそれが一般人にとって予見可能であった事情を判断の基礎にする。 折衷説 行為の当時にたって、一般人が認識し又は予見することができた事実、及び、行為者が現に認識し又は予見していた特別の事情を判断の基礎にする。 実行の着手 構成要件的結果の発生に至る現実的危険性を含む行為の開始 未遂犯(=障害未遂)犯罪の実行に着手したが、これを完全には実現しなかった場合 着手未遂 実行行為には着手したが実行行為そのものを終了しなかった場合。 実行未遂 実行行為は終了したが、結果が発生しなかった場合 中止犯 犯罪の実行に着手したが「自己の意思によって」これをやめた場合 着手中止 実行に着手が、その終了前に継続して行うべき実行行為を放棄すること 実行中止 すでに実行を終了した後に、結果の発生を防止すること 不能犯 行為者は犯罪を実現する意思で行為したがその行為の性質上結果を発生することのおよそ不可能な行為 客観的危険説 行為及び行為後に判明した客観的な全事情を判断の基礎として裁判の時点に立って事後的客観的見地から行為の危険性を科学的に判断する 具体的危険説 行為の当時において一般人が認識し得た事情及び行為者が特に認識していた事情を基礎に一般人の判断において結果発生の危険性を判断する 抽象的危険説 行為の当時行為者が認識していた事情を基礎に客観的見地に立って一般人の判断において危険の有無を判断する。 予備 犯罪の実現を目的として行われる謀議以外の方法による準備行為 陰謀 二人以上のものが一定の犯罪を実現することについて相談し合意に達すること 任意的共犯 法律上単独の行為者を予想して作られている構成要件を二人以上の行為者が加功して実現する犯罪 必要的共犯 構成要件の性質上はじめから複数の行為者を予定して定められている犯罪 犯罪共同説 二人以上のものが特定の犯罪を共同して実現する場合を共犯とする説 行為共同説 二人以上のものが単なる行為を共同して各自の意図する犯罪を実現する場合も共犯とする説 共犯従属性説 共犯が成立するためには正犯者が少なくとも基本的構成要件に該当する行為を行ったことを要するとする説 共犯独立性説 共犯が成立するためには教唆幇助行為があれば足り、被教唆者、被幇助者が犯罪を実行したか否かを問わないとする説 片面的共同正犯 実行行為共同の事実が認められる場合において共同実行の意志が一方にだけ存在し、共同者各自には存在しない場合 身分 一定の犯罪行為に関する犯人の人的関係である特殊の地位または状態のすべて 承継的共同正犯 あるものが犯罪の実行に着手した後終了前に他のものがそれまでの事情を知って犯罪遂行に加わり最初の実行者と協力した場合 共謀共同正犯 二人以上のものが一定の犯罪を実現することを共謀し共謀したものの一部がその犯罪を実行した場合には実行行為に関与しなかったものも含め共謀者全員について共同正犯が成立すること 教唆犯 人を教唆して犯罪を実行せしめること 未遂の教唆 教唆者が被教唆者の実行行為をはじめから未遂に終わらせる意志で教唆すること アジャン・プロボカトゥール 犯人として処罰を受けさせようとして他人に一定の犯罪を教唆するもの 間接教唆 教唆者を教唆したる場合 再間接教唆 間接教唆者をさらに教唆すること 従犯 正犯を幇助した者 共犯関係からの離脱 共犯関係にある二人以上の者の一部が犯罪の完成に至るまでの間に範囲を放棄し、自己の行為を中止してその後の犯罪行為に関与しないこと 形式的違法性 行為が刑法上の行為規範に違反すること 結果無価値論 違法性の実質を法益侵害・危険に求める見解 行為無価値論 違法性の判断に当たっては法益侵害という結果の無価値だけではなく行為の無価値を考慮しなければならないとする見解 客観的違法性論 方を評価規範と決定規範とに分け、評価規範に客観的に違反することが違法であり、決定規範に主観的に違反することが責任であるとする立場 主観的違法性論 法を命令、禁止と解し、その命令禁止に従って行為することができるのにそれに違反することが違法であるとする立場 実質的違法性 社会的相当性を逸脱した法益侵害 違法性阻却の一般原理 法益侵害が社会生活の中で歴史的に成立した社会倫理秩序の枠内にあるということを原理とする。 