第一回講座 『ゼロ時間へ』を読む (2014.11.22)

書誌的情報

  • 原書"Towards Zero"は1944年の出版。  
  • 最初の翻訳は『殺人準備完了』(三宅正太郎訳、早川書房、世界傑作探偵小説シリーズ09 1951)。地図は付いていない。
         以下『ゼロ時間へ』(田村隆一訳、早川ポケミス、1958/1)
             『ゼロ時間へ』(田村隆一訳、早川ミステリ文庫、1976/7)
            『ゼロ時間へ』(三川基好訳、早川ハヤカワ文庫、2004/5)
     
  • 映画は「ゼロ時間の謎」(L'heure Zero)(監督:パスカル・トマ、2007年公開 フランス)。日本公開は2007年12月。
  • DVD「ゼロ時間の謎」は2008年6月に発売。
  • TV映画はマープル物(ジェラルディン・マクイーワン主演)として、2007年英・米共同で製作。日本では2008年にNHKBS2で放映された。
  • 劇"Towards Zero"の英国初演は1956年6月(脚本:クリスティとジェラルド・ヴァーナーの共作)。
  • 日本での初演は「ゼロ時間へ」(T.H.E(Theater Harmony East)主催、吉祥寺シアター(武蔵野吉祥寺)、演出:グレッグ・デール、2006/5)。
  • 舞台の土地ソルトクリークは実在のSalcombe(ダートマスの南西)をモデルにしている。

作品内容

探偵:バトル警視(Superintendent Battle)。初主役の作品だが、脇役としては4作に登場している。
粗筋:夏のリゾート地に建つ、富豪の老未亡人の屋敷にさまざまな人々が集まってくる。やがて未亡人の友人が亡くなり、未亡人も撲殺される。周到な殺人計画は「ゼロ時間へ」に向かう。
主な登場人物:富豪の未亡人カミーラ、カミーラの遠縁の親戚メアリー、万能スポーツマンのネヴィル、ネヴィルの最初の妻オードリー、二番目の妻ケイ、自殺しそこねた男アンガスなど。

本書を読んだ後(読みながら?)、可能ならば考えてきてほしいこと

  1. 本作の個人的な評価(★5つが満点)と、その理由を述べてください。
  2. プロットや犯行のトリック、謎の解明部分について、どう思いますか?(例えば、アンガス・マクワーターの証言についてはどうでしょうか?)
  3. バトル警視の出てくる他の作品は? 彼はポアロ以外のキャラクターとも繋がりがあるでしょうか? また、クリスティ作品における刑事の描き方に注目してみましょう。
  4. 舞台のモデルはSalcombeと言われていますが、執筆時期と何か関係があるでしょうか?
  5. 印象に残った登場人物を挙げてください。
  6. 何か気づいたこと、指摘したいことがあったら、述べてください。

次回の資料はhttp://www.ab.cyberhome.ne.jp/~lilac/christie/seibushiryou.htmで参照できます。
質問やメルマガへの参加はwhtushin@gmail.comまでご連絡ください。

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