『満潮に乗って』を読む

第２４期第三回講座　『満潮に乗って』を読む(2024.3.23)

本書を読んだ後（読みながら？）、可能ならば考えてきてほしいこと

この作品の評価を、星の数（★１～５）で答えてください。
殺人が起こるのは全体の半分近くになってからですが、このプロットは成功しているでしょうか？
ドラマ版は舞台の時期設定を変えていますが（1930年代？）、この作品が舞台を終戦直後に設定した効果を考えてみましょう。
この作品の読ませどころ、評価できる点はどういうところでしょうか？
トリックやプロットへの評価は？　また納得できない点、疑問に思う点があれば挙げてください。
　　・別人へのなりすまし　　・電話のトリック　　・アリバイ作り（女装、リンの利用）　　・毒殺の方法　等々
特に「結末が納得できない」という意見が多いですが、どう思いますか。
戦時下でクリスティはどんな作品を書いていたでしょうか？　また本作以外に、戦争の影響が描かれている作品はあるでしょうか？

　書誌的情報

原書“Taken at the Flood”は、英国ではハード・カバー版は1948年11月にCollins社から出版。米国では“There Is a Tide”という別題で1948年3月にDodd, Mead社から出版された。
　雑誌掲載に際して、米国の代理人はポアロをカットすることを主張し、英国の代理人コークはクリスティにその提案を受け入れさせようとしたが、最終的にはカナダの＜トロント・スター＞に売れたため、英米での雑誌掲載はなくなった。
翻訳書は以下の通り（児童物は除く）。
- 『満潮に乗って』（恩地三保子訳、ポケット・ミステリ、早川書房、1957）
- 『満潮に乗って』（恩地三保子訳、ミステリ文庫、早川書房、1976）
- 『満潮に乗って』（恩地三保子訳、クリスティー文庫、早川書房、2004）
映像作品は以下の通り(http://www.deliciousdeath.cexj.htmlより）。
- TVドラマ「満潮に乗って」（“Taken at the Flood”）
  　　　　　　放送：（英ITV：2006/4/2）　DVD発売（デアゴスティーニ・ジャパン：2011年）
  　　　　　　監督：アンディ・ウィルソン　脚本：ガイ・アンドルーズ
  　　　　　　出演：デビッド・スーシェ(ポワロ)、
  　　　　　　　　　　エリオット・コーワン（デヴィッド）、
  　　　　　　　　　　パトリック・バラディ(ローリー)、
  　　　　　　　　　　エバ・バートヒッスル(ロザリーン)、
  　　　　　　　　　　アマンダ・ダウジ(リン)、
  　　　　　　　　　　ジェニー・アガター（アデーラ）、
  　　　　　　　　　　ペニー・ダウニー(フランシス)、
  　　　　　　　　　　ピップ・トレンス（ジェレミー）
  　　　　　　　　　　クレア・ハケット(ビアトリス・リピンコット)、
  　　　　　　　　　　リチャード・ホープ(スペンス警部)、
  　　　　　　　　　　シーリア・イムリー(キャシー)、
  　　　　　　　　　　ティム・リピンコット・スミス（ライオネル）、
  　　　　　　　　　　ニコラス・ル・プレヴォ(ポーター)、
- TVドラマ「満潮に乗って（“Le Flux et le Reflux”）
  　　　　放送：（仏TV　France2：2011）
  　　　監督：エリック・ウォレット　脚本：シルヴィ・シモン
  　　　出演：アントワーヌ・デュレリ(ラロジエール警視)
  　　　　　　　マリウス・コルッチ(ランピオン刑事)
これまでの資料はhttp://www.ab.cyberhome.ne.jp/~lilac/christie/seibushiryou.htmで参照できます。
質問やメルマガへの参加はwhtushin@gmail.comまでご連絡ください。

元に戻る