星印の評価について

 作品の評価(面白度)は五段階としています。五段階評価についてはいろいろな問題点が指摘されていますが、今回は、すべての作品を一人で評価していることと、わかりやすく、見やすい評価を重視したことから採用しています。もちろん私個人の独断と偏見による印象批評に基づいていますので(しかも十代に読んだ作品もあれば、六十代になって読んだ作品もあって)、あまりあてにはならないでしょう。まぁ、あくまでも一応の目安です(★★★★★(星5つ)は私が本当に面白いと思った作品、★(星1つ)は無理して読んだ作品。残りはその間にある作品で、★★★(星3つ)が水準作といったところ)。
 なお1980年代以降の作品は、リストに載っている出版物を読んで評価していますが、それ以前の古い作品については、リストに載せた現物をきちんと読んで評価しているとは限りません。後年文庫化されたものを読んだり、改訳されたものを読んだりしています。つまり厳密な意味での出版当時の訳書の評価ではありません。念のために書いておきます。
 私はアガサ・クリスティーやディック・フランシスの作品が好きなので、それらの作家の作品は高めの評価になっています。逆にJ・D・カーの作品は、それほど好きではありません(もちろん例外の作品もありますが)。私の好みは、以下のような作品です(「EQ」1999年7月号の<マイベスト7>)。

  1. 『そして誰もいなくなった』(アガサ・クリスティー)
  2. 『興奮』(ディック・フランシス)
  3. 『あなたに似た人』(ロアルド・ダール)
  4. 『ジャッカルの日』(フレデリック・フォーサイス)
  5. 『策謀と欲望』(P・D・ジェイムズ)
  6. 『苦い林檎酒』(ピーター・ラヴゼイ)
  7. 『午後の死』(シェリー・スミス)

 上記のリストが妥当と感じる人は、本リストの★印の多い作品は安心して楽しめると思います。逆にどうも好みが違うという人は(英国ミステリーが好きだという条件がありますが)、私が低い評価をした作品に傑作が含まれている可能性があります。そのような人は、星印の少ない作品から隠れた傑作を見つけてください。


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