【岡本さんの講義】
●要約について
要約の実例が書かれたテキストが少ないと感じている。その理由として考えられることをテキストから挙げると、
- 客観的な要約の基準というのはない。
- 要約作業に対して良し悪しの判断ない。
- テキストに掲載されている例は「要約の指針ではない」
とある。また、
- 要約文の価値は要約の作成者ではなく利用者が決定する。
ともある。
これを踏まえ、実際に要約例を挙げて検討を試みる。
●要約の実技練習
800字元原稿を600字、400字、240字に要約した例を用意してある。
要約筆記者だけでなく、利用者にも元原稿を渡し、要約例を作成してもらう。
600字、400字、240字それぞれ作成してもらう。
注意点
- 単に要約するのではなく、どのような根拠で要約したのか、説明できること。
- 普通の話言葉の速度は1分間300〜400字位。打てるのは2人入力でも200字程度。
- 従って、70%〜50%は常に要約していないと入らないはず。
- 列挙しているところは、一部を残して省略。できれば重要なものを残して省略。
- 列挙している部分に関しては、情報を落とさない要約方法は無い。地道に入力速度を上げて、できるだけ多くの情報保障を入れるしかない。
- 普段打ったことのない単語がでてきたときには、時間を掛けても何か言いやすい、自分が確実に打てる単語に、頭の中で1秒くらいは考えている。今まで打ったことのない単語は打たないと、極端に言うとそんなこともある。
【大場さんの入力練習】
・テキスト(難聴者の聴こえと生活についての実態シンポジウム報告集)を読み上げて全員で入力練習し、単語登録などの準備を済ませる。
・次に参加者が2人ずつ組になり、順に入力練習。
・2人入力した入力をスクリーンに表示。入力者である2人以外の参加者は連携の様 子を観察し、後で話し合う。
ペア1
入力を見ての感想。
- ベテランはちゃんとモニタをみているという感じがあった。相手が足らないところを必ず、補完するように心がけているかな?と思いました。
見ていると、割合、余裕というか、相手の方を見る余裕があるのかなという 感じがしました。
ペア2
入力しての感想
- 実力不足とあと、場慣れしてなくて、緊張も理由の一つに入れて下さい。
- こういうのに映されたのは初めてで。やっぱり、練習だったらもうちょっと打てますが、指が踊ってしまった。
入力を見ての感想
- 話し手が早いとか、自分が遅いとか、ギャップがある時、追いつかないことがある。その時、どうするかが我々も含めて考えられていない気がした。話し手が速い時、2人でどうやって要約するかが全国的にも考えられてない。
大場さんより、話し手が速い場合の対処の方法について
・なんとなくですが、さっき、前半やった要約で、私の場合は、省いていい言葉を機械的に判断していて、その部分を抜かして次を入力することが多い。
・あと、今回の教材は、列挙するというのが多かった。結構3つ項目を列挙するとき、1個ずつやるなど。連携はしやすいかと思いますが、もちろん、必ず1個ずつとは決まってない。
・相手の入力の先を読む、相手はここでつかえるだろう、ここまでは打てる、とか 予測することが重要。
【手話教室】
ずっと入力練習していた手をぶらぶらとし、運動する
〜挨拶の手話を覚えよう〜
「おはようございます」
「こんにちは」
「こんばんは」
※その他、ありがとう、宜しくおねがいします。また会いましょう、はじめまして、久しぶり、お疲れ様でした。
〜手話で自己紹介をしよう〜
私の名前は○○と申します。
私は○○に住んでいます。
参加者全員に、一人一人前に出てきてもらって、自己紹介をしてもらいました。
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