第[期第一回講座 『三幕の殺人』を読む (2015.11.28) |
書誌的情報
原書"Three Act Tragedy"(米版"Murder in Three-Acts")は1934年の出版。主な翻訳は以下の通り。
- 『三幕の悲劇』(河瀬廣訳、黒白書房/世界探偵傑作叢書15、1936)元版は不明
- 『三幕の殺人』(田村隆一訳、早川書房/世界傑作探偵小説シリーズ03、1951)米(英)版
- 『三幕の殺人』(田村隆一訳、ハヤカワ・ミステリ159、1954/12/15)米(英)版
- 『三幕の殺人事件』(松本恵子訳、講談社/クリスチー探偵小説集、1956)元版は不明
- 『三幕の悲劇』(西脇順三郎訳、東京創元社/世界推理小説全集42、1957)米版
- 『三幕の悲劇』(西脇順三郎訳、創元推理文庫、1959/ 6/20)米版
- 『三幕の悲劇』(西脇順三郎訳、東京創元社『世界名作推理小説大系 別巻4』、1961)米版
- 『三幕の殺人』(赤冬子訳、角川文庫、1961/5/30)英版
- 『三幕殺人事件』(中村妙子訳、新潮文庫、1984/1)英版
- 『三幕の殺人』(田村隆一訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、1988/12/15)英版
- 『三幕の殺人』(長野きよみ訳、クリスティー文庫9、2003/10)英版
主なTV映画は以下の通り。
- 「三幕の殺人」(米CBS系列で1986年に放映。ポアロ役はピーター・ユスティノフ)
- 「三幕の殺人」(英ITV系列で製作、2010年に放映。ポアロ役はデビッド・スーシェ)
作品内容
探偵:エルキュール・ポアロ。ポアロ・シリーズの第9作。
登場人物:演出は元俳優のチャールズ・カートライト、演出助手はサタースウェイト(美術・演劇のパトロン)と若い女性ハーミオン・リットン・ゴア(通称エッグ)。
物語:チャールズの別荘で開かれたハウス・パーティーで、近所に住む牧師バビントンが急死した。自然死と考えられたが、それから数か月後、ロンドンの神経科医ストレンジがパーティーの席で似たような状況で急死した。ストレンジはニコチンで毒殺されたことがわかり……。
本書を読んだ後(読みながら?)、可能ならば考えてきてほしいこと
@ この作品の評価(★5つが満点)は?
A イギリス版とアメリカ版の結末(動機?)の違い、邦題の違いなどを考えてみましょう。どちらがいいと思いますか?
B 構成やトリック等で、面白いところ・優れていると思うところを挙げてください。
C 不満や疑問を感じる点を挙げてください。
D サタスウェイト氏を登場させた点について、どう思いますか? その効果についても考えてください。
E カートライトとエッグの関係は、イギリス版とアメリカ版のどちらを支持しますか?
F 執筆時点で、クリスティーは演劇界とどのような関係があったでしょうか?
+(プラス)の内容
連載形式で、「クリスティのライバル・後継者たち」を取り上げます。
第四回は、『兄の殺人者』を書いたD・M・ディヴァイン。
次回の資料はhttp://www.ab.cyberhome.ne.jp/~lilac/christie/seibushiryou.htmで参照できます。
質問やメルマガへの参加はwhtushin@gmail.comまでご連絡ください。
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