中国、青海省南部の地震:2010年4月14日

(2010/04/15 更新) この件で気象庁には問い合わせしないで下さい。

図1:米国地質調査所のPDEカタログによる1970年以降の震源分布。今回の地震M6.9。ハーバードMw6.9で横ずれ型地震。中国地震局によるとMs7.1で、震源は青海省玉樹チベット族自治州玉樹(Yushu)県。四川省鮮水河断層の北西延長部にあたる。茶色線は省の境界線。

図2:M6以上の震源分布。青海省南部では、久しぶりの大地震。最近7年間は北部で活発だった。

図3:今年になっての震源分布。青色は、本震前の震源。M5.0の前震が約2時間前に起きている。余震の位置がバラついているが、この地域での震源決定能力が余り高くないためと思われる。09:25(北京時間=日本時間-1時間)の余震は、中国ではM6.3、USGSはM5.8。

図4:中国の震源カタログによるM6以上の震源分布。今回の本震の場所では、1738年にM6.5の地震が起きている。省境界の1979年の地震は、中国のカタログではM6.2だが、米国地質調査所PDEカタログではM5.8なので、図2には表示されていません。

図5:1989年に出版されたプレート内ブロック図。長大な構造線・活断層でユーラシアプレートは多くのマイクロプレートに分かれています。今回の震源は赤色×印で示しました。これだと鮮水河断層の延長から南に外れていますが、最近の活断層図では、構造線自体が今回の震源位置付近を通っているようです。図6に最近の活断層図を示してあります。

図6:中国地震局のHPに示されていた活断層分布と今回の震源(黒色★)。矢印は北側、南側の動きです、加筆しました。

図7:Zonenshainら(1981)が提案したマイクロプレート構造。龍門山断層は書かれていますが、鮮水河断層が描かれていません。「Tb」はチベットマイクロプレート。

図8:Ma(1988)が提案したマイクロプレート構造。「7A」とかは、それぞれブロックとされ、マイクロプレートに相当しています。この図では龍門山断層の向きがおかしい。

図9:グローバルCMT解によるP軸地表面投影。

図10:グローバルCMT解によるT軸地表面投影。

図11:グローバルCMT解による逆断層型震源解の分布。×印は今回の震源。

図12:グローバルCMT解による正断層型震源解の分布。×印は今回の震源で、こちらのタイプの地震が起きる地域で発生したと思われる(余震なども含まれているので厳密ではないが)。