社会的相当性 行為が社会倫理秩序の枠内にあるという性質=結果の法益侵害性を含めて当該行為がここの生活領域において日常性または通常性を有しているため健全な社会通念によって許容されるという性質 可罰的違法性 刑罰を課するに値する程度の量ないし質を持った違法性のこと 主観的違法性要素 行為に違法性を与えまたは行為の違法性を強める主観的要素 正当防衛 急迫不正の侵害に対し、自己または他人の権利を防衛するためやむことを得ざるに出でたる行為 急迫 法益侵害の危険が切迫していること 不正 違法であること 侵害 他人の権利に対して実害または危険を与えること 権利 (広く)法益 やむことを得ざるに出でたる行為 防衛の必要性と許容性 防衛の意思 急迫不正の侵害を認識しつつこれを避けようとする単純な心理状態 対物防衛 物または動物の侵害に対する防衛 過剰防衛 急迫不正の侵害に対し、防衛の意思で防衛行為を行ったがその反撃行為が防衛の程度を越えた場合 誤想防衛 正当防衛の要件に当たる事実がないのにその事実があると誤想して行われる反撃行為 誤想過剰防衛 急迫不正の侵害がないのにそれがあるものと誤信して防衛行為に出たが、誤想した侵害に対する防衛としては過剰であった場合 緊急避難 切迫する危難を避けるために元来この危難の発生原因とは無関係な第三者の法益をやむなく侵害する行為 現在の危難 保全すべき法益に対する侵害が切迫していること、または侵害の危険が切迫していること やむことを得ざるに出でたる行為 その危難を避けるための唯一の方法であり他にとるべき途がなかったこと(=補充の原則) 法益権衡の原則 非難行為から生じた害が避けようとした害の程度を越えないこと 法令行為 法律、命令、その他の成分法規に基づいて権利または義務として行われる行為 被害者の同意 法益の主体である被害者がそのものの法益に対する侵害に同意すること 推定的同意 被害者は現実に同意を与えていないがもし被害者が自体を正しく認識していたならば同意をしたであろうと認められる場合 安楽死 死に直面して耐え難い肉体的苦痛にあえぐ人を楽死させる行為 尊厳死 医学の進歩に伴って生じたいわゆる植物人間に対してその生命維持装置を取り外す行為 自救行為 権利を侵害された者がその回復をはかるのに法律上正式な手続きを踏んで国家機関の救済に待つときは、時期を失してその回復が事実上不可能または著しく困難になる場合に自力でその回復をはかる行為 道義的責任論 自由意思を有する者がその自由な意思決定に基づいて犯罪を行ったのだからその行為及び結果は行為者に帰属されてしかるべきであり、行為者はその行為及び結果について道義的に非難されるとする学説 社会的責任論 社会にとって危険な者は社会のこれに対してとる防衛手段としての刑罰を甘受しなければならず、その刑罰を受けるべき法的地位が責任であるとする学説 行為責任論 ここの犯罪行為に向けられた行為者の意思に責任非難の根拠を求めるもの 性格責任論 行為者の危険な性格に社会からの防衛処分を講ぜられるべき意味を見いだそうとするもの 人格責任論 主体性を持った行為者の人格を責任の基礎に置こうとするもの 心理的責任論 責任は行為に対する行為者の心理的関係にあると解しその心理的関係を行為ないし結果についての認識(故意)とその認識の可能性(過失)とに分け、故意、及び過失を責任の種類とする 規範的責任論 故意と過失とを統一する規範適用祖として行為者における適法行為の期待可能性の存在を要求し、責任能力及び故意、過失が存在しても期待可能性がなければ責任はないとする 故意(表象説)事実の単なる表象で足りる。 (認容説)事実の表象の他に認容が必要 (意思説)結果発生を意欲することを要する 違法性の意識 自己の行為が法律上許されないということの意識 厳格故意説 責任故意が成立するためには違法性の意識が必要であると説く説 制限故意説 違法性の意識の可能性は故意の要件として必要であるとする説 責任説 違法性の意識の可能性は故意とは別個の責任要素であるとする説 違法性の意識の可能性 自己の行為が法律上許されない者であることについての意識の可能性 事実の錯誤 違法性の前提となる事実の認識を欠いた場合 法律の錯誤(違法性の錯誤)違法性を帯びた法的事実へと当てはめる評価の過程における錯誤 抽象的符合説 認識した内容と発生した結果とが意思ないし性格の危険性の点で抽象的に符合していれば故意を阻却しないとする説 具体的符合説行為者の認識した内容と発生した事実とが具体的に符合しない限り故意を阻却しないとする説 法定的符合説 認識した内容と発生した事実とが構成要件の範囲内で符合している限り故意を阻却しないとする立場 客体の錯誤 行為者が行為の客体を取り違え、本来の意図とは別の客体を攻撃した場合 方法の錯誤 行為者の攻撃の結果がその意図した客体とは別の客体に生じた場合 因果関係の錯誤 行為者が表象したところと異なった因果関係の経過をたどって予期した結果が発生した場合 信頼の原則 行為者がある行為をなすにあたって被害者あるいは第三者が適切な行動をとることを信頼するのが相当の場合には例えその被害者あるいは第三者の不適切な行動によって結果が発生したとしてもそれに対しては責任を負わないとする原則 業務上過失 行為者が「業務上必要な注意」を怠ったことによって犯罪事実を発生させた場合 重過失 通常の過失に対して行為者の注意義務に違反した程度が著しい場合 責任能力 有責に行為する能力 行為の是非・善悪を弁識しそれに従って自己の行為を制御する能力 心神喪失者 精神の障害により行為の是非を弁別する能力またはその弁別に従って行動する能力が著しく低い者 心神耗弱者 精神の障害により行為の是非を弁別する能力またはその弁別に従って行動する能力が低い者 期待可能性 行為の際の具体的事情の下で行為者に犯罪行為を避けて適法行為をなしえたであろうと期待できること 観念的競合 一個の行為にして数個の罪名に触れる場合 一個の行為 法的評価を離れ構成要件的観点を捨象した自然的観察の下で行為者の動態が社会的見解上一個のものと評価を受ける場合 牽連犯 犯罪の手段もしくは結果たる行為にして他の罪名に触れるとき 併合罪 確定判決を経ない数罪 責任主義 行為者の行為について責任能力及び故意または過失を要件として行為者を非難できる場合にのみその行為者に責任を認めるとする原則 嘱託(二〇二条) 被殺者がその殺害を依頼すること 承諾(二〇二条) 被殺者がその殺害の申し込みに同意すること 傷害 人の生理的機能を害すること、並びに身体の外形に重大な変更を加えること 業務(二一一条) 人が社会生活上の地位に基づき反復継続して行う行為であり、かつ他人の生命、身体に危害を加えるおそれがあるもの 暴行(最広義)人に対すると物に対するとを問わず不法な有形力の行使 (広義)人に対すると物に対するとを問わず直接間接の不法な有形力の行為 (狭義)人の身体に対する直接間接の不法な有形力の行使 (最狭義)人の反抗を抑圧するに足りる程度の人に対する不法な有形力の行使 堕胎 自然の分娩期に先立って人的に胎児を母胎から分離、排出する行為 遺棄 身体精神が不完全で保護を要する物を保護のない状態において生命身体の危険にさらすこと 狭義の遺棄 被害者の場所的移転を伴い場合に限る(他の場所に移す場合、作為による遺棄) 広義の遺棄 置き去りのように被害者との場所的離隔を生じさせるすべての場合を含む(置き去りにする場合と、不作為による遺棄も含む) 略取 暴行・脅迫を手段として被拐取者または看護者の意志に反して行う場合 誘拐 欺罔・誘惑を手段とする場合 逮捕 人の身体を直接的に拘束してその身体活動の自由を奪うこと 監禁 人の身体を間接的に拘束してその身体活動の自由を奪うこと 脅迫(広義)単に害悪を告知すること (狭義)相手方を畏怖させることができる程度の害悪の告知 (最狭義)相手方の反抗を抑圧される程度の害悪の告知 住居 人の起臥寝食に使用される場所 囲ぎょう地 建物の周囲を囲む土地の協会を画する設備が施され、建物の付属地として建物利用に供されることが明示されている土地 侵入 居住者、看守者の意思または推定的意思に反して立ち入る行為 拐取 他人をその生活環境から不法に離脱させ自己または第三者の実力的支配下に移す行為 内部的名誉 真に客観的に存在している人の価値 外部的名誉 