韓国慶州付近の地震(2016/9/12)

(2016/9/20 更新)


図A:日本の気象庁による前震・本震・余震分布(18日24時まで)ですが、 観測網から遠いので余りうまく決まっていないようです。茶色線は二つの地表活断層線。 東西方向に近い圧縮軸をもつ横ズレ型のメカニズムなので梁山(Yangsan)断層に関係した地震と思われますが、 この余震分布を見ると梁山(Yangsan)断層と直交する方向かも知れません。 震源のマークが一部は30kmより深いマークになっていますが、 これは主に日本の地震観測網で震源を決めたため、見かけ上深く求まったためで、 実際の深さはもっと浅く数kmから15km程度までと思われます。


図B:韓国気象庁がHPで公表している震源データで前震・本震・余震分布(19日22時まで)。 深さは、公表されていないので勝手に10kmとしています。

参考論文
https://www.jstage.jst.go.jp/article/afr1985/2005/25/2005_147/_pdf>
岡田篤正ほか(1998)「蔚山断層系(韓国東南部)中央部の活断層地形と断層露頭」地学雑誌,107(5),644-658. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography1889/107/5/107_5_644/_pdf https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography1889/107/5/107_5_Plate3/_pdf


図1:韓国気象庁の震源カタログによる震源分布(1986年以降)。 右側にパラメータを示したのが今回の地震です。 韓国気象庁はM5.8(20時32分)とM5.1(19時44分)と発表しています(日本時間)。 米国地質調査所では、それぞれM5.4とM4.9です。


図2:図1のマグニチュード・時間図。


図3:図1の震源の月別回数。今年の3月から増えているようです。 4月の熊本地震との関係はまだ分かりません。

この付近での過去の被害地震で知られているのは、 1936年07月04日、慶尚南道(Kyongsangnam-do)、智異山(Chirisan)雙*寺(Ssanggyesa)地震(*は、石偏に奚)。 Mj5.3、Mw5.1(5x10e23dyne・cm)、最大震度(JMA)5。負傷者4名、家屋全壊3戸,半壊10戸。


図4:紀元1500年以降で1985年までのM5以上の震央分布図。 今回の震源に近いのは1643年M6.3の地震。


図5:GCMTグループによるメカニズム解です。 横ズレ断層なので、梁山(Yangsan)断層に関係した活動と思われます。


図6:GCMTグループによるメカニズム解のP軸の水平面投影です。


図7:GCMTグループによるメカニズム解のT軸の水平面投影です。


韓国の地震関連情報 も参考にして下さい。





戻る