静岡県の地震活動


図1:静岡県と周辺の深さ60km以浅の2011年の1年間の震源分布。黒線は地表プレート境界線。 以下断らない限り、データは気象庁一元化震源による。
駿河湾内に沿岸部から南東へ延びる帯状震源は、 伊豆半島先端の石廊崎断層(活断層)に連なるものと思われる。 半島内のこの活断層では1974年にマグニチュード6.9の地震が起きた。 気象庁によって決められた震源は半島の沖合であったため、 この地震の名称は「1974年伊豆半島沖地震」となっている。 しかし命名後、震源断層が石廊崎断層であることが発見された。図4にパラメータを表示している。
式根島・新島から伊豆大島、伊東付近にかけての震源は、火山に関係したもの、 その北側の神奈川県西端部の震源は、箱根の火山に関係したもの。 静岡・山梨・神奈川3県県境付近の震源は、フィリピン海プレートの沈み込みに関連したもの、 静岡・山梨県境の震源は、富士山に関係したもの。
長野・山梨県境から南に連なる巾約20kmの浅い震源分布は、フォッサマグナを境に東日本が西日本の下へ 滑り込む動きによる。
静岡県の西半分の浅い震源は、県下へ滑り込んだフィリピン海プレート内部のものも含まれている。



図2:1982年から2011年までの30年間の震源分布(上)と 枠内の震源で直線ABに沿う断面図(下、縦横比は1:1)。 南東側(断面図の右端)から北西(断面図の左端)へ震源が深くなっているのは、 駿河トラフから県下へ滑り込んだフィリピン海プレート内部で起きたもの。 中央部から左半分で深さ20数kmまでの浅い震源は、陸側プレート内のもの。


図3:上の震源分布の中のマグニチュード4以上の震源分布図。


図4:2002年から2011年までの10年間の震源分布図。


図5:1962年から2011年までの50年間の震源分布図。


図6:1912年から2011年までの100年間の震源分布図。黒線は、地表活断層線(確実度1と2)。 神奈川県西部の1923年の地震は関東地震(M7.9)の震央、1924年のM7.3はその余震。


図7:過去50年間の東日本まで含めた震源分布図。


図8:明治元年以降、2011年まで144年間のマグニチュード5以上で深さ40km以浅の震源分布図。 黒線は地表プレート境界線。 内陸地震帯の途切れた場所が、第三種地震空白域という考えもある。




図9:過去65年間の日本付近のM6以上、深さ100kmまでの震源分布図。


図10:図9の年別地震数の変化。 2011年の100個を減らすと718個になり、平均約11個/年となる。


図11:過去65年間の日本付近のM5.5以上で深さ100kmまでの震源分布図。


図12:図11の年別地震数の変化。 2011年の280個を減らすと2104個になり、平均約32.4個/年となり、 約2.7個/月。



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