人に対して社会が与える評価 名誉感情 本人が持っている自己に対する価値意識、感情 公然(名誉毀損罪) 不特定または多数の者が直接に認識できる状態 業務(業務妨害罪) 自然人法人その他の団体が社会生活上の地位においてあるいはこれと関連して行う職業その他の継続して従事することを必要とする事務 虚偽の風説の流布 虚偽の事項を内容とする噂を不特定または多数の者に知れ渡るような態様において伝達すること 偽計 人を欺罔、誘惑しまたは他人の無知錯誤を利用すること 威力 人の意思を制圧するに足りる勢力を示すこと 信用 経済的信用すなわち人の支払能力または支払意思に対する社会的信頼 奪取罪 被害者の占有を排除し、客体である財物の占有を取得する犯罪 盗取罪 奪取罪から被害者の意思に基づかないで占有を取得する罪 不法領得の意思 権利者を排除して他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従い、利用、処分する意思 占有(窃取罪) 財物に対する事実的。現実的支配 窃取 財物に対する他人の占有を侵害して財物を自己または第三者の占有に移す行為 強取 暴行脅迫を持って相手方の反抗を抑圧し、その意思によらずに財物を自己または第三者の占有に移す行為 居直り強盗 窃盗の実行に着手後、歌人等に発見されて暴行脅迫に及び、財物を奪取すること 欺罔(→ 欺いて) 人を錯誤に陥れること 騙取(交付させた) 相手方の錯誤に基づいて財物を交付させること 恐喝 挙は熊他は暴行を手段とし、その反抗を抑圧するに至らない程度に相手方を畏怖させ、財物の交付を要求すること 横領 自己の占有する他人の物を不法に領得すること 占有(横領罪) 事実上または法律上物に対する支配力を有すること 「他人のためその事務を処理する者」(背任) 他人の事務をその本人のために行う者 背任行為 法律上の義務に違反する行為 業務(業務上横領罪) 社会生活上の地位に基づいて反復または継続して行われる図事務 財産上の損害(背任罪) 法的・経済的観点から見て全体の財産状態を悪化させること 不法領得の意思(判例・横領罪) 他人の物の占有者が委託の任務に背いてその物に付き権限がないのに所有者でなければできないような処分をする意思 贓物(→盗品) 財産罪にあたる行為によって領得された財物であって被害者が法律上その追求権を行使できるもの 収受(→無償で譲り受けた)贓物を無償で自己のものとして取得すること 運搬 委託を受けて贓物の所在を移転すること 寄贈(→ 保管し) 委託を受けて贓物を保管すること 故買(有償で譲り受け) 贓物を売買・交換・債務の弁済などの名義で有償で取得すること 牙保(有償の処分の斡旋をした)贓物の有償的な法律上の処分行為を媒介または周旋すること 毀棄・損壊 物の本来の効力を失わせるいっさいの行為 陰匿 信書の発見を妨げる行為 信書 特定人から特定人に当てた意思を伝達するための文書 「公務所の用に供する文書」(公文書毀棄) 現に公務所において雑用に供されまたは利用の目的で保管されている文書 公共の危険 不特定または多数陣の生命、身体または財産に対する危険 火を放つ(→ 放火して)目的物の焼毀を惹起せしめる行為 焼毀(独立燃焼説)(焼損した) 火が放火の媒介物を離れ目的物に燃え移り、独立して燃焼する状態に達すること 現住性 犯人以外の者が起臥寝食する場所として日常使用していること 現在性 放火の際に本人以外の者が現に居合わせること 公共の危険発生の認識 公共の危険の発生を予見・認容したが延焼を認容しなかったという心理状態 偽造 通過の製造・発行権を有しない者が真貨に類似した外観のものを作成すること 変造 通過の製造、発行権を有しないものが真貨に加工して真貨に類似するものを作成すること 行使(偽造通貨行使罪) 偽貨を真正な通貨として流通に置くこと 交付 偽貨であることの情を告げて相手方に引き渡すこと 収得(偽造通貨行使罪) 自己の所持に移す一切の行為 準備(通貨偽造準備罪) 機会原料を用意し偽造、変造を容易にすること行為 有価証券 財産上の権利が証券に表彰されており、権利の行使処分のためにその証券の占有を必要とするもの 