僕が住んでいた小さな小さな公園
 今でこそ3食ベッド付きの贅沢暮らしをしているけれど、数ヶ月前まで僕はホームレスだった。 2月のとても寒い日に、僕は病気で動けなくなって公園の片隅にうずくまっていた。そこへ偶然通 りかかったのが僕の今の御主人様だったのだ。 目をつぶって鼻水と目やにで顔はぐしゃぐしゃで、何度もくしゃみをしていた僕を見て、猫大好きのご主人はすっかり僕に同情してしまったみたいだった。 その日から数日間、段ボールの箱を置いたり、食べ物や水やミルクを運んだり、馬鹿みたいだけど人間の風邪薬を混ぜたり、いろいろやってくれた。動物愛護系の掲示板にも何やらカキコしたりしていたらしい。
 でも、具合が悪くて何も食べられない状況は続いたし、せっかくの段ボール箱は他の猫に取られてしまった。野良猫の世界は弱い者にはとても厳しい。病気の僕は他の猫に近付くことも許されなかった。放心状態で座り込んでいる僕を見てご主人はあせった。このままでは死んでしまう!そして、とうとう悩んだ末に決心すると、週末に車にケージを積んで僕を迎えに来たのである。ご主人は最初、僕が素直にケージに入るかどうか心配だったようだが、そんな心配には及ばなかった。僕はこの数日間の間に徐々にご主人に慣れていたので、その日もその姿が目に入るや一世一代の甘ったれた声を出してスリよって行くと、ベンチに置かれたケージに自ら進んで入っていったの
僕のかつての仲間達。願わくば
みんな幸せになって欲しい、、
《再現画像》 ちょうどこんな感じでですね、、、

である。「お願い。連れて行ってニャーーンン。」それは当然でしょう。この2月の寒空に風邪を引いて、のたれ死に、あるいは生き延びたとて毎日飢えと戦い、サイコな奴にシッポを切られたりするかもしれない恐怖にさらされるのと、たとえ終生屋内暮らしになったとしても、常に暖かく、お腹は満たされ、危険も無い毎日を過ごせるのとを比べてみて、前者を選択する野良猫がどこにいようか?野良猫の住む環境にもいろいろあろうが、少なくとも僕の故郷は未練を残せるような所では無かったのだ。かくして僕は車に乗せられ、ケージの中でぐっすり眠り込んだまま、2時間近くかけてご主人の家へと連れて行かれたのだった。to be continued

  思えばほんとに、危ういところで命拾い、、、感慨に耽るの図
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