ネパールの地震M7.8(2015/4/25)とM7.3(5/12)

(2015/5/13更新)


図A:青色マークは、M7.3の地震が起きる前までの震源です。 赤色マークはM7.3を含み、それ以降の約29.5時間の震源です。 橙色の線は、M7.8の地震の余震域を囲ったものです。 今回の地震はM7.8の地震の震源域に隣接した東外側で起きています。 狭い意味での余震ではないようです。+印はカトマンズの位置。


図0a:30日03時まで本震・余震分布(米国地質調査所のデータ)ですが、本震が西の端の一番大きな○です。 M7.8となっていますが、モーメントマグニチュードMwは7.9でした。余震域が長さ100km以上もあります。 この地震は、東に向かって破壊が広がったようで、 首都のカトマンズ(+印)も震源断層上だったようで、大きな被害が出ています。 カトマンズの位置は、Wikipediaの情報を使いました。 今のところ最大の余震は余震域の東の端で起きたM6.7です。


図0b:上の図の時空間分布図です。上が西側です。 本震の直後から100km以上東の所まで余震が広がっており、この間の領域の下に震源断層があると思われます。 今のところ本震の58分後に起きたM6.7の余震が最大です。この地域は、余震活動が低調なようです。


図0c:図0aの枠内のマグニチュード*時間図です。縦軸がマグニチュードを示します。


図0d:2008年四川地震Mw7.9の本震・余震の震央分布です。データは米国地質調査所で、期間は図0aと同じです。


図0e:図0dの枠内のマグニチュード*時間図です。縦軸がマグニチュードを示します。 今回のネパール地震に比べ余震活動は活発です。


図1:ネパールでM7.9(米国地質調査所)の地震が、4月25日06時11分26秒(世界標準時)に発生しました(日本時間だと15時)。 ×印で表示したのが今回起きた地震の震源位置です。 今回の地震の少し東で1833年にM8の地震が起きていて、このときはネパールで死者414人(宇津カタログ)とされています。 1800年以降にM7以上の地震が4個(今回も含め)起きています。 震源の深さ40km。震源データは、米国地質調査所によります。


図2:1964年から今日までに起きたM6以上の震源分布です、深さ60km以浅。 震源データは、米国地質調査所によります。


図3:1964年から今回の地震まで直前までのM4以上の深さ60km以浅の震源分布。 今回の地震は、インドプレートがユーラシアプレートの下に沈み込むプレート境界で起きた逆断層でした。 ネパール中央域では20世紀以降は余り地震活動が高くありませんでしたが、 このプレート境界と周辺域では1997年以降活発化していました。


図4:1962年から今年4月28日までのM4.5以上の深さ60km以浅の地震の圧縮軸方位(地表面に投影)分布。 圧縮軸の方向が、インドプレートが北上しているようすを示しています。 本震がMw7.9で余震がすぐ東側にMw6.7とカトマンズ(+印)より東のMw6.8の2個メカニズムが決まっています。


図5:以下は以前作った図です。
1850年から2014年6月までのM7.5以上の深さ60km以浅の震源分布。宇津カタログ+米国地質調査所の資料。 枠で囲った範囲を以下の図で示します。


図6:図5の枠内の地震のマグニチュードと時間の図。


図7:図5の枠内の地震の時空間の図。上が北西側でギリシャ・トルコ、下がスマトラ側です。 1997年11月08日Mw7.5のチベットの地震以降、このプレート境界周辺域は活発化していました。



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