偽造(有価証券偽造罪) 他人の名義を冒用して有価証券を作成すること 変造 権限を有しないものが真正に成立した他人名義の有価証券に不正に変更を加えること 虚偽の記入 作成権限のあるものが自らの名義をもって有価証券としての効力を生ずる事項を真実に反して記入すること 行使 偽造有価証券を真正なものとしてまた虚偽記入の有価証券を真実を記載したもののごとく装って使用すること 文書(広義) 文字またはこれに変わるべき記号を用い、永続すべき状態で物体の上に記載した意思表示 (狭義)文字その他の発音的符号を用いたもの 図画 象形的符号を用いたもの  偽造(最広義) 文書の偽造変造虚偽文書の作成偽造文書の行使すべての総称 (広義)文書の偽造から行使をのぞいたもの (狭義)広義の偽造のうち有形偽造(有形変造も含む) (最狭義)狭義の偽造のうち有形変造を除いたもの 有形偽造 権限なしに他人名義の文書を作成すること 無形偽造 作成権限のあるものが虚偽の内容の文書を作成すること 形式主義 作成名義の真正さを保護しようとする立場 実質主義 文書内容の真実性を保護する立場 名義人 文書における意思または観念の主体 作成者 文書を作らせた意思の主体 変造(広義) 既に成立している真正文書の非本質的部分に不法に変更を加えること 変造(狭義) 有形偽造の一種としての変造 行使 偽造変造または虚偽作成にかかる文書を真正文書も市区は内容の真実な文書として他人に認識させまたは認識しうる状態に置くこと 公文書 公務所または公務員がその名義を持って権限内において所定の形式にした勝手作成すべき文書もしくは図画 虚偽公文書の作成 職務上文書を作成すべき公務員が行使の目的を持ってその文書に虚偽の記載をすること 虚偽公文書の変造 作成権限のある公務員がその権限を濫用して既存の公文書に不正の変更を加えてその内容を虚偽のものにすること 事実証明に関する文書(私文書偽造罪) 法律上何らかの意味を有する社会生活上の利害関係のある事実の証明に関する文書 (判例)実社会生活に交渉を有する事項を証明するにたるもの) 公正証書 公務員がその職務上作成する文書で権利義務の得喪・変更に関する事実を公的に証明する効力を有する文書 真正文書、不真性文書(偽造文書) 名義人と作成者が一致している文書と一致していない文書 虚偽文書 真正文書ではあるが表示内容が真実に反する文書 虚偽(偽証罪) 陳述の内容をなす事実が証人の記憶に反すること(通説判例) 虚偽(誣告罪) 客観的真実に反すること 賄賂 職務に関して得る不正な報酬 職務 公務員、仲裁人がその地位に伴い公務として取り扱うべき一切の執務 職務に関し 職務に関連して=職務行為自体に対する場合の他職務に密接な関係がある行為(準職務行為)も含む 職務と密接な関係のある行為 公務員、仲裁人の職務を根拠として当該公務員仲裁人が事実上所管し、執務すべき行為 収受 賄賂を取得すること 要求 賄賂の供与を要求すること 約束 賄賂者と収賄者との間で将来賄賂を授受すべきことについて合意すること 請託 公務員・仲裁人に対して職務に関し一切の職務行為を依頼すること 猥褻 徒に性欲を興奮または刺激せしめ且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反すること 職務(公務執行妨害罪) 公務員が取り扱う事務のすべて 執行するにあたり 職務を執行する際に 蔵匿(犯人蔵匿罪) 官憲による発見逮捕を免れるべき場所を提供してかくまうこと 隠避 蔵匿以外の方法によって官憲による発見・逮捕を免れさせる一切の行為 罪を犯したもの 真犯人に限る(多数説) 犯罪の嫌疑を受けて捜査または訴追されているもの(判例) 被告事件(証拠湮滅罪) 起訴後の被告事件の他、起訴以前の被疑事件 証憑 証拠 湮滅 証憑の顕出を妨げまたはその証拠としての価値を滅失、減少させる行為 公務員(九条一号) 官吏・公使・法令により公務に従事する議員・委員その他の職員 斡旋 他の公務員に職務に違反する行為をさせることに付き請託者と他の公務員との間に立って仲介し便宜を図ること 供与(贈賄罪) 賄賂を相手方に収受させること 申込 賄賂の収受を促すこと