2009年9月30日 スマトラ島南西沿岸下の地震


このページは、個人的な解釈を載せています。個々の情報はあとから訂正されることもありますので、あくまで参考としてご覧下さい。津波については気象庁で発表しています。


米国地質調査所(USGS)の震源カタログによる震央分布と今回の地震の震源位置(青色×印)。同所の速報では、M7.6です。ハーバード大グループのMwは7.5。この付近は南側のインド・オーストラリアプレートが北東側へ潜り込んでいて、今回の地震の震源は、沈み込んだ海洋プレートの中です(深さ81km)。日本付近で類似した地震としては、1993年01/15の釧路沖地震M7.8(深さ100km)とか、2008年7/24岩手県沿岸北部の地震M6.8、Mw6.8(深さ108km、死者1名)などです。地図中の長方形の中の震源による断面図を下に示しました。

上の地図の中の長方形内の震源を示した断面図。青色×印が今回の震源。縦が水平距離に比べ2倍に拡大しています。深さ30km余りの所に直線上に震源が列んでいますが、これは事実ではありません。震源決定の過程で震源位置の決まりが良くないとき、深さを仮定して水平位置だけ決めます。こういう地震の震源は当然誤差が大きいのですが、決めないより情報が有る方が良いという考えで決めています。そのとき仮定する深さが10kmとか、33kmとか、35kmという値がよく使われます。誤差の大きな震源がこの深さに列んでいると考えながら図を見てください。

スマトラ島南西沿岸では、2000年以来、巨大地震の発生が続いています。それぞれの余震域を年号とマグニチュードで示しました。2007年の地震は同じ日にM8.5とM8.1が起きています。1935年の地震は、宇津カタログによります。これらの地震は沈み込むプレートと陸側プレートの境界面で発生しており、今回の地震とは発生のメカニズムが異なります。