優しさの裏に

 やさしい言葉、そっと触れてくる指先、触れ合った素肌の先から伝わる温もりが優しさだけから来るものとは限らない。
「…………ほら、陛下」
「あっ……つっ……あす……ら…ん」
 裡に入って来ようとする熱さに慄き、膝が震える。彼の腹の上に腰を下ろそうとした体は、痛みに強張り喘ぐばかりだ。逃げ出そうするも引き寄せようと腰に絡みつく腕が許さない。
「…………ご自分で動かれるのでしょう」
 再び彼に促され引き寄せられる。
「はぁ……ぁ……ん」
 入り口に留まっていたそれが裡を広げて押し入ってくる。
「……あ……すらん」
 ただ彼の名を呼ぶ。ゆっくりと、確実に、侵されていく裡が熱い。
  目をつぶりそのどうしようもない熱さに耐える。後口ばかりに集中してしまっていたが、髪をそっと撫でられ思わず目を開ける。
  深い紺の瞳と視線があった。髪を撫でた掌はそのまま頬に添えられ、親指が唇の上をなぞる。 紺色の瞳が細められる。 優しく頬に触れていた腕は再び腰に添えられ、――今度は一気に貫かれた。

「――――っ!」

短い悲鳴を上げ、背を仰け反らせて天を見る。

 窓の外で月が輝く。
 蒼い瞳から一筋涙が零れ落ちた。



す、すいません。そっこーで書き上げたのの粗が……まぁ、時間をかけても同じことですorz。
超絶短いですが、これで精一杯
下はオマケ


「なんだアスラン、俺の酒が呑めないっていうのか」
「いえ、そうではなく、私はお酒に弱いものですから……」
「んだよ、硬いこというなって一杯ぐらい付き合えって」
 すっかり出来上がったピオニーが絡んでいるのは警備を勤めていたアスランだった。一緒に酒盛りをしていた他の面子はつぶされ、絡む相手もいなくなったのだろう。
「陛下、そろそろ飲みすぎですよ。部屋に戻りましょうね」
 明らかにもはや自力では立てないピオニーに手を貸そうとアスランが腕を差し出した瞬間、逆に腕をつかまれ、地へと転がされる。
「何を、陛下! ……んっ」
「ちょっとぐらい付き合えよ」
 ピオニーがアスランの口に直接酒瓶を突っ込むという暴挙にでる。傾けられた瓶の中身が勢いよく流れ込む。
「げほっけほっ」
 当然むせたアスランがピオニーの腕を払いのける。
  だがピオニーに反省した様子はなく、楽しそうに口元を吊り上げる。
「んだよ、呑めるんじゃねーか」
 無意味に陽気に笑うピオニーに静かに声がかけられる。
「…………………………陛下」
「ん?」
「当然陛下も“飲んで”いただけますよね?」
「おう、好きなだけ飲むぞー」
「それは良かった」
「何が……?」
 不思議そうに問いかけたピオニーの視界が反転する。思わず受身を取り衝撃を逃そうとした隙がまずかった。両腕を束ねて押さえつけられる形となった。
「あ、アスラン?」
「何ですか?」
 普段と変わった様子はない。否、滲み出る雰囲気がピオニーに抵抗を許さない。思わず慄き粟立つ素肌の上をアスランの掌がすべる。
「つっ……こんなとこで」
「誰も見ていませんよ」
「起きるかもしれないだろうがっ」
「……緊張感があって楽しいでしょう?」
 優しい微笑が今は怖い。
「……っん」
 あっさりと下着の下に侵入した掌がピオニーのそれを包み込む。
「声上げてもいいんですよ……皆が起きてくるかもしれませんけどね」
「あ、アスラン、……やめ……」
「誘ったのは貴方でしょう?」
「……何でもするから……せめて部屋にいかせろ」
「“何でも”?」
狙っていたかのようにつり上がる口元。
 自分は何かいけないものを起こしてしまったようだ。





実は”前”も書いていたのですが、前後がつながらなかったという……。 なのでこれはただのオマケです。


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