第一号はやはりサイレンススズカですね。超ハイペースの大逃げで尚且つ直線でも伸びる。これじゃあ他の馬は勝てません(^^
僕がこの馬の強さを肌で実感したのは伝説のG2と言われた98年毎日王冠の時でした。
G2とはいえグランプリホース(スズカ)、二頭の無敗馬(エルコンドルパサー・グラスワンダー)の参戦、G1並のメンツでした。この時はスズカよりグラスの方を応援していたのをよく覚えています。スズカは府中の長い直線では必ず捕まると鷹を括っており、実際グラスを軸にスズカを外した馬券を買っていました。4角でグラスが迫ってきた時「ほら、スズカ飲まれるよ」なんて一緒にいた友達に得意気にしゃべったもんです(恥)
結果はスズカの圧勝、離れた2着にエルコンドルパサー、グラスワンダーは5着でした。友達は見事的中!ちなみにその友達は初めての競馬でした。競馬歴って一体なんなんでしょうかね(泣)
驚いたのはその豪快な勝ちっぷり!我々はスタンド上から観戦していたのですが、直線、縮まるどころか差は開くばかり・・・パサーが迫ってくるも影をも踏ませぬ見事な逃亡劇でした。後で知りましたが最後方から3着になったサンライズフラッグと同じメンバー最速の上がりだったそうです。
レース後、「天皇賞(秋)は間違いなくスズカで決まりだな」 帰りの電車の中ではスズカの強さをひたすら話し合っていました。
そして迎えた天皇賞(秋)・・・平成10年11月1日1枠1番1番人気1.2倍、誰もが1着でゴール板を通過すると思っていましたが・・・・・・
このレースも毎日王冠と同様に友達と現地観戦。当然我々の馬券はスズカ流し(当時、馬単があれば間違いなくスズカから買っていたと思います)
快調に逃げるスズカ。1000M通過は57.4 彼以外なら玉砕間違いなしのハイペースですが彼なら問題なし。「相変わらず離すなあ」こんなレース滅多に見られるものではありません。そして大ケヤキを通過しました・・・
周知の通りここで故障発生・・・「沈黙の日曜日」になったわけです。ドッとざわめく観衆、一体何が起こったのか!とにかくスズカに何かあったのは間違いありません。スズカの勝利を100%確信してた我々は一気にしらけてしまい、直線の熱戦など全く見ませんでした。もうどうでもよかったのです。
レース後の帰りの電車の中での我々の会話
「スズカどうしたんだろうね」「勝ち馬がオフサイドトラップはないわ〜(←かなり失礼)」「府中の魔物ってホントにいたんだね」
スズカがまさか安楽死処分されていたとは全く知らない呑気な会話ばかりしていました。
夕方のニュースでスズカの安楽死処分を知りました。左手根骨粉砕骨折・・・友達の家でこのニュースを見ていた我々は絶句しました。
そして録画していたビデオで何度も天皇賞をプレイバック。大ケヤキ通過直後、「ガクッ」と体勢を崩し、その異変に気付いた武豊騎手が慌てて手綱を抑える。左前脚をプルプルさせるスズカ・・・ああ、なんてシーンだ・・・
当時、原因はいろいろ言われていましたが何が原因にせよスズカは強烈な印象を残しターフを去っていきました。彼のような超個性的な馬は当分出てこないでしょう。スローペース症候群にかかりつつある最近の競馬でハイペースの存在を教えてくれたサイレンススズカ。
強烈な印象を与えてくれた思い出に残る名馬でした。ありがとう「音速の貴公子」
戦績 | 16戦9勝 | 中山記念、小倉大賞典、金鯱賞、宝塚記念、毎日王冠 |