ディーノが僕を尋ねて応接室にやってきたのは突然だった。
それは別にいい。いつもの事だから。
そんな時に限って僕が風紀委員の仕事で手が離せないないのも珍しい事ではなくて、
「じゃあ、終わるまで待ってるな」と彼がソファに座り込むのもいつもの事。
だけど、今日は彼の様子が何時もと違っていた。 
いつもなら大人しく携帯を弄るなり、本を読むなりして大人しく待っている筈なのに、
何故か、ただ、ひたすらじーっと僕を見る。
話かけるでもなく、側に寄ってくるわけでもなく。
お陰で僕は視線が気になって仕事が全くはかどらない。
一言、文句を言ってやらないと。
「さっきから、何なの、あなた?」
「ん? ああ、やっぱりオレ、恭弥の事が好きだなーって思って」
そう言って幸せそうに笑うから、何を言おうとしたか、忘れてしまった